言葉に携わる仕事をしているくせに、自らの語彙力があまりにも低いことに愕然とする。
まず、自分の言いたいことを表せる的確な言葉がわからない。
同じカテゴリに含まれても似て非なる、微々たる言葉のニュアンスの差。
そこにたった1文字のひらがなをつけるかつけないかで、さらに文章全体の意味が変わってしまう。
言葉の繊細さを扱うというのは、非常に難しく、あまりにも尊いことなのだ。

普段から簡単な言葉、乱雑な言葉、幼稚な言葉ばかり使って話してきたのだから、ツケが回ってきても致し方ない、とは思う。

私にとってブログとは、言葉を使う、実践する実験の場でもある。
音楽や美術など、言葉では完全に表象しきれない世界については知ることで補完をし、自分なりの言葉を持って的確に伝えていきたいと、そう願う。


パンナコッタ。
語彙で表せない味覚の記憶。
これについて筆舌を尽くそうものなら、口の中に入れた瞬間に、柔らかい甘さがオレンジキュラソーのさわやかな香りと共に、すっと消えていく……云々となるだろうが、まあ自分で書いていても鬱陶しい。
実際は、とてもシンプルなのに。