バンダレイ・シウバではありません、せんらくやです。

 

12月の初旬に鈴鹿山脈最高峰の御池岳(標高1247m)に行ってきました。

御池岳は三重県いなべ市と滋賀県東近江市の県境になる山です。

三重県側から入山するには鞍掛峠、コグルミ谷というところが一般的で
そこからだと山頂(丸山)までは、標準コースタイムで約2時間ほどです。

カルスト地形と呼ばれる石灰岩でできたこの山の山頂付近には
「テーブルランド」と呼ばれる広い平らな地形があり

「御池巡り」といって、いくつかの「池」をめぐることも人気です。

そして冬にはその池が凍り青くなって「青のドリーネ」と呼ばれるものも観ることができます。

しかし、その広い平らな地形の最大の問題は

天候不良でガスに包まれた時、吹雪に吹かれた時、積雪の時です。

平とはいえ、地形図では表すことができない微妙なアップダウンがあり

特徴的なピークもなく、現在地特定が困難になることもあります。

GPSで確認できても、その微妙なアップダウンに体力を奪われ

行動不能になる事態も起こりえます。

そして、滋賀県側から入山するにはノタノ坂、丁字尾根、鞍掛峠とあるのですが

踏み跡も薄く、どのルートからも3時間くらいかかるので、読図力、安全対策、体力が

十分ではない山ビギナーの方が1人で入ることはオススメできません。

先ずは経験を積むために技術、技量、安全に配慮のある方と一緒に行ってください。

 

今回、私は丁字尾根を歩きたくなったのでそちらからです。

鈴鹿の山のことをよくご存じの方は「T字尾根」と認識しておられるかもしれません。

この尾根が命名されたのがいつかはわかりませんが、

その当時アルファベットの「T」よりも漢字の「丁」の方がメジャーだったと思うのです。
一丁目、二丁目の「丁」です。
現に上からみたら「T」よりも「丁」の方が相応しい。

では、なぜ「T」(ティー)になったのか?
漢字の「丁」(ちょう、てい)と書かれていたものを誰かインフルエンサーのような

影響力のある人が「ちょうじおね」または「ていじおね」を
「てぃじおね」と読んで発音したのでしょう。

そして、それが有名になってしまい、どこかの出版関係の方が
「T字尾根」と記載し、それが現在に至ったのでしょう。
もしかしたら正解は「ちょうじおね」だったかもしれません。
よって私は「T字尾根」に不賛成。
ここでは「丁字尾根」と表記します!!(笑)

 

と、前置きがめっちゃ長くなってしまいましたが、

7:04。ノタノ坂スタート

今回は「丁」の字の右の端、ゴロ谷側、北側の方から入りました。

もちろん、道なんてのはありません。

本当は御池橋まで車で入ろうとしていましたが、10月の台風の影響で

林道は崩壊しており、ノタノ坂に車を駐車して御池橋まで林道を1時間半かけて歩きました。

谷地形を埋めて舗装するとこういうことになりやすいのかな。

自然の力はすごい。

 

8:30。御池橋から尾根に取りついて尾根芯を外さないように歩きました。
9:30。丁字尾根分岐に到着。
鈴鹿でアンテナメンテナンスをしてくださっている山岳会の先輩ドイネルさんと無線交信。

一息ついてパンをかじる。

 

「丁字尾根」の途中で細い尾根があります。

数年前の雪の日に山仲間A氏に連れていってもらった時はロープを出してもらって

懸垂下降で下りたところでした。

 

どなたが付けたのかはわかりませんが、そこにこの様にロープが設置されてありました。

末端処理はできていないし、もやい結びの余長は短い
(余長は最低でもロープ径の15倍 9㎜のロープなら145㎜)

バックアップの止め結びも施されていませんでした。

直せるところは直しておきましたが、短すぎてどうしようもないところも残っています。

 

完全にアウトではないですが、クライミングのこと、ロープワークのことを知っている人は

このもやい結びに身を任せることがどれだけ危険かご存じかと思います。

力のかかり加減によってはあっさり解ける結び方です。

このブログを読まれている方は、くれぐれもこのようなロープに頼り過ぎないように

なるべく自分の手と脚で確実にこの危険個所は通過してください。トレッキングポールも片付けてください。

そして、このブログを読んでいない山友達がいれば教えてあげてください。

 

10:40。
丁字尾根からテーブルランドに乗り上げたところ。

ここで入道ヶ岳の山仲間とも無線交信を試みましたが残念でした。

青空が広がって気持ちがいい。

積雪は数センチでした。

陽が射して溶けかけの柔らかい雪だったので

しっかり踏み込めば滑ることはありませんでしたが

これからはアイゼン10本以上とワカンまたはスノーシューが必携になります。

 

 

ボタンブチからみたところ。

歩いてきた尾根が一望できます。

ええわ~ラブラブ
絶対に「インスタ映え」やし!!


な、な!!ほら!
「丁」やろ!!な!

絶対に「丁」やって!!←しつこい(笑)

 

11:12。御池岳山頂丸山到着。
丸山ではたくさんの人がお昼ご飯を食べておられました。

私はここからが勝負です(笑)


「夕日のテラス」「西のボタンブチ」と歩みを進めます。

ちょっとここで一枚防寒着を着てパン食べ、お湯を飲んで空腹を満たしました。

初ルートを歩く時や、これからの日没が早い時期、雪の季節は

時間をかけて調理が必要な物よりも

行動食程度でできるだけ時間をかけない工夫が大切です。
体も冷やさないし、行動時間にゆとりが作れるからです。


地形図をみるとそこから谷筋に破線(登山道)が示されています。
が、実際には道などはなく、ほぼほぼ捜索レベルの谷。
そしてそれはどんどん急峻になる。
・・・「あ~マジか~、マジ卍~」と思いました。

(※マジ卍の使用法は定かではありません。)


ここまで来たら元の「丸山、丁字尾根」に戻る方が時間がかかるので

ていねいに下ることにしました。
(キャメラはザックの中にしまったので、ここから写真はありません。)

こういうことは地形図からある程度は予測していたので大丈夫。

この時点でまだ時間は12時。ゆとりは大切です。

ちなみに最後に人と出会ったのはこの谷に到着する前で

ここからは前にも後ろにも人はいませんでした。
道迷い遭難気分が味わえます。(笑)

 

12:20。
鈴ヶ岳(標高1130m)のピークから東方面に「ヒルコバ」という
名前を聞いただけでかゆくなりそうなコルがあります。

御池川の上流はゴロ谷と、このコルがゴールになるアザミ谷があります。

そのアザミ谷終点付近から伊勢尾という尾根に乗ることになります。

このルートは昭文社の山と高原地図にはルートとして記載はされておりません。

なのでやっぱり捜索レベルの急峻な斜面です。
薄っすら雪もついているし、落石も多い上、滑りやすいので要注意です。

1/25000の地形図では等高線1mmの間隔が22°です。

どのくらいの斜度かといえばエスカレーターの勾配の規格がおよそ30°
1/25000の地形図で1mmよりちょっと間隔が広い等高線がルート上にあれば
「あぁ、エスカレーターくらいの斜面だな」と考えてもらえれば

イメージしやすいかもしれません。

この歩いたログの中で最も等高線が詰まったところは

虫眼鏡を駆使して計ってみたところ0.5mmよりも狭いので50°くらいの勾配です。

エスカレーターよりきつい勾配ということになります。

 

12:40。
なんとか尾根の広い部分に乗りました。

しかし、ここからも下りの尾根です。
気は抜けません。

谷は上に分かれますが尾根はその反対、
下に向って分かれていきます。

これが下りの尾根で道迷いしやすい理由です。

このルートではP894近辺とP806近辺は特に要注意です。

こうやってルート上の地形を先読みしておくと

道迷いが防ぎやすくなります。

 

太い赤線は行ったらアカン尾根

(まぁ行きたかったら行ったらええけど、行き着くところは断崖絶壁っぽいです。)
細い赤線は歩いた尾根のログです。(予定したコース)

 

この伊勢尾では前回、霊仙山を一緒に歩いてくださった
Ⅰ藤さんと無線交信できました。
Ⅰ籐さんは鈴鹿の釈迦ヶ岳からで、とてもクリアに交信できました。

 

もう一つの要注意箇所のP806に到着したのが13:16。

ここから御池川まで下りるのもなかな急峻な尾根です。

歩幅を狭くして、十分に注意して下りました。

 

13:48。無事下山完了。
また一つ鈴鹿の未踏ルートをあるくことができました。

しかも14時に下山完了という優良登山者です!(だから、ブログに書きました(笑))

 

今回はここから難儀。

また林道歩きです。

地形図見ながら、谷を眺めながら歩きました。

 

う~ん!山の地形はおもしろいな~!!・・・ってならへんし・・・
滋賀県、経済効果は少ないが早く御池林道を直してください!(涙)

 

14:42。
およそ1時間かけて駐車地に到着。

あ~しんどかった。
 

これが今回の山行のログです。

 

こちらは少し拡大して
御池橋からの周回の部分です。

 

 

今回、私は「ラッキーにも」うまく帰ってくることができました。

単独だったので、もしもどこかで怪我をして動けなくなったら

スマホは圏外なので無線で誰かに知らせるしか方法はありません。

もし、急病になって意識がなくなった場合、連絡はできません。
日が暮れても私が帰って来なかった場合は

山岳会とカミさんに届けてあるルートを確認して、
又は現在地をGoogleマップで確認できるAPRSという無線機のシステムを確認して
探しに来てもらうことになります。

遭難が発覚する頃には、もう日が暮れるのでヘリは飛びません。

翌日が曇り、又は雨でもヘリは飛んでくれません。

消防と警察の方にも大変なご迷惑をおかけすることになります。

私はその間じっとしておかないとあきません。

山は平地と違うので、石も落ちてくるし、自分が落ちることもあります。

それなりに想定して歩いていますが
「ありえないは、ありえない」です。
ホンマにラッキーな日でした。

山は平地と違うので、

些細なことが大変なことになるということを考えて遊んでください。

非日常の自然を満喫して、無事に帰った時は最高に楽しいです!

もちろんこの日も最高においしい芋焼酎のお湯割りでした!

 

 

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