五感教育研究所-f
元派遣新天地はタイ・バンコクの下町、カオサン地区は、1泊100バーツ(約300円)から泊まれるゲストハウスが集中する安宿街だ。屋台が並ぶ通りから一本路地に入ると、日本人の若者が集まる一角がある。午後6時すぎ薄暗くなった空に「乾杯」と日本語が響く。現地で働く日本人たちが宴会を開いていた。
就職難の日本を離れ、タイで働く若者が増えている。「日本は一生懸命働いても報われない国だった」。 カオサン地区にたまに遊びに来る川崎大介さん(仮名37)はそう話す。
2006年3月、着替えを詰めたスーツケース一つを持ってバンコクに来た。コールセンターで働くためだ。日本国内で企業にかけた電話がバンコクに転送される。商品の問い合わせの対応が仕事だ。相手は日本のため、タイ語は必要ない。同世代の日本人50人ほど働いていた。
時給は200バーツ(約600円)、手当ても含め月収は手取りで3万バーツ(約9万円)、タイの大卒初任給は1万~1万5千バーツ(約3万~4万5千円)が相場だ。
会社の紹介で入居したのは9階建てマンションの最上階の一室(25平方m)、駅に近く立地条件も良い、エアコンや家具つきで家賃は7800バーツ(約2万3400円)、食費も安い。街の屋台が食堂で手軽に食べられる焼き豚飯は1皿20バーツ(約60円)、贅沢しなければ1日100バーツ(約300円)ですむ。
昨年3月勤めたセンターを辞め、1年間で時給が3バーツ(約9円)しか上がらなかったからだ。
現在、複数の職業紹介会社に登録して求職中だ。タイ語も話せるようになったので月給5万バーツ(約15万円)以上の仕事を探している。
中略、日本の不景気は対のコールセンターには追い風だ。コスト削減を図る日本企業の間で日本国内から人件費が安いタイにコールセンター機能を移す動きが目立つ。その受け皿となるのは低賃金でも仕事を求めてタイに渡ってくる日本人の若者たちだ。
バンコクには日系のコールセンターが4社ある。その一つトランスコスモス、タイランドには約140人の日本人が働いている。20~30代が中心だ。この2年間で取り扱う業務が2倍に増えた。「人手不足で、500人ぐらいまで雇用が伸びる可能性がある」と松村龍仁社長は話す。中国や東南アジアには日系コールセンターが多いが、中でもタイは入国や就労の規制も緩やかなため職を求める日本人が多い。
現地で一定基準の採用が見込めるメリットがあるという。
12/30朝日新聞より引用。
私は以前から日系企業の東南アジアでの日本人雇用に関して理解していたつもりだったが、今回の新聞記事を拝見し驚いている。特に今年2010年には20~30代の若者たちが競って海外に職を求めて行くと考えられる。
日本は先進国の中で経済対策の遅れ、復活の兆しすら見えてこず、雇用確保も増加していない。それどころか益々雇用が難しい環境になる。ならば、この不景気の日本を見捨てて海外、タイやベトナムなどの東南アジアに職を求めたくなるのも分かる気がする。
例え日本で雇用があっても住まい(家賃)が高い、生活費が高いなど派遣社員にとっては決して恵まれていないし、そこから次の仕事を選択したくても仕事がない正社員にはなれない厳しい環境が日本にはある。
では、生活費も安く、恵まれた環境があれば現在の若者たちは日本を脱出して海外に職を求めてゆく、現に海外で働きたいと希望している日本人は、日本人に海外の仕事を紹介している「パーソナルグローバル」(東京)には約2万7千人が登録している。今年2010年には3万人を超える日本の若者たち海外に職を求めるようになるだろう。
私は新聞の記事の「日本は一生懸命働いても報われない国だった」。という言葉にショックを受けた。決して怠け者でもなければ、一生懸命働いている若者たちも多い。だが、日本の多くの企業で合理化、コスト削減、利益追求、重視のため安い賃金を求め生産を賃金の安い海外に求めて行く、そこに派遣会社が目をつけたのである。そして求められる人材を日本の若者たちに紹介しているわけである。これらの現状を今の政権はどのように考え、今後、どのように日本経済を立ち直し、雇用を確保して行くのだろうか、所詮、現在の政権では日本経済の復活は程遠いと私は考えている。机上の理論で支援策、資金を投入しても具体的に何年先になど悠長なことは言っていられないのである。
日本経済の復活を即急に最優先して取り組まなければ、日本は世界からも取り残され、アジアNO1の経済大国の座から脱落してしまうだろう。
そこで、私共は小規模ながら、民間は民間でと考え、医療、教育、農業などをIT 化促進、新たな事業の創造、技術、巧みの技などを見直し、資源に乏しい日本において世界トップレベルの技術力で世界に向けて発信、世界での競争力に立ち向かうという一見無謀と思えるかもしれないが、今一度日本の企業が勇気と英知、そして技術的と創造力を駆使してこの未曾有の不景気を乗り切って欲しいと強く願っている。何時でも私共は応援して参ります。
そして、日本の若者たちへメッセジーとして、日本も捨てたものじゃないことをわかって欲しい。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、