五感教育研究所-j
熱中症か、5人死亡…17-20日
2010年7月21日 提供:読売新聞
埼玉県内と石川県内で熱中症が原因とみられる死者が20日だけで計3人にのぼり、73地点で35度以上を記録するなど猛暑に見舞われた列島。読売新聞の集計では、17-20日までの4日間で、熱中症によるとみられる死者は5人、救急搬送された人は全国で2200人以上に上った。
高校野球の予選で選手が搬送されたり、鉄道のレールがゆがんだりするケースも。環境省などでは「特に高齢者や幼児は注意が必要」と呼びかけている。
読売新聞の20日午後10時現在のまとめでは、17日以降、20日までに救急搬送されたのは、埼玉県で208人、愛知県183人、東京都165人、福岡県137人、千葉県96人など。
鳥取県日野町のJR伯備線では、20日正午頃、カーブ部分のレールが複数の個所でゆがんでいるのが見つかり、一部区間で運転を見合わせた。JR西日本によると、暑さでレールが伸びたとみられ、ゆがみは最大4センチあった。氷水をかけて冷やすなどした結果、約5時間30分後に復旧した。
高校野球では17日、青森県予選で、暑さで体調を崩した選手1人が試合途中にベンチに下がり、試合が一時中断した。20日も、石川県予選が行われていた球場で選手2人が熱中症のため救急搬送された。
20日に前橋市や伊勢崎市などで35度以上の猛暑日を記録した群馬県では、13の観測地点のうち12地点で今年の最高気温を更新した。
一方、この暑さで、日焼け止めや肌を冷やすシート、スプレーなどの商品が売れている。都心の大手町でこの日、34・5度を観測した東京。銀座のドラッグストア「マツモトキヨシ」では、梅雨時と比べ、こうした商品の売り上げが10倍近くになった。
環境省などによると、熱中症にかかると、めまいや立ちくらみの症状が表れ、重症の場合、意識を失ったり、けいれんを起こしたりする場合もある。同省などは、こまめな水分補給のほか、日傘や帽子の使用などの対策を呼びかけている。
熱中症は、幼い子供や高齢者が疾患すると思われがちですが、最近では、小学生や中学生など野外スポーツ時の熱中症に疾患する人たちが急増している。昨年も少年が熱中症で命を落としているのです。
今年は、例年よりも、梅雨明けの10日といって、晴天の暑い日が続きますが、今年は8月の気温がすでに7月で昨年の最高気温を超えている。
19日~26日までの1週間に熱中症で搬送された患者は9000人を超え、到着後に死亡確認された人が57人と史上最高の早さである。参考に昨年の7月と8月を通じての熱中症に疾患し、死亡した人は16人となっている。このことからも、私は8月もこの暑さが続くようなら、全国で100人を超え死亡者が出てもおかしくないと指摘し、注意を促しているのです。
東京都内でも、21日(水)には、最高気温37度と、7月の最高気温としては記録的な気温になったのです。
以前から、野外スポーツ指導員などに、最高気温35度などの気温での運動は控えるように推進している。
日程や場所の予約などから無理して試合や練習を行おうとするのだが、これらが非常に危険であり、定期的に水分補給と体温上昇に気をつかって指導、安全管理している指導者は残念ながら日本では少なく、私から言わせると熱中症を安易に考えている指導者が多すぎると思う。
何度か、私のブログで熱中症に疾患する仕組みについて、詳しく説明したことがあるが、これらは人の脳と自律神経の働き低下などが原因です。
中でも、幼い子供と高齢者では、体温の調整機能が脳で低下し、急激な温度差などから汗が流れても水分補給しなかったり、暑いからとビールなどを大量に飲んでは汗の蒸発が出来ず、体内に熱が籠もり、汗が止まり、体温が急激に上がります。
普通、暑い時には、体温を下げるために発汗します。但し、汗腺の数の多い人は汗をかくのが遅く、あまり汗が目立ちません。逆に汗腺の数の少ない人は、大粒の汗をかき、すぐにシャツがびしょ濡れになるほど汗をかくので、体温が下がりやすいのです。痩せた女性や冷え性の女性では、汗を中々かかない人たちが居られます。これらの人たちは、良質な汗をかかなかったり、鉄分不足になり、貧血や熱中症に疾患しやすいのです。
ですから、暑いからと冷たい食べ物、冷たい飲み物ばかり、飲み食いしていたら、下痢や汗をかく機会が希薄になると体温の調節、人の脳、「視床下部」という、生命維持の脳部位といわれる。自律神経などに関わっている視床下部の働きが低下すると体温調節ができず、体内に熱が籠もるのです。
夏場に強くなると言うことは、実はこの視床下部の鍛錬なのです。夏場の暑い日には、汗を流し、体温調節する。寒い冬場は、身体を温めるためにブルブル震えるなどの体験が、夏ばて予防、風邪予防などの免疫力が高まるのです。
熱中症に疾患しないため、夏場の暑さに身体を慣らす、つまり暑さに適応させることが夏ばて予防になるのです。
そして、熱中症を安易に考えず、ましてや炎天下で幾ら車のアイドリングでエンジンをかけても、車内を冷やしても幼い子供たちを置き去りにしたり、一人きりにしないことである。熱中症はとても危険な病気であることをご理解頂きたいと思います。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、