今回の記事は昨日「重大発表」があった豊島岡女子学園の「中学校」の平成27年度第2回の入試問題からになります。
重大発表とは「2022年度から高校で募集停止」という内容です。
この件だけでは現実的にはそれほど大きな影響はないと思われますが、他の学校も同じような方針を取るような流れができるとすれば極めてて大きな「発表」だったとも言えます。
大学入試制度改革がどのようになるのか不確定部分が大きすぎることから、来年以降しばらくは「中学受験」は過熱傾向かなと思っています。
「大学進学」を前提に考えれば不確定要素が多すぎる現状に不安を抱える人が増えることは容易に想像できることです。
中学校に関して言えば「公立」があるわけなので本来なら「過熱」は避けるような方向性で教育行政は進んでほしいと思っています。
「キャリア教育のウソ」
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児美川孝一郎さんの作品です。
児美川さんは法政大学の先生のようです。
詳細については「本」で確認していただきたく思います。
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「将来の夢は?」ってよく教育現場で聞くフレーズですよね。
これって「具体的な職業」を挙げるように求めているのだと思います。
「医者」「教師」「弁護士」「看護師」などを答えればいいわけです。
とはいえ、すごく違和感があるんです。
資格取得や就職することが「将来の夢」なんでしょうか。
早ければ20代前半で「夢」がかなってしまうわけです。
それって「夢」なんでしょうか?
言い換えれば「子どもでも知っているような職業」を言わせているだけだと思うんですよね。
世の中にはあまり知られていないような職種も多くあります。
有名企業の中にもいろいろな職種があるわけです。
子会社なども含めたらある意味無限に職種はあるんだと思います。
ただただ大人はメジャーな職業を挙げさえすれば納得するんですよね。
子どもがどれほどの種類の職業を知っていると思っているんでしょうか?
大学生にしても同じです。
基本的にBtoCの企業はなじみがあって安心感もあり人気があります。
一方、社会でいえば裏方のBtoBの企業はあまり知られていません。
「優良企業」はBtoBの方にもあるんですよね。
つまり「良く知らない人」に「知っている範囲」で答えろと言っているわけです。
例えば高校野球の選手を考えてください。
数年後にはプロに進んで有名になる人もいます。
しかし、一般的にはマスコミで話題にでもならない限り「無名」ですよね。
言い換えれば、才能もあるのに無名なわけなんです。
これは「企業」も同じで、積極的に情報を取りにいかない限り知らないわけなんです。
その程度の子どもに「将来の夢は?」とか聞くのって大人の無責任さの表れだと思っています。
ドラマの影響とかもありますよね。
その意味で、いろいろな職業を知ることって重要だと思うんです。
でもね
現実的に希望した企業に就職できたとしましょう。
例えば商社とかだったらどうですか?
予想していた仕事をしているのでしょうか?
確かに名刺にはその企業のロゴが入っているとは思うんです。
よほどの特殊な能力でもない限り、特に文系だと予想外の仕事をしている可能性もあると思うんです。
それを「将来の夢」というのでしょうか。
「夢」って
「夢」なんですよね。
どのような人間になりたいのかが重要なんだと思うんです。
「大金持ち」でもいいでしょう。
「尊敬を集める人」「有名人」「楽しく生きる」「みんなの役に立つ人」とかを答えるのが「将来の夢は?」なんだと思います。
例えば尊敬を集める人になるんだったらどのようにするればいいのかを考えるのが重要なんだと思います。
尊敬を集めるなら何らかの実績を示すことが必要でしょうし、それを持続させることも大事だと思います。
つまり、本気でそのような人間になりたいんだったら頑張り続けなければならないわけなんです。
しかし、一般的に問われる将来の夢だと「医者」と言ってしまえば「医者」になった時点で夢はかなったことになります。
確かに猛勉強をし続ければなれないわけですから「夢」でもいいとは思いますが、あまりにも早い時期にかなったことになってしまいますよね?
「医者」だとするならば「名医」を目指すとか「先端医療の開拓」をしたいとかもっと詳細に語るべきなんだと思います。
最後に
入試問題とは少し方向性が違う話を書きました。
個人的には勉強は生涯するものだと思っています。
例えば難関大学の附属中学にでも合格してしまえば「夢」がかなった状態になってしまう子どももいると思います。
「将来の夢」って大人になっても持ち続けるのが理想だと思っています。
その意味で、若すぎる段階での「夢」の実現って今の時代にはふさわしくないような気がしています。
「夢」を持ち続けられるように勉強をしていきたいなと思っています。