さて、今回は「1本5,000円の焼き菓子」という架空の新商品をどのように計画し、展開して行くかというワークをやっていただきました。

 

ミーティング形式で話し合っていただきましたが、受講生さん達からなかなか面白いアイデアがたくさん出てきて、私もとても勉強になりました。

1本5,000円と言うと、なかなかのお値段ですよね。なので、まずは季節限定商品で、さらに数量限定販売で希少性を打ち出し、ロイヤル顧客を優先して予約販売制にする。などのアイデアが出てきました。私はとてもいいアイデアだと思いました。

マーケティングの手順に則った販促計画ですね。

 

「ロイヤル顧客」とは、お店に大きな利益をもたらしてくれるリピーターです。

お客様は自分を優先的に扱ってくれるお店に愛着を感じ、ますます店に足を運ぶようになります。(パレートの法則に従えば、顧客の中の2割の上客が売り上げの80%を構築しているという事になります。)

また、季節限定と言うことはその時期の旬の材料のみ使った、一度に多く生産することが難しい、凝った製法の商品なのだろうと、お客様が値段以上の価値を感じた時に初めて購買に結びつくのです。

 

ビジュアル面では、値段なりの打ち出し方をしなくてはなりません。

パッケージの色やデザインは、高級感があるだけでなく、お菓子に使われている材料がチョコレートか、果物か?どの季節に展開するかなど、お客様がその要素に対して抱いているイメージに合ったデザインにする事も大切です。

販促の5Wの中に「Why」(なぜ)という項目があります。

これは発売者側の「意図」を「テーマ」として訴求するということです。

例えば、「創業当時から伝わる秘伝のレシピをさらにアレンジして、地元の旬の素材のみを使い、体に優しいお菓子を作りたかった。」という、地産地消や健康をキーワードとしたストーリーや拘りなどの「事」を訴求するのです。何故5,000円もするのか?素材や製法にこれだけ拘ったものだからという、作り手のエネルギーが感じられる事でお客様は共感し、価値を感じてもらえます。

 

売り場で展開するときにはそのテーマをディスプレイや販促品などに落とし込みます。

その方法は、やはりPOPが一番作りやすく伝えやすいでしょう。

アイキャッチになる「キャチコピー」で注目させ、素材や製法などの内容は

「ボディーコピー」で伝えます。キャッチコピー、ボディーコピーの書き方は別の機会でお話ししますが、説得力のある文章で商品に対する理解度を高めることが目的です。

次に、陳列場所は店内のどこにするか?常温、冷蔵などの条件もあるでしょうが、やはり目立つ場所に販促物とセットにして陳列することは当然です。

他の商品と一線を画する様に配置し、お客様にも特別な商品として一目で分かってもらわないといけません。

小スペースでも専用の売り場を設けたり(テーブル一台でもOK)、棚のスペースを広めに取ったり、ディスプレイの色を絞って展示、陳列するなど、誘目性を考慮しながら売り場を作りましょう。ショーケースの中なら、スペースがかなり限られてきます。ショーカードのデザインを他の商品と差別化し、やはり販促物とセットで陳列しましょう。

 

この様に、新商品を企画する際は、商品の事だけでなく、「どうやって売るか」

を考案しながら、売り場展開までのプランを作って行きましょう。

 

 

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