2023年1月度句会から6月度句会のそれぞれの「宿題」における天・地・人の句を集めました。力作をお楽しみください。
2023年1月
◆宿題「めでたい」 新川弘子 選
- 人 お年玉くれる孫いておめでたい 平松かすみ
- 地 恵まれて感謝の花が咲いている 南 高志
- 天 重篤の病完治の退院日 井澤壽峰
◆宿題「生きがい」 長尾千賀 選
- 人 一瞬で生きがい霧散ガン告知 井澤壽峰
- 地 ときめきの出合い密かに温める 川本信子
- 天 生きがいの茶碗が二つ並んでる 伊達郁夫
◆宿題「白星」 伊達郁夫 選
- 人 白星を拾ってからの技の冴え 高田博泉
- 地 この人生白星の日もあるだろう 山上銀杏
- 天 黒星のあとは白星きっと来る 高田博泉
◆宿題「元日」 荒川鈍甲 選
- 人 あけまして屠蘇屠蘇屠蘇のお元日 土田欣之
- 地 老妻とたった二人で祝う屠蘇 鈴木いさお
- 天 孫ひ孫十三人のお元日 川端一歩
◆宿題「自由吟」 籠島恵子 選
- 人 天声人語紙の匂いで今日始む 川端一歩
- 地 いっぱしの論ありげなり曲げわっぱ 新川弘子
- 天 鈍を脱ぐ少年の目の光 土田欣之
2023年2月
◆宿題「流れる」 鈴木かこ 選
- 人 萌黄色の夢が流れる春の空 秋田あかり
- 地 雑踏の中の私は点である 斉藤泰子
- 天 非正規の星屑らしき流れ星 廣田和織
◆宿題「息抜き」 川本信子 選
- 人 息抜きの暇等取れぬ町工場 井澤壽峰
- 地 春色の靴と心の旅に出る 鈴木かこ
- 天 家計簿が息抜き出来ぬ物価高 西出楓楽
◆宿題「阿呆」 井澤壽峰 選
- 人 手の平で踊るアホウに見るアホウ 穐山常男
- 地 一筋の阿呆に花が咲く叙勲 土田欣之
- 天 もう阿呆でいようと決めて義母介護 佐藤后子
◆宿題「開運」 秋田あかり 選
- 人 開運の兆しか五円玉拾う 伊達郁夫
- 地 一条の光が差してきた余喘 土田欣之
- 天 代役がピタリとはまり巡る運 藤村亜成
◆宿題「自由吟」 伊達郁夫 選
- 人・仏にもわたしの好きな豆ごはん 秋田あかり
- 地・タンポポが首をすくめて咲いている 籠島恵子
- 天・絵手紙の絵筆便りに母の無事 井澤壽峰
2023年3月
◆宿題「卒業」 平松かすみ 選
- 人・国宝の芸に卒業などはない 西出楓楽
- 地・この世では卒業できぬ母の役 大内朝子
- 天・卒業の息子に渡す白い地図 伊達郁夫
◆宿題「うろつく」 西出楓楽 選
- 人・スマホデビューうろつく指が四苦八苦 川本信子
- 地・安倍の霊がうろついている永田町 荒川鈍甲
- 天・うろついた事が宝になることも 平松かすみ
◆宿題「輝く」 荒川鈍甲 選
- 人・翔平と聡太につきる輝き度 江島谷勝弘
- 地・侍ジャパン輝く勝利たぐり寄せ 久世高鷲
- 天・憲法よもっと輝けいま出番 川端一歩
◆宿題「美味しい」 江島谷勝弘 選
- 人・おいしいと聞かれてまずいとは言えず 秋田あかり
- 地・コンビニのおにぎり美味し桜の下 長尾千賀
- 天・口五体こころ満足母の味 西出楓楽
◆宿題「自由吟」 籠島恵子 選
- 人・年に一度ソメイヨシノに恋をする 永井玲子
- 地・おっとりと構えていれば白寿まで 肥山一文
- 天・ばあちゃんが毎日開く電子辞書 平松かすみ
2023年4月
◆宿題「欠席」 藤村亜成 選
- 人・核禁会議に行かぬお国の倫理感 荒川鈍甲
- 地・休場をしない横綱作らねば 松岡 篤
- 天・欠席が続く生徒の深い闇 碓氷祥昭
◆宿題「さっぱり」 佐藤后子 選
- 人・さっぱりですを口グセにしてよく稼ぐ 片山かずお
- 地・断捨離が暮しの匂い消してゆく 籠島恵子
- 天・さっぱりと生きるに少し義理を欠く 籠島恵子
◆宿題「暖かい」 池田武彦 選
- 人・炊き立てのご飯に優る美味は無い 碓氷祥昭
- 地・暖かい言葉に発芽する私 伊達郁夫
- 天・吾子を抱く慈母の手温い暖かい 井澤壽峰
◆宿題「重い」 松岡 篤 選
- 人・重かった父のからだがふわり浮く 池田武彦
- 地・もうすでに重い病の地球号 廣田和織
- 天・重い荷をやっとおろせたデスマスク 大内朝子
◆宿題「自由吟」 伊達郁夫 選
- 人・裸木へ今爆発の命たち 大内朝子
- 地・マスク取りぽあんと乗った春の雲 秋田あかり
- 天・ずるいなと思う遅咲きの八重桜 籠島恵子
2023年5月
◆宿題 「掻きまわす」 廣田 和織 選
- 人・ゆっくりと搔きまわすうれしい言葉 秋田あかり
- 地・仲良うせえとジューサーに放り込む 栃尾奏子
- 天・うちはうち他人は口出しせんといて 斉藤泰子
◆宿題 「軽 い」 藤田 武人 選
- 人・お茶漬けの似合う男で気が軽い 伊達郁夫
- 地・もう許そう軽くなったね白い骨 久世高鷲
- 天・バカでしょうと語る古傷を語る 籠島恵子
◆宿題 「疑 う」 西出 楓楽 選
- 人・あの時の疑い時は水にする 籠島恵子
- 地・疑いが晴れてからです隙間風 長尾千賀
- 天・疑ってばかりで痩せていく心 廣田和織
◆宿題 「偶 然」 栃尾 奏子 選
- 人・偶然は神の忖度かも知れず 西出楓楽
- 地・またお会いしましたねェと旅の空 籠島恵子
- 天・角を曲って偶然視野が広がった 荒川鈍甲
◆宿題 「自由吟」 籠島 恵子 選
- 人・伏線を胸に秘めてる謀 井澤壽峰
- 地・ありがとう敗者になってから自由 栃尾奏子
- 天・取れたては鯛もサンマも皆同じ 高田博泉
2023年6月
◆宿題「がむしゃら」 高田 博泉 選
- 人・寝食を惜しみ手にしたノーベル賞 井澤壽峰
- 地・がむしゃらに働きやっと兎小屋 西出楓楽
- 天・産卵へ我先鮭の川登り 川本信子
◆宿題 「空回り」 井澤 壽峰 選
- 人・試行錯誤また繰返す空回り 鈴木いさお
- 地・空回り重ねて阿吽まで番 土田欣之
- 天・ヒロシマを見せても減らぬ核の数 西出楓楽
◆宿題 「うっとうしい」 荒川 鈍甲 選
- 人・梅雨空も翔平さんが吹っ飛ばす 川端一歩
- 地・停年後べったり夫が居てますの 大内朝子
- 天・うっとうしいがパスは出来ない政治欄 松岡 篤
◆宿題 「合 図」 髙杉 力 選
- 人・俎板の音は和解の合図だな 川端一歩
- 地・歳時記に少し早目の四季を知る 籠島恵子
- 天・まばたきで解ってくれる人がいる 伊達郁夫
◆宿題 「自由吟」 伊逹 郁夫 選
- 人・夏と冬どちらにしようかな遺影 平松かすみ
- 地・むらさきの袱紗に義理が畏まる 久世高鷲
- 天・朝顔が咲けば子のこと母のこと 川本信子
以下の新ブログもお楽しみください。
◎2023年6月度句会結果「川柳ねやがわ」
◎別冊「川柳ねやがわ」2023年6月号
◎印象吟で遊びませんか? 投句をお待ちしています。
■ 川柳ねやがわ 七月句会 ご案内
- 会場 産業振興センター 3階
- 京阪寝屋川駅西側出口下車。徒歩約5分
- 日時 七月十八日(火)十二時二十分開場
- 出句各題 3句 締切り 十三時
- 投句 切手四二〇円分同封の上左記事務局宛
- 十四日(金)必着でお願いします。
- ※句箋(A4コピー紙八つ切り)又は便箋でも可
- 句箋の場合裏に題と雅号を記入。
★宿題「風 上」 新川 弘子 選
「恐ろしい」 長尾 千賀 選
「差 額」 久世 高鷲 選
「うっかり」 鈴木いさお 選
「自由吟」 籠島 恵子 選
■ 八月句会予告 (各題 3句)
- 会場 産業振興センター 三階
- 日時 八月十五日(火)開場十二時二十分 出句締切十三時
- 投句 切手四二〇円分同封の上左記事務局宛
- 十一日(金)必着でお願いします。
- ※句箋(A4コピー紙八つ切り)又は便箋でも可
- 句箋の場合裏に題と雅号を記入。
☆ 題 (席題はありません)
「裏口」 藤村亜成 選
「伏線」 平松かすみ 選
「覚悟」 平賀国和 選
「怪談」 鈴木かこ 選
「自由吟」 伊達郁夫 選
発行 会長 廣田 和織
TEL&FAX 072・822・5823
《 事務局 》・編集兼印刷 藤村 亜成
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