夏休みに入りました。
この時期、「これまでの復習」や「苦手教科(単元)の克服」といった目標が、さまざまな学習現場で声高に掲げられます。
しかし、正直に言って「復習」で成果を上げられるのは、成績上位層のごく一部に限られるといっても過言ではありません。
むしろ、復習にばかり重点を置かれる成績下位層の子どもたちにとっては、それが誤った学習方針になっているケースが多いのです。
本当に必要なのは、2学期に学習する内容の「予習」を徹底することです。
例えば
be動詞と一般動詞の違いも理解できていない子どもに、受動態や現在完了が理解できるはずがないという意見があります。
分数や文字式の計算も曖昧な子どもに、方程式や関数が理解できるはずがないという意見もあります。
これらは、いずれも事実でしょう。
しかし、もっと大きな事実があります。それは、
復習に力を入れても、先が見えない学習に子どもはモチベーションを持てず、結局その内容は定着しないまま新学期を迎える
そして、また新たに「理解できない単元」が増えていくだけなのです。
確かに、学習には「向き・不向き」があります。
それでも、だからこそ
「楽しい」「もっと学んでみたい」という気持ちがどれほど強く学習に作用するか、そしてその結果として生じる“素晴らしき誤解”が、時に学力を大きく押し上げるという事実を知ってほしいのです。
次のような様子を想像してみてください。
2学期が始まり、授業がスタートします。
これまでなら、「つまらない」「理解できない」時間だったかもしれません。
しかし、復習はできていなくても、予習をしてきた子どもはこう思うかもしれません。
「これ、知ってる!」「あ、なんとなく聞いたことがある!」
そんな“少しでも分かる”という感覚が、授業への自信につながり、「次も聞いてみようかな」という前向きな気持ちを生み出します。
そして実際に、このようなきっかけで“大化け”していく子どもを、私は塾で何度も見てきました。
卒業した生徒が、ふとこんなことを言ってくれました。
「先生、僕、英語はできてたよね?」
客観的に言えば、正直“できていた”とは言い難いかもしれません。
でも私はこう答えます。
「確かに、英語ができる素質を感じたよ」
すると、生徒が続けて言います。
「英会話、習いに行こうと思ってるんだ」
これこそが、最も大切な“動機付け”だと、私は思います。