筋肉痛に喜びは感じるが大酒飲んだ翌日の
心の痛みには喪失感しかありません、せんらくやです。

 
整体という仕事をしているとほぼほぼ毎日向き合うものが痛みです。
この仕事を始めた時の思いの中に「人の痛みを取り除きたい」というものがありました。
整体の勉強をすればするほどこの痛みを取りのぞくということに
「違和感」を感じ始めたことを覚えています。
整体の勉強をする上で避けて通れないこと。
「痛みとはなんぞや」ということです。
 
痛みとは体の異常を教えてくれる大切なものです。
「体のこの部分が壊れているよ。」
「痛みを出して、これ以上、悪くならないように止まってもらおう。」
脳は体を守るためにこんな指令を出していると考えてもらえればよいでしょう。
 
つまり痛みという感覚ががなくなる
ということは命や体を守る機能がなくなるということです。
大変なことです。
 
では、おせっかいながら、痛みについて少し解説。
その痛みには大きく分けて3つの種類があります。
まず一つは、切り傷、骨折、打撲、火傷などに代表される「ケガ」というものです。
ケガをするとその部位に炎症が起こり、痛みを感じさせる物質を出します。
これを侵害受容性疼痛と呼びます。
侵害受容性疼痛はケガをした部位の末梢神経の
侵害受容器という部分が刺激を受けて脳が感じているものです。
 
次は神経障害性疼痛と呼ばれるもの。
これは病気やケガなんらかの原因で神経に障害が起こった状態です。
坐骨神経痛、帯状疱疹の後の痛み、糖尿病の合併症の痛みやしびれ、
脳卒中、脊髄損傷など炎症や傷がみえない痛みは神経障害性であることが考えられます。
 
これらの2つの痛みは1か月未満の急性のものであり、
そのケガや病気が治り、原因がなくなれば消えていくものです。
原則、整体は適応外となります。
 
これらの痛みを受けた時に速やかに適切な治療をしないで
放っておくことで血流不良が続き、痛みを発生させる物質が多く、長い期間出ることで
さらなる血流不良、痛みを発生させる物質を出して、痛みの悪循環が始まります。
痛みが長く続くと脳の中にある「痛みを抑える力」が弱くなり、
痛みを強く感じたり長期化するようになります。
これが「慢性疼痛」と呼ばれるものです。
 
この「慢性疼痛」はそもそもの痛みの原因が治ったにも関わらず出続けてしまう。
そして、その痛みばかりに注意がいったり、治らないかもしれないと不安になったり、
眠れなくなったりすることになり、3つめの心因性疼痛の原因になったりもします。
 
心因性疼痛とは、不安やストレスなど心理的、社会的な要因で起こるものです。
これを気合いで乗り越えられる人とそうでない人がいます。
そして、今は強い人も弱くなることもあるし
その逆の今は弱い人も強くなることがあります。
個人差、多様性を持って受け止めないと問題は深くなります。
気のせいとも言われる状態なのですが、脳の誤作動という風に正しく解釈すれば
「気合い」の問題ではないことも理解できますよね。
 
痛みは交感神経の緊張と運動神経を興奮させて血管の収縮、筋肉の緊張を生み出します。
それが血流不良、血行不良と呼ばれる状態です。
 
 
整体ではこの「慢性疼痛」の元になっている、血流不良や筋肉の緊張、
筋肉の緊張を生み出す筋膜、軟部組織の歪み、硬縮に働きかけることができます。
 
また、傾聴カウンセリングではこの心因的な面で
「私の気持ちをわかってほしい」
「私の考え方を理解してほしい」
「私に思いやりの気持ちを向けてほしい」
「私にやさしい態度で接してほしい」
という人が持つ4つの第一次欲求を満たすことができます。
 
 
そして、冒頭で書いた、整体を勉強していくうえで感じた違和感とは何だったのか?
人の痛みを悪いものと捉えていた自分は痛みは悪、痛みを取ることが善。
整体で痛みを取ることは善の行い。と捉えていたのでは?
 
しかし、痛みって悪いものとは違うんとちゃうって、こと。
痛みって実はめっちゃええやつちゃうん!って、いうことに気づいたことで
違和感は消えました。
 
痛みを嫌うのではなく痛みを受け入れてあげる。
痛んでいる部分をねぎらってあげる。
そんな気持ちで痛みを向き合うことが大切なんかな~って思うようになれました。
 
今、現在、痛みと闘っている方へ
痛みは敵ではありません。
痛みはあなたを守るものです。
だから、「教えてくれてありがとう!」
そんな気持ちで痛みと向き合ってみてください。
とてもとても辛い時期かもしれませんが、
どうか、自分自身の身体を大切に思ってあげてください。
愛ですよ、愛!
 

暗い谷の中に射す太陽の光が心地よかった。
某日 比良山系 奥の深谷にて