私たち施設の利用者さんの高校3年生の男子、Iくんが見事、K大学文学部心理学科に見事に合格しました
彼は小学5年生より不登校になり、中学3年まで一度も学校での授業を受けていません。そして、睡眠障害という厄介な敵もいました。上質な睡眠が取れないため、何時間寝ても眠く、そのため朝、起きることができません
彼には大学に行って、心理学を学びたいという希望がありました。体の不調で精神をも病んだ自分の経験を活かし、同じような境遇の人たちの役に立ちたいという思いが芽生えました
9月になり、AO入試の日程を調査し、受験準備を進めていましたが、スケジューリングが苦手なIくんは、最初の大学の出願締め切りを逃してしまい、またもやパニック。しかし、1回目の出願を逃した彼は、次にチャレンジする大学の情報を私と一緒に詳細に調査し、対策を十分にしました。最初の大学より偏差値が10以上高い大学を受験するため、気合を入れて取り組みました
1次試験は4種類の小論文があり、受験校の心理学部の特徴や、そこで自分が目指したい部分を熱く書き、郵送で提出。無事、2次試験に進むことができました。2次は東京の大学内にて行われ、前日から乗り込んで臨みます。前日の朝の飛行機、当日の試験も寝過ごすことなく、無事終了。すぐに電話があり、「やり切った、これで落ちたら仕方ない。」と充実の報告がありました
2次試験から約2週間後、吉報が届きました。各学部合計約200名の合格者中、10名にのみ与えられる200万円の返済義務のない給付奨学金に選定されたのです。これはかなりの好成績での合格と考えてよいでしょう
合格発表から10日ほど経ち、Iくんはせっせとバイトに励んでいます。東京での生活資金を稼ぐため、冷凍食品の配送センターで、冷凍倉庫の中を行ったり来たり、時給が上がる22時を過ぎてまで働きます。壁にぶち当たると逃げ、落ち込み、閉じこもっていた彼とは見違えるような強さです。しかし、春からの東京での一人暮らし、大学の授業についていけるかなど、問題は尽きません
大学の授業対策としては、まずは英語のレベル向上のため、勉強もしてくれています。何度失敗しても問題などありません。失敗しても諦めず、また立ち上がればいつか「成功」の二文字がついてきます
障害を持って生まれ、何度も挫折し、傷つき、落ち込み、それでも向上心を持ち続けたから、今があります。これからも試練はあるでしょう。今までよりもキツい試練かもしれません。それでも何とか持ちこたえてください。ずっと応援しています負けるな、Iくん
(H.N)
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