今回は、「『虫の知らせ』などの目に見えない感情をバカにしない方が良い理由」について、思うところをお話させて頂きます。
上記のYouTube動画でもお話させて頂きましたので、よろしければそちらもご覧頂けますと大変有難いです。
『虫の知らせ』というのは、一言で言えば「嫌な予感」という表現が当てはまりますが、恐らく人生で何回か感じた事がある人も多いのではないでしょうか。
例えば、スポーツ観戦をしていて、応援している選手やチームがリードしている試合展開にも関わらず、なぜかこの後逆転されて負けてしまうのではないかという嫌な予感がしてしまい、実際にその通りの結果となってしまうようなケースが考えられます。
あるいは、友人から合コンに誘われていて、参加しようかどうか迷った挙句、何となく参加しても楽しい時間を過ごせないのではないかという嫌な予感がしたため、結局は参加しない事に決めて断ったのですが、後日談として友人から聞いた話では、実際にその合コンは本当につまらなかったので参加しなくて正解だったというケースなどもあるでしょう。
こういった事は日常生活のちょっとした場面ではそこそこあるものの、実際にはその予感が的中する事もあれば外れる事もありますし、どちらの結果になっても自分の人生に重要な影響を与えない事も多いため、結果についてそこまで深く考えないケースが多いと思われますが、時にはこの『虫の知らせ』のような嫌な予感というものが、その人の人生を大きく左右するような事もあり得るのです。
今回は、その典型的な事例を一つ紹介させて頂きます。
その事例とは、私の母方の祖母と、その祖母の母に当たります曽祖母の実体験に基づいたお話で、私がまだ小学6年生の頃、祖母から直接聞いたお話となります。
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これは祖母がまだ若かった頃に体験した不思議な話なのですが、時代はまさに終戦も間近になった頃で、当時祖母が住んでいた東京には毎日のように焼夷弾が降り注いでいました。
その頃、まだ20歳だった祖母は、当時14歳~24歳までの独身女性に課せられていた勤労奉仕へ従事するために、毎日のように麹町まで出かけていました。
しかしある日、いつものように祖母が勤労奉仕に出かけようとすると、曽祖母、つまり祖母の母親が「お願いだから今日は行かないでくれ!」と頼んだそうです。
それでも出かけようとする祖母に、「頼むから今日だけは行かないでくれ!」と懇願し、終いにはその場で曽祖母は泣き出してしまいました。
あまりの曽祖母の態度に祖母は根負けし、その日はとうとう出かける事を止めたそうです。
そして、実際にその日は次々といつも以上に焼夷弾が激しく降ってきて、祖母が通っていた麹町にも爆弾が落ち、何とその日その職場で働いていた女性は全員亡くなってしまったとの事です。
つまり、祖母は結果的に曽祖母のお陰で助かった事になります。
私がその話を聞いた時には既に曽祖母は他界しておりましたので、直接曽祖母に確認する事はできなかったのですが、祖母はその話を私だけでなく、私の母にも「不思議だった」と話していたそうで、まだ曽祖母が生きている時に、母がその日の事を直接曽祖母に尋ねてみたそうです。
そうしたら曽祖母は一言、『あれは虫の知らせじゃ』と、故郷の岡山弁で語ったとの事です。
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以上が当時私が祖母から聞いたお話となりますが、今でもハッキリと覚えているくらいに私にとっては衝撃的な内容でした。
と言うのも、もし祖母があの日にいつも通り勤労奉仕に出かけていたら、間違いなく祖母も亡くなっていたと思います。
そうしますと、当然私の母も生まれていないので、私自身もこの世に生まれていない事になります。
つまり、曽祖母の『虫の知らせ』のお陰で、私は今こうしてこの世の中に存在できている事になるのです。
なので私は、目に見えるものだけがこの世の全てはなく、やはり目に見えない不思議な力というものが存在していて、それがこの世の中に何かしらの影響を与えているのではないかと考えているのです。
あの時曽祖母が感じた『虫の知らせ』の正体を科学的に証明するのは恐らく不可能ですし、「たまたまそうなっただけだ」と言われてしまえば、それまでかもしれません。
しかし事実として、その『虫の知らせ』のお陰で助かった命があるのです。
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人によっては、科学的に証明できるものや目に見えるものだけしか信じないという方もいらっしゃると思いますし、そういった考え方を否定するつもりもありませんが、やはり私は「科学で証明できないもの」や「目に見えないもの」に対しても、ある程度尊重する気持ちを持つ事も大切ではないかと思っております。
例えば、我々は他人の表情であったり、態度であったり、あるいは行動というのを目にする事はできますが、他人の心情や感情を目にする事はできません。
ですので、日頃は目に見える表情や態度や行動などによって、その「人となり」を判断する事になりますが、なぜそのような表情や態度や行動をするのかについては、目に見えないその人の心情や感情がそうさせているケースが非常に多いと言えるでしょう。
つまり、目に見えない人間の心情や感情というものが、その人の表情や態度や行動となって目に見える形で表面化され、その繰り返しと積み重ねによってその人の人生が創られていくという点では、目に見えないものが人生に与える影響というのは、やはり無視できないのではないかと考えられます。
また、私が日頃携わっております占いに関しても、よく『運気』という言葉が出てきますが、『運気』を構成する「運」にしても「気」にしても、それらを直接目にする事はできません。
しかし、時にはそういった目に見えない「運」や「気」というものが、人の人生に影響を与える事も往々にしてありますので、今回お伝えしました『虫の知らせ』にしても、やはり目に見えないものをあまりバカにし過ぎず、多少なりとも大切にした方が良いのではないかと考えております。
今回は長文となりましたが、最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました!