五感教育研究所-1
今回紹介する戦う脳とは、格闘など闘や戦争などで戦うことを意味するのでなく、自己の脳と戦うことを意味する。例えば、不安や恐怖などを克服することで人の脳は何倍も強くなり、精神的に強くなるという話である。
例えば、カーレーサーや命がけのスポーツで大事故などに遭い、九死に一生を得たなどの体験した人は少ないと思われるが、これらの人たちが再度、復活して活躍できるという。如何に人は恐怖心を克服し、自信を取り戻すことができるのかということである。
私たち人は、スポーツでも、仕事でも、勉強も集中的に維持させることは難しいものである。これらは脳生理学的に人が集中できる時間は約1時間30分~2時間と言われる。だから、多くの映画が1時間30分~2時間の上映時間である。それ以上だと人の脳は飽きてしまうのである。
但し、途中で休息を入れると持続が可能になるのです。では、人の不安や恐怖心を感じたときは、人の脳はどのように反応し、感じるのか? 危機的な状態や命に関わるなどの恐怖は恐怖心の中でも最も強く感じると人の脳「扁桃葉」感情を司る脳部位で強く感じた恐怖は極度のストレスや時には「トラウマ」になることもあります。
これらの状態時に人の脳内では「ノルアドレナリン」という(不安、恐怖)を感じたときに脳内に分泌される物質です。
では、この極度の不安や恐怖を乗り越えて克服できる人たちと出来ない人たちでは脳の働きに違いがあるのでしょうか?、それは人の脳の前頭葉の働きに違いがあるのです。人の前頭葉は五感からの情報を統合し、計算、判断、決定などを思考し、創造性に至るまで司っている。
普通ならばスポーツなどで大事故に遭遇し、命に関わる体験をすれば二度としたくないと考えてしまうのが普通ではあるが、ところがオリンピック選手や世界のトップに立ち人たちは、これら不安や恐怖、悩みすら克服できるのは、強い使命感、目的意識が強く、それに立ち向かう意志が強い人ほど克服する時間も短くなるのです。これらが戦う脳なのである。
例えば、カーレーサーが以前にクラッシュ事故を起こして、そのレース場を同じコースを走る場合は、事故を起こしたときの記憶が蘇り、行動が萎縮し、アクセルを踏めなくなることもあるという。但し、それではレースに勝てないので、慎重にハンドリングやアクセル調整をするのである。
そして、そのレースで勝利すれば、以前より「達成感と快感が深まる」この快感こそ、戦う脳のご褒美のようなもので、再び自信を取り戻すことが出来るのである。以前に一流レーサーにインタビューしたことがあるが、車のスピードレースに恐怖感を感じない選手は勝てないと言っていたことを思い出す。
その選手はレースをする度に恐怖を感じ、怖いと言うのです。これらの感覚がなければ命を落とすとも語ってくれた。
人の脳は弱い部分と強い部分を持ち合わせているのだ。自信を失い、悲しみや不安を長期間持ち続けると、人の脳の弱い部分が表れ、脳内ではノルアドレナリンが分泌される。これらが異常に分泌されるとトラウマや時には鬱状態になることもある。
逆に使命感や目的意識を強く持ち、自分はこれら不安や恐怖と戦うのだという強い意識は強い脳が表れて、克服できるのである。
悩みや不安、恐怖は私たちに色々な形で襲いかかる。病気、事故、身近な人の死など現代社会は不安と恐怖に満ち溢れている。これらに対して立ち向かうことは他人では言葉で励ますことは出来ても、改善は自分の強い意志を持ち、これら不安や恐怖と戦うのだと強い気持ちを持つことである。自分の悩みや不安、恐怖は自分の脳で解決しなければ、誰かが助けてくれるものではない。励ましと勇気づけは出来ても問題解決は結局自分の脳で解決しなければならない。
つまり、戦う脳を身につけ、脳も逞しく、精神的にも逞しくならなければ、色々な不安、恐怖がお襲いかかるとすぐに負けてしまう。だから、すぐに諦めず、私には無理だ、出来ないと否定的な言葉を吐かず、頑張ってみること、そして克服したときの快感を感じられたら、現在、悩みや不安、恐怖を感じている人たちは是非、ご参考にして戦って欲しい。
私共は、皆様の悩みや不安、恐怖の一つでも解決でき、克服し、喜びと小さな幸せの積み重ねが出来ればと願っている。そして心から皆様を応援致します。
無理せず、焦らず、ゆっくりでも良いので、悩み、不安、恐怖を一つ、一つ解決してゆき、笑顔が戻れば克服は近いのである。是非、戦う脳を身につけて欲しいものである。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、