$五感教育研究所-脳幹
睡眠不足が男性の寿命を縮める
2010/09/10(金) No.M014847
十分な睡眠を取らないと、寿命が縮む可能性があるという。新しい研究で、不眠症や睡眠時間の短い男性は14年の間に死亡する確率の高いことが示された。研究共著者の1人である米ペンシルベニア州立大学医学部教授のEdward Bixler氏は、「不眠症は非常に重い有害作用を有する可能性がある治療の必要な疾患であり、最善の治療選択のためにもっと力を注ぐ必要がある」と述べている。女性にも同様の影響がみられる可能性もあるが、今回の研究では追跡期間が10年と短く、死亡率に有意差を認めることはできなかったという。
以前の研究でも睡眠の寿命に対する影響が検討されているが、今回の研究は自分がどのくらい眠っているかという被験者自身の感じ方(間違っている可能性もある)と、実際の検査室での睡眠量をともに考慮している点がユニークである。Bixler氏らは、ペンシルベニア州中心部から1,700人強の被験者を集め、男性(平均年齢50歳)を14年間、女性(平均年齢47歳)を10年間追跡。被験者は質問に回答するとともに、睡眠検査室で1泊の検査を受けた。この知見は医学誌「Sleep(睡眠)」9月1日号で報告された。
研究期間中、男性の5人に1人、女性の5%が死亡。この男女差は、男性よりも女性の寿命が長いことと、女性の追跡期間が短かったことによるものと思われる。睡眠時無呼吸の罹病率などの因子による誤差のないよう統計結果を調整してもなお、不眠を訴え、検査室でも睡眠が6時間未満であった男性は、「安眠型」の人に比べて14年間に死亡する確率が高かった。安眠型の男性で研究期間中に死亡したのは約9%であったのに対し、不眠の男性は51%が死亡。全体では、女性の8%、男性の4%が不眠症を訴え、検査室でも十分な睡眠を取ることができなかった。
米ウィスコンシン医科大学のB. Tucker Woodson博士によると、睡眠障害が動脈血栓や免疫系の乱れに寄与するといういくつかのエビデンス(科学的根拠)があるという。今回の研究は、睡眠不足が直接的に男性の早期死亡の原因となることを明確に立証したわけではなく、他の因子が関与している可能性もある。女性の場合は寿命が長いため、さらに長期的な研究を実施する必要があるとBixler氏は述べている。また、別の専門家は今回の研究について「適切に実施されている」とする一方、女性に比べ男性の健康状態が悪いように思われ、結果に誤差が生じている可能性があると指摘している。
[2010年9月1日/HealthDayNews]
以前にも、私のブログで紹介した。睡眠と脳の関わり、精神安定や記憶などの定着のために人の睡眠があると指摘した。
人間は、毎日夢を見ているのです。私は夢を見たことがないと言うのは、忘れているだけで、記憶がないのである。
人が夢を見ないと、前日に記憶したことや体験したことを忘れてしまうのである。よく人は体が疲れたから睡眠すると考えている人は多いと思うが、実は人の脳の活性化のために睡眠をするのです。
体の疲れだけなら、横になって休んでいれば改善出来るが、現に、脳の疲れや精神的な疲れなど、ストレスもそうであるように、一晩ぐらいの睡眠では改善しないこともある。
人の睡眠は脳との関わりが深く、体内時計によって調整されている。人の脳の松果体という脳部が、体内時計に関係している。朝日が昇り明るくなると目覚め、暗くなると人は眠くなるのです。
また、睡眠前に眠くなるのは人の脳内にセロトニンという抑制物質が分泌され「睡魔」となるのです。
但し、睡眠前に脳が興奮状態だったり、極度のストレス状態だったりすると眠れない、慢性的な睡眠不足になるのが「不眠症」である。
以前に、大学との共同実験で人が3日間、眠らないと脳がどのような変化を起こすかの実験を学生3人に協力して貰った。
1日目は軽いあくび程度で確かに眠そうだが、2日目になる頻繁に生あくびが出て、眠そうで、身体的にも疲れが現れる。そして3日目には、あくびよりも、行動や会話がおかしくなり始めた。実験を行った学生の一人が、室内に侍が侵入してきたとか、もう一人の学生は、子供の泣き声が聞こえるなど、幻覚や幻聴が出始めたのである。勿論、室内には学生だけである。
私は、これ以上実験わ続けると学生の精神状態が危険であると判断し、中止させた。その後の学生は十数時間眠ったのである。
これらの実験からも分かるように、如何に人が眠る。睡眠が脳に与える影響が大きいことが理解出来ると思う。
だから、質の良い眠りが人には必要であるのです。人は脳を休ませるためだけでなく、実は人の脳は睡眠中も活発に働いているのです。そして、翌日の活動に備えているのです。だから脳のためにも、身体のためにも、精神の安定のためにも「睡眠は重要」ということです。
五感プロデュース、研究員、荒木行彦、