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2010年11月18日 提供:読売新聞
医師や看護師らが患者などから暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたりする院内暴力に、全国の多くの医療機関が苦しんでいる。
広島県福山市内でも10月、酒に酔って救急搬送された男性が、治療にあたった医師を殴るなどして傷害、器物損壊の両容疑で逮捕された。医療機関側には、県警OBを院内暴力の“ガードマン”として置くことを検討する動きも出ている。苦悩する医療現場を取材した。
警察発表や被害に遭った病院などによると、事件が起きた日の午後10時頃、福山地区消防組合の救急隊から病院に「男性がカラオケで飲酒して嘔吐(おうと)した」と急患の受け入れ要請があった。10分ほどして運び込まれた男性は、意識不明で呼び掛けにも応じず、すぐに救急診察室で点滴を始めた。
間もなく目覚めた男性は、付き添いの人が室外で待っていたことに怒り、「今すぐ呼べ」と暴れた。点滴が外れて出血したため、医師が手足を押さえようとしたが、逆にけられたという。その後、トイレから戻ってくる際にも大声を出して壁や備品をけるなどし、医師の顔を殴ってけがをさせ、ガラス棚を割ったという。
同病院では、年100件程度の救急患者を受け入れているが、暴力を振るわれる危険を感じて警察に通報するケースが年4、5件ほどあるという。9月に院内暴力の対応マニュアルを作成したが、今回は被害のひどさに戸惑っている。
ガラス棚に保管していたコルセットなどの医療品は廃棄せざるを得ず、被害額は約50万円に上るというが、院長は「物損は何とかなるとしても、当直の医師や看護師はもちろん、病院全体の士気が下がり、心理的な負担が大きくなるのがつらい」とため息をつく。
市医師会にも、「医師が、患者から『治療で失敗したら責任は取れるのやろな』とすごまれた」「看護師が患者につきまとわれた」などのケースが報告されているという。
福山市では、夜間に、症状が比較的軽い1次救急患者を受け入れる救急支援診療所が、2011年度中に開設される予定で、運営を担う市医師会は、県警OBを警備員として配備することを検討している。診療所に常駐し、市内の医療機関でトラブルが発生すれば、駆け付けて対応することを想定している。
市医師会の児玉雅治副会長は「医療現場では、患者から大声で威嚇されるような事例は多い」と指摘。「病院側が風評被害を気にするのは分かるが、絶対にあってはならないことなので、毅然(きぜん)と対応する必要がある」とし、各医療機関に事例があれば医師会に相談するよう呼び掛けている。(石原敦之)
◆院内暴力=医師や看護師らに対する患者、その家族からの身体的な暴力、暴言、性的な嫌がらせなどをいう。全日本病院協会が2007年度に実施したアンケートでは、回答した1106病院のうち、576病院(52・1%)が、過去1年に職員が院内暴力を経験したとした。奈良県医師会が今年7月に公表した調査結果でも、医師、看護師の約6割が院内暴力の被害を受けた経験があり、病院勤務医の約7割が「被害は増加している」と回答した。
以前にも、患者が医師に、痛み止めの薬を処方しないと断ると猟銃を持ち出し、脅したことがニュースになりましたが、この患者は薬物依存症の患者だったのです。
他にも、医師や看護師を騙して、薬を処方させたり、具合がさほど悪くないのに、仮病などを使う患者さんなども居られます。
一番多いのが、酔っ払いが救急車などで運ばれ、治療するからと注射や点滴をしようとすると、払いのけたり、暴れたりするケースが現在、多発しているのです。
最近は、入院患者でも看護士にセクハラ行為や暴言をはく患者さんが多いといわれています。
確かに態度の悪い医療関係者も居るのは事実ですが、これらは一部の人だけであり、多くの関係者は真剣に一生懸命、患者さんに関わっております。
それでなくても、看護士や医師は人手不足から重労働を担っております。これらに患者さんからの暴力や暴言をはかれては堪らない。ぜひ、病院にガードマンなどを法律的に従事させるとか、警察官などを定期的に巡回させて欲しいと願っております。
五感プロデュース研究所、研究員、荒木行彦、