五感プロデュース研究所、-1

*大脳の機能、大脳は左右の大脳半球からなり、おのおの異なった機能分担をしています。左右が独立して活動しているのでなく、脳室を形成する脳梁という部分を介して連結し合っています。
大脳半球は解剖学的機能から、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられます。
*脳梁
膨大な量の神経繊維の束、すなわち情報ネットワークの束のようなもので、左右の大脳半球の表面にある皮質という部分を構成する神経細胞から出た神経繊維の一部が集まって情報を連絡しあう通路である。
この部分は男性より女性の方が細胞の数も多く約4000万に対して男性は半分程度である。だから男性が女性より脳が劣っている訳ではない、男性より女性の方がおしゃべりで直感的なものの言い方をすることになるのである。
*前頭葉
生物界の中でも、人間だけが圧倒的に大きく発達した部分である。
人間が人間であるために、最も重要な部分であるともいえます、五感から得た外的感覚情報が処理された上で、前頭葉の「連合野」という総合システムに送られ、記憶や感情と一緒に処理されて、物事を考えるという高等な働きをするのです。
思考、判断、創造性の中枢であり、人間活動の総司令部ともいうべきところです。
前頭葉の前半分の連合野の機能とは、一口で言うと「人間らしい社会生活を営む機能」ともいえます。
口や舌を動かしてしゃべることや字を書くことも。前頭葉の大事な機能です、人間で最も発達した機能として「言葉」があります。
*側頭葉
記憶と感情に重要な役割を果たしており、さらに味覚、嗅覚、聴覚の中枢でもあります。
嗅覚神経は人間では退化して、前頭葉の下面に細長く一対あるだけですが、ネズミなどでは非常に発達しており、嗅脳という大きな場所を占めています。
側頭葉は言語にも関わっており、感覚性言語野もこの部分に位置しております。
感覚性言語中枢、これらの感覚の中枢は左右半球とも対称性に存在しますが、聴覚中枢からの情報により言葉を理解する、感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)といいます。
ここで色々な音の情報の中から言葉を聞き取り理解するのです。
弓状束という連絡路でつながっている運動性言語中枢とこの中枢が一緒に働いて初めて人との会話が出来るのです。
記憶の中枢、記憶の中枢といっても、すべての記憶が一カ所に貯蔵されている場所という意味でなく、見たり聞いたりしたことを記憶として入力する機能が側頭葉の内側の「海馬」というところにあります。
*頭頂葉
頭頂葉は感覚の中枢として重要です、前半部に随意運動の中枢と接して体の各部位からの触覚や痛覚、温度覚、手足の位置を知る深部覚などの感覚を認知する中枢(感覚野)があります。
ここには痛みに対して反射的に手を引っ込めるなどの原始的な感覚認知でなく、痛みの種類までも判断するようなもっと複雑な感覚を認知する中枢です。
頭頂葉と前頭葉を分ける溝に中心溝があり、この部位の近くに「体性感覚野」があります。この部分は皮膚感覚「触覚」を司っています。
さらに大事なことは、体の感覚だけでなく、後頭葉に入った視覚情報や側頭葉に入った聴覚情報などの感覚をまとめて処理し、総合的に認知する感覚連合野があることです。
*後頭葉
視覚に関係した中枢、後頭葉は、視覚に関係した中枢で、眼から入った面像情報は視神経を通って脳に入る前に(視交叉)で視神経の束が左右交差して、左側の視野の映像は右側の視床にある外側膝状体というところで中継されて、後頭葉の一次視中枢に送られます。
右目の視野情報は左側の後頭葉に送られます。
視覚認知に関する複雑な処理を行う視覚連合野に情報が送られ、色や形、ものの動きなどの識別が行われ、さらに頭頂葉の感覚連合野でその意味づけがされて、画像情報の認知が出来るようになるのです。
たとえば、後頭葉の色を認知する部位が両側とも侵されると景色がすべてモノクロになってしまいます、人の顔を識別する部分なども、最近の研究で明らかにされつつあります。
五感プロデュース研究所、主席研究員、荒木行彦、