$五感プロデュース研究所、-a
位置ズレ錯視と考えられる現象の一つに、フラッシュラグ効果があります。フラッシュラグ効果では運動している物体に加えて、運動体と位置を揃える形で静止している物体(フラッシュ)が一瞬表れます。すると、運動体の位置はフラッシュよりも運動方向にズレて知覚されます。
このフラッシュラグが効果については、サッカーのオフサイドの判定の「誤審の一因とも指摘されています。ゴールに向かって走っている攻撃側の選手と静止した守備側の選手とが、実際には並んで位置に居たとしても審判は攻撃側の選手が守備側の選手よりもゴール寄り、つまりオフサイドの位置にいるように見えてしまうのです。
錯視によるこのような誤審は、知覚処理の時間的制約に基づく、知識や経験を得ることによって錯視がなくなるということはないのです。
従って、いくら審判が訓練や経験を重ねても、このような錯視に基づく誤審を避けることはできないと考えられています。
人の視覚、認知は目から入った情報が後頭部の視覚野に伝わるのに0.1秒ほど時間が掛かり、視覚野から前頭葉に伝わり「判断」するまでにまた、0.1秒ほど掛かりますから、視覚情報を判断、そこから、サッカーのオフサイドの審判が誤審するまでには、オフサイドのフラッグを上げるまでの行為の中で、視覚的情報から前頭葉で判断し、運動野に伝わり、筋肉を動かしてフラッグを上げるまでには0.5秒ほど掛かります。
フラッシュラグは「位置のズレによる錯視」でもあるのです。
サッカーでもオフサイドの誤審が起きやすいのは「選手同士が重なり有った時にはこのフラッシュラグが起こりやすいのです」。
私たちでも、新幹線で250kmのスピード走っているのに、外を見ないと、電車の揺れだけでは250kmの速度を体感出来ません。
また、新幹線がすれ違ったときには、新幹線が250kmのスピード、250kmのスピードですれ違うのでスピード感覚は500kmに感じて早く見えます。これらを「相対スピード」と呼びます。
これらも一種のフラッシュラグの錯視なのです。
私たち人の脳は錯視意外にも、脳の「思い込みや錯覚」をしています。
例えば、同じ言葉を何度も繰り返し、聴くと途中から言葉の聞こえ方が変わるのです。これも脳が勝手に修正してしまうのです。
本来ならば、音楽や音を聴いているときには、「聴覚野」が刺激され、活動しています。そのときに、同じ言葉を繰り返されると、区切りがなくなるので、脳が勝手に区切ってしまうので、言っている言葉とは別の言葉で聞きとるのです。
例えば、最近流行っている3人の女子グループのパヒュームの局に、リズムリズムリズムリズムと繰り返す歌い方があります。この部分を聴いて貰うと、途中から「ヒッツム」などと聞こえるのです。
これらの状態は人の脳内では、本来は聴覚野が働いているのに、一部、言語野の脳部が働いているので、これらの本来聞こえないはずの言葉に修正して、補完するのです。
人は五感の「錯覚」、「脳の思い込み、錯覚」をすることで人とのコミュニケーションや脳の安定、バランスを保って居るとも言えるのです。
もし、人の脳に錯覚がなく、全てを正しく、まともに認知、認識すると精神的状態が不安定になり、異常を来すと思われ、また、まともに真っ直ぐ立って歩けないかも知れないのです。
ですから、人の脳、五感には「錯覚が重要」だということを私から提言致します。
五感プロデュース研究所、研究員、荒木行彦、