出発予定時刻を10分遅れたカミさんに
「地球の46憶年、人類250万年の歴史に比べたら10分なんて全然平気さ!」
なんてことは絶対に言えません。小さいやつです、せんらくやです。
某日曜の雨の日に三重県山岳連盟の指導員研修山行がありました。
雨登山なんて、な~~~んにも、楽しいことはありません。
景色もなければ、滑りやすいし事故のリスクも上がる。
のんびりご飯も食べられへんし、濡れる。
おまけに下山後には装備の後片付けが大変。
それでも、翌週にはベーシック登山塾の実習登山の引率があること、
そのための下見、指導法を勉強、来月に控えたベーシック塾の講師の
勉強のためにも、行っておくべきだろうと思い行ってきました。
ルートは朝明大駐車場から旧千種街道を根の平峠までいって、水晶岳がゴール。
そして元来た道を引き返すという、ピストン山行と呼ばれるものです。
朝明駐車場から伊勢谷小屋までの道は舗装されています。
正直、地図の必要性は全くないところですが、
ここから崩落している標高600m付近の谷の巻き道のところまでが
登山の教科書の著者 中井先生と遭対委員長のIさんは
「一番、重要なポイント」と位置付けておられました。
晴れていると伊勢谷から水晶岳の稜線はみえますが
谷も広く人工的で、地形図からみて特徴的なところもありません。
どうやって地形図と照らし合わせて理解してもらえばいいのか、見当がつきません。
ここに私の足りないところがありました。
中井先生いわく、ここは林道であるが古い道が地形図に記載されていて、新しい道が記載されていないところもあり、間違えやすい。そして、仮に間違えたとしても合流ポイントがある。
合流ポイントははっきりしているので、何を間違えたのかに気づきやすい。
間違えることで現在地を確認することの意味、大切さに気づくことができるそうだ。
なるほど!
こちらが「ここはこうですよ。ああですよ。」と丁寧に伝えることも一つかもしれませんが
自発的に気づいたことはいつまでも自分の記憶に残り今後にも活かされるはずです。
これは本当の意味での学習になるのです。
そして、Iさんいわく、体を動かしながら覚えられることは一つか二つ。
詰め込んでも、だいたいはその時だけで終わってしまう。のだそうだ。
さらに、全く地形図をみたことがない人のために、
街の地図的にコンビニを左、信号を右などというように人工物があるところから始めると、
親しみやすくなるそうだ。
ここでも、なるほど!
わからない人をわかるようにするのが指導です。
それならば、わからない人のわかるところから始めるのが正しいはず。
今までに何度か地図読みを教えた経験もあり、そこそこの自信もありましたが
またまた、いい学びを得ることができました。
そして、根の平峠あたりで休憩をしていた時には鈴鹿山脈の地形の話が始まりました。
鈴鹿山脈の主稜線は滋賀県側は緩やかで三重県側が急斜面という特徴があります。
これは傾動地塊と呼ばれるもので、山脈のおいたちにかかわるものだそうです。
こういう、ちょっとした知識が入るだけで、いつも歩いている慣れた山も少し違ったものにみえたりさらに深く知ることができたりして、本当におもしろいです。
雨の日山行は嫌だなぁと思っていましたが、これだけ、
得るものがあったので結果的にいい山行でした。
ちなみに本番の実習登山は台風で中止になり、
今回の学びを発揮することはありませんでした(笑)
これは白山山頂付近、翠ヶ池の写真。
1042年の噴火で形成された火口湖だそうです。
地球46億年ってすごいな~と感じられる場所です。