※神経伝達物質(脳内麻薬)が気分を左右する。
脳の神経細胞は約60種類以上の(神経伝達物質)である脳内ホルモンを作り出しています。
快感や覚醒、鎮静などを齎す作用があり「脳内麻薬」と呼ばれています。
神経伝達物質は「興奮系と抑制系に分かれる」。
神経伝達物質である脳内ホルモンとは、脳の神経細胞を作り出す化学物質です。
60種類以上が確認されており、気分や運動機能、内臓の活動など、様々な機能の調整役として働き、身体全体に大きな影響を与えています。
作用は神経細胞を「興奮させる」ものと「抑制する」ものに大きく分けることが出来ます。
興奮作用があるのはドーパミンとノルアドレナリンです。
ドーパミンは「快感や意欲」を引き起します。ノルアドレナリンは「危機」に対する「緊張感」を沈めます。
抑制作用があるセロトニンで、ドーパミンやノルアドレナリンの働きをコントロールし、精神を安定させます。
また、神経伝達物質の中には鎮痛作用や快感作用の強い、麻薬のような役割を齎すものがあります。
よく知られているのが「ランナーズハイ」を齎すβエンドルフィン、長距離ランナーの脳内で作られ、苦痛を和らげて恍惚感を齎しています。
※神経細胞を興奮させる神経伝達物質!
ドーパミン→行動を起こす時の動機づけや快楽や喜びの感覚を引き起こす。
ノルアドレナリン→不安や恐怖を引き起したり、記憶、集中、覚醒に作用する。
グルタミン酸→記憶の貯蔵を促す、ナトリウム塩との化合物は、うま味調味料の成分。
アセチルコリン→神経を興奮させる作用があり、記憶、学習、レム睡眠に関係している。
●神経細胞を抑制させる神経伝達物質!
セロトニン→ドーパミンやノルアドレナリンの働きをコントロールし、精神を安定させる。
ギャバ(GABA)→神経の働きを鎮痛し、不安や緊張、痙攣を沈める。
βエンドルフィン→脳内麻薬と呼ばれ、多幸福や快感、強い鎮痛作用である。
オキシトシン→脳の疲れを癒し、気分を安定させ、人に対する信頼性が増す。
美しい脳図鑑より、引用紹介。
人の脳には一時的に興奮すると脳を宥めるために「抑制させる(理性)」が働きます。
それも脳の興奮状態によって抑制させる神経伝達物質も違って来ます。
怒り心頭な状態ならノルアドレナリンが分泌されると不安や恐怖から大声を出したりします。但し、あまりに怒りが続くと脳には強いダメージを与えるために、セロトニン物質(抑制物質)が分泌され、脳を宥める働きがあります。
また、喜びや快感を覚えた時には、アドレナリンやドーパミンと言った脳内に分泌されると「恍惚感を生み出し」ます。
但し、これらの神経伝達物質が「過剰分泌」されると、精神状態に悪影響を与えます。アドレナリンやドーパミン物質が過剰に分泌されると「執着や依存」といった。欲求を満たそうとする行為や行動から「依存症(中毒)」を引き起こすことがあります。アルコール依存や薬物依存などがそうです。
また、ノルアドレナリンやセロトニンが過剰に分泌されると、精神状態に異常をきたすことがあります。
不安や恐怖心が増して、精神障害を引き起こすことがあります。うつ病は「セロトニンの減少」から起きると言われています。
こうしたように脳内伝達物質は、私たちの精神状態を安定させるために大変重要な物質であるということです。
五感プロデュース研究所、荒木行彦、