憧れの女性に、久々に会うことができた。

彼女は会社を経営していらっしゃる、絶せの美女。

初めてお会いしてから10年近くたつ。

それまでのいきさつ、これからどうすればいいのか、話をする。

 

彼女から頂いた含蓄のある言葉を、ほんの少しおすそ分け。

とりとめのない話から生まれた欠片たちだけれど、生きるうえでヒントになるものがあれば。

 

・同じ失敗を繰り返す上司について

「部下も環境も、自分の思い通りにしようとしたらダメだよ。

上司の在り方は全体を見ること。それから、前任者の意志を承継して、よりよいものにしていくこと。

それまでの成功例を全否定して、自分のやりたいようにやりたいのであれば、

とっとと辞めて新しく自分の会社を立ち上げるなりした方がいい。」

 

・契約社員から正社員化したことについて

「採用するにあたって見られるのは、知識と経験。

それまでの経験が、評価されたのではないか。」

 

・異動について

「後悔するのであれば、異動しないほうがいい。

逃げてるって思われるから。

行くって決めたなら、後ろは振り向くんじゃない。」

 

・大切なこと

「できないじゃない、やる。

最初っから成功しようなんて思わないこと。

やっていけば、少しずつ出会える人間のランクが上がっていく。

そうして気がついたら、成功を手にしている。」

 

ちょうど女性管理職の在り方について、疑問を抱いていた私に出された啓示だ。

直属の上司が女性なのだが、2年過ごすうちに女性の嫌なところばかりを見てきてしまい、

同性を相手とするこの職場では、成り立たないのではないかと思っていた。

彼女の欠点は私の欠点にも当てはまるものだったから、余計に見ていて辛かった。

 

それにしても、自ら大黒柱になる女性は、覚悟が違う。

失敗したら男性になんとかしてもらえるわけではない。言いくるめる暇もない。

全てを背負うという重さ。

それは彼女の言葉に表れている。

 

「明日何がおきるんだろう、

明日仕事がなくなったらどうしようと、っていうのはもう常々考えている。

今目の前にあることに一生懸命にさえなっていれば、だいじょうぶかなと。

足を止めることができないので、走り続けていかなければなと思っている」

 

「……それにしても」

 

「就活していたころに比べたら、ずいぶんしっかりしたね」

 

……いやいや、まだ、これからですよ。

私は私で、目の前のことに、真剣に取り組もう。