五感プロデュース研究所、-a

職場や学校で自分の血液型を聞かれた経験を持たない人はいないだろう。血液型によって「気まぐれ」「まじめ」などの性格まで決まっているのか、心理学のアプローチから検証した。

 

血液型本の大ブームになっている。特に20076月に発表された「B型自分の説明書」(文芸社)が大ヒットして、0810月に150万部を突破した。

 

著者はiamais jamais氏、本名はもちろん、性別も年齢も一切明らかにされていない。自費出版でこれだけのベストセラーは珍しい。四タイプの血液型が揃った今シリーズ累計の売れ上げが480万部を超えている。

 

書店に行けば、血液型本を立ち読みする女性の姿が引きも切らない。

 

出版科学研究所によれば、081月~7月に刊行された血液型本は28点に上がるという。

 

これまでも血液型による性格診断ブームは何度もあった。最初のブームは古川竹二氏の論文「血液型」による気質学の研究だろう。発表は1927年戦前にさかのぼる。古川学説は日本法学総会で正式に否定されたものの、70年代に能見正比古氏による血液型本が登場し、再びブームを生み出していく。その後、下火になったかのように見えたが、04年にテレビ番組「あるある大辞典」で血液型性別診断が放送されて以来、大きなブームとなる。05年の日本社会心理学学会の発表によれば、04年度の血液型診断のテレビ番組数、1コーナーで扱ったものを含むは70本にも達したという。08/11/08 週刊ダイヤモンドより抜粋引用。

 

私のブログでも人の血液型と性格について説明しているが、私の見解は否定的であり、医学的に見ても、科学的に根拠にも欠如するものであり、ましてや脳科学、感覚生理学などの見地から立証できないのである。

 

また、人の血液型と性格についての専門家、研究員の数、論文、データも乏しく、ましてや今回の血液型性格診断本の「B型自分の説明書」なる本も、著者がどのような人で、専門家なのかも分からない本がヒットするなど私どもには考えられない。単なる流行性が強く働いたのだと予想される。

 

例えば、私どもが血液型の話をするときは、医学的要素、日本人の4割がA型であり、血液型によって栄養学、好む食べ物の傾向に違いがある。これらは科学的根拠もデータもあり、研究も進んでいる。これが性格なのかといわれると困るが、人の性格は血液型より、遺伝学的要素、脳科学の世界である。人の性格は両親から40%ほど遺伝的に受け継ぎ、育ってきた環境、親の躾、体験などの様々な要因が関わっているのです。

 

例えば、A型は几帳面でまじめなどといわれるが、B型でも、O型でもまじめで几帳面な人は多い。日本人の気質とも言われる几帳面は、確かに数字でA型で見ると日本人の4割だから、単純計算して6000万人以上になるから、当てはまるかも知れないが、血液型と人の性格の関係は有無に近いのである。もっと詳しく説明すると、私どもが研究に取り組んでいる「感覚生理学」で説明した方が早い。人の性格は脳の記憶、子供の頃の実体験、思い出、ショッキングな出来事など、生きざまのようなものから、遊びなどでも関わってくる。幼いころから私のように外で遊び、仲間とよく遊んだなど、人を助けあい、労わる体験をすれば、人に思いやり、労わりの心が育つ、また、親からあなたは人の役立つような人に成りなさいと母親から言われていた。これらが記憶となり、現在の研究に活かされている。

 

人の性格の多くは、体験や学びなど人の脳の記憶と深くかかわっているのである。だから、血液型などで簡単に人の性格は判断も診断もできないということである。

 

また、人の心理学で説明すると、人は群れる習性と同調する生き物である。特に女性は言語能力とコミュニケーション能力が男性より優れている。これらから、血液型と性格に関して興味を示すのは多くの場合、女性が多いのである。例えば、職場や学校で女性同士の会話の中で、血液型と性格診断の本を持ち出し、あなたの血液型はと尋ねると、A型と答えたとしよう、本を参考に几帳面でまじめだと書いてあるというと、疑いもなく、冷静に判断もせず直感的に当たっている。すごいねなど答える。少しでも疑問を持つと、仲間はずれにされる。だから同調する心理が働き、これらの心理から、血液型本は口コミから広がり、ブームとなるのです。

 

これら人との同調や真似る行為などを脳科学では「ミラーニューロン」と呼んでおり、働くのである。

 

これら心理学のアプローチから検証したものである。

 

信じることはけっして悪いことではないが、すべて信じ切ってしまう感覚、依存する感覚に私は警鐘を鳴らしているのである。

 

誤った知識、医学的根拠、科学的な根拠に欠けていることをぜひご理解頂きたいのです。

 

あくまでも参考本であり、すべて当てはまるものではありません。丁度、星占いや血液型別占いと似ていることをご理解頂きたいと思います。