$五感プロデュース研究所、-a
外的刺激(ストレッサー)によって生体に生じる反応をストレス反応というが、ストレスは必ずしも悪ではない。一定のストレスがかかった状態で作業を行うと、かえってパーフォーマンスが高まるという研究もある。
だが、継続的にストレスを受けていると、身体が元の状態に戻らず、その結果としてパーフォーマンスが低下してしまう。
これが疲労である。それでは「脳が疲労する」とは、どのようなことなのだろうか。脳内にある神経細胞は、そもそも非常に疲労しやすい細胞だ。
神経細胞の基本的な機能は情報伝達だが、その正体は電気現象。細胞の外にあるナトリウムイオンが内部に流れ込む現象が、神経突起を伝播することで情報を伝達する。
神経細胞内にナトリウムイオンがたまると情報伝達ができなくなるので、それをくみ出し、カリウムイオンと交換する「ポンプ」の機能が神経細胞には備わっている。
そのポンプを動かし続けるには大きなエネルギーが必要だ。脳内では末梢臓器に比べて2倍から30倍のエネルギーが使われる。
このポンプは、アデノシン三リン酸(ATP)という物質をエネルギー源として動いている。ATPが枯渇すると、神経細胞は極端に、その機能を失ってしまう。ATPを作るには酸素が必要だが、たとえば脳梗塞になって脳に酸素が行かな九成る状態が5分以上続くと、神経細胞は不可逆的なダメージを受け、後遺症が残ってしまう。
ところが、このATPを作ること自体がストレスになる。ATPは細胞内小器官であるミトコンドリアで主に作られるが、その際に活性酸素が発生する。この活性酸素が、周辺のタンパク質や糖質などを酸化させてしまう。すると、ミトコンドリアの働きが悪くなり、ATPが充分に作れなくなる。
その結果、神経細胞の機能が低下する。これが、細胞学的に見た脳の疲労の一因である。
こうした疲労から身を守るためには、脳内ではさまざまな機能が旗ら堰いている。重要なのが睡眠だ。
実験動物の脳を刺激してストレスを与えると、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)という酵素が神経細胞で作られる。これはプロスタグランジンD2は、徐波睡眠(ノンレム睡眠の一つ)と呼ばれる深い睡眠を引き起こす子とで知られている。
同様のメカニズムが人間でも働いていると考えられている。
つまり、ストレスが続いて脳が疲労すると、睡眠によって脳の働きをシッャトダウンしようとする。脳の健康を保つのには、深く質の高い睡眠が必要だ。
さらに、脳は単に元の状態に戻るだけでなにく、受けたストレスに対する耐性が強まると考えられている。
ウェートトレーニングなどで筋肉にストレスを与えるとトレーニング前よりも筋肉量が増える現象を「超回復」というが、脳でも神経回路の可塑性によって同じ現象が起こっていると想定される。
この脳の「超回復」、つまり学習に睡眠が重要であることが、科学的にも検証されつつある。
6.25日号、週刊東洋経済、理化学研究所、分子イメージング科学研究センター、細胞機能イメージング研究チーム、チームリーダー、片岡洋祐氏解説、
以前にも私のブログでも「ストレスと脳」の関係性について説明しましたが、今回はストレスと脳のメカニズムということで、可成り詳しく解説しております。
私たち人には「ストレスは重要な要素!」だと指摘してきました。すべてストレスが悪いものではありません。
例えば、スポーツ選手の筋肉トレーニングや、学習、体験など人の脳には時として、質の良いストレスが必要なのです。
但し、人間関係や不安、恐怖などのストレスは精神的な疲労感や睡眠障害などを引き起こします。
これらの状態のストレスは、うつ病や精神障害を引き起こし、長期間続くこともあります。最近では、若い人たちに多い、人とのコミュニケーションが出来ずに思い、悩む「社会適応障害」なども増加しております。これらが質の悪いストレスです。これらストレス状態では、人の脳内に「ストレスホルモン」(コルチゾール)などの分泌から、セロトニン物質やドーパミンなどの快感物質などが減少するため、笑顔にならない、覇気がなくなり、思い悩んでしまうのです。
これらストレスと上手く付き合い、質の良い睡眠や運動、食事など規則正しい生活と、脳の刺激によって、精神的にも強くなり、ストレスと闘うというポジディブな思考も大切なのです。
今後とも私共は、ストレスと脳のテーマで、改善、対策などを提唱し、ストレスとの付き合い方、改善方法などを指導も、提案もして参ります。
五感プロデュース研究所、研究員、荒木行彦、