うちの部門を支えている

敏腕の先輩女性が、

体調不良で無期限の休職。


可憐でしかも仕事も有能。

彼女の手により検討すべき資料は全て整えられて、仕事はスムーズに捗る。

要領悪く泥臭く突き進む私と違い、

きちんとこなすことで、上長からの評判も上々。

同じ科の男性社員は妖精だのなんだのと言ってちやほやしている。

同じ女の私は正直、嫉妬した(笑)

見た目もそうだし、その能力に対して。


その先輩が、休職している。

私の馴染みの先輩は「大丈夫かな。。。この間彼女にブチ切れたんだよね。。。」と後悔し、

件の彼女と同じ部門にいるまた別の先輩は「今俺たちが関わってあげられず、自然と彼女に集中しちゃったんだよね」と反省しているらしい。


うちの会社は確かに、「有能」な人に仕事が集まりやすい。そして、過重労働で潰れていくのが、昔っからのスタイルだ。

何より問題なのは、そのような「有能」な人が、得るべき評価を受けていないと、第三者が見ても感じてしまうことだろう。


彼女はメンバーからちやほやされていたはずだし、意欲的に働いていた。

でも、彼女への賞賛や賛美というのは、それ以上の効果を彼女に与えなかったということなのだ。

そう気づいて、切なくなった。


褒め言葉は結局、言葉でしかない。

それを聞いてやる気にはなるかもしれないし、言われないよりは絶対にマシなのだが、でも彼女に与えられていた言葉の数々は、実は彼女を救うものにはならなかったということ。


彼女がいなくなった科で、彼女が残したツールを見つめる。

ちやほやしていた男性社員が「ぜひ使って、FBしてあげようよ」という。

FBが必要なのはともかく、それで彼女の気持ちが少しでも回復するかもしれないという文脈だったのがあまりに安易で、違和感があった。


現にどれだけ賛美を受けても、

彼女の地位は上がっていない。

それでは、ただの飼い殺しだ。


 

持たざるも地獄だが、持つ者も地獄。

不条理は全て、旨いもので流す。