$五感プロデュース研究所、-a

2010/10/05(火) No.M015277
最新流行の3-D映画を見るために映画館に殺到し、誰もがハリウッドが改良した3-D技術による視覚の楽しみに喜びや驚きの声を上げているように思われるが、全員というわけではない。
米イリノイ・オプトメトリック(眼鏡技術)カレッジ(ICO、シカゴ)教授のDominick Maino博士は、「群衆の中に少なくとも一人は “何も飛び出して見えなかった”。あるいは “少し吐気がした”と言うかもしれない」という。米国では300~900万人に3-D映画を楽しめない視覚障害があり、18~38歳の人の56%が奥行き覚(depth-perception)障害に関連する症状を有する。
これらの障害は両眼視と関係している。両眼視とは、両眼を標的に合わせ、2つの眼で捕えた視覚イメージを組み合わせて1つの三次元構造を認識する能力。Maino氏は「頭部に2つの眼がわずかに異なる場所にあるので3-Dになる。脳が2つのイメージを合わせたときに3-D効果が生まれる。3-Dは実は、距離(間隔)を判断する能力である」と説明している。
3-D映画では、それぞれの眼に異なるイメージを与えることでこの効果を再現する。米国オプトメトリック協会(AOA)のスポークスマンである視覚・学習センター(ニュージャージー州)のLeonard Press博士によれば、両眼視に問題があると3-Dの錯覚を捕えられず、映画やTV番組が実は“視覚の酔い(visual hangover)”をもたらすという。
同協会の調査の結果、両眼視障害を有する場合、頭痛、霧視(かすみ目)、めまい感が3-D映画による最も一般的な副作用であることが判明した。これらの人では、映画を見た後にめまいを来し、正常に戻るまでしばらく時間を要した。この障害の原因には、次のようないくつかの異なる視覚障害が考えられる:
・弱視。片方の目がもう片方ほどに見えないときに発生する。両眼に差があるため、3-Dを見る能力が低下するか、能力がないという。
・斜視。焦点を合わせるときに両眼が同じ方向に向かない。結局、斜視の場合、3-Dでは複視が始まるか、見られなくなる。
・輻輳(ふくそう:収束)不全。両眼を互いに寄せて、同じ距離を見ることができない。
両氏は「この問題は、眼帯か特殊なメガネを用いて眼が共働する方法を教えるオプトメトリックビジョンセラピー(視覚療法)で治療できる。これは眼の理学療法の1つで、重要なことは眼が脳と共に働くのを助けることである」と述べている。
[2010年9月21日/HealthDayNews]
今年の12月には、3D専用メガネをかけなくても3D映像が見られるテレビが発売される。以前に「映像酔い」、子供たちの長時間、長期間の視聴など、私は映像にも副作用があると指摘し、注意を促している。
今年の夏に、アバターの3D映画を見ていた、中国の子供が心臓発作で亡くなり、映画が中止になったニュースは世界中に流れ、驚かせたのである。
これらは、脳の興奮状態から「アドレナリン物質」脳内麻薬が異常に分泌されると自律神経に影響を与え、顔が赤くなり、口から泡を吹いて、痙攣します。
そして、心拍数が異常に上がるので、心臓の弱い子供は心臓発作を起こすのです。ですから、3D映像のゲームや動きの激しい映像、長時間、長期間の視聴は幼い子供たちにバーチャルブレインという、以前にゲーム依存症として紹介したことがあるが、非現実(バーチャルリアルティー)と現実(リアル)の世界観の区別が付かない、認識出来なくなることが危惧されるのです。
これらは、十数年前にフライトシュミレーションゲームを毎日のようにゲームをしていた青年が、実際のジャンボジェット機を飛ばせると勘違い(思い込み)羽田空港でジャンボジェット機の操縦席に忍び込み、持っていたナイフで、パイロットを脅し、この飛行機を飛ばしたいと申し込んだのである。犯人は、普段フライトシュミレーションゲームで東京湾を何時も飛んでいるので、実際のジャンボジェット機も飛ばせると言いだし、パイロットが断ると犯人は興奮し、パイロットを持っていたナイフで刺して殺害した事件は、本当にショッキングな事件でした。これらが、私が指摘している「バーチャルブレイン」に陥った感覚なのです。
今後、3D映像など益々、リアル感が強く、現実的に脳が認知し、適応してしまう危険性があるのです。特に幼い頃からこれらの映像を当たり前のように長時間、長期間の視聴に注意が必要であるのです。
勿論、放送する側のテレビ局も映像酔い、リアル過ぎる動きの激しい映像、フッラシュ効果の高い、光の点滅や刺激の強い映像など、制作の段階などで専門家のチェック、修正なども必要と考えている。
私は今後、これらテレビ番組の監修などで多く関わっている関係から3D放送番組の監修、チェックに関わって行きたいと考えている。
また、日本政府でも規制や基準を設け、適正に正しく視聴させる指導をして欲しいと考えております。
今後とも、私共は「人の五感の副作用」など、人の五感に関わる。刺激、脳との関係など提唱して参ります。
五感プロデュース研究所、研究員、荒木行彦