髪切った、せんらくやです。
髪を切って、ひげを剃る前に比良山系、奥の深谷へ行ってきました。
山岳会の仲間と車2台で葛川坊村から金糞峠を経てイン谷口までの
スルーシャワークライミングです。
ここで、全く山に興味がなく「シャワークライミング(沢登り)ってなんやねん?」
という方に、おせっかいながら少し解説します。
シャワークライミング(沢登り)とは水の流れている谷(沢)を
下流から上流に向かって登っていく山の遊び方です。
沢の中を流れに逆らって歩いていきます。
沢の中にはもちろん道はなく、歩けるところ、適切な岩の上を歩きます。
下手こくと滑って転倒、手首の骨折、膝青タン、あばら骨折、いろいろやらかしてしまいます。
普通の山歩きに慣れた人がやる、少しステップアップした山の歩き方です。
もちろん、浅いところばかりではないので時には流れに逆らって泳ぐこともあります。
そして時には滝を登ることもあります。
小さな滝でも流れがきつくて登れない時もあります。
大きな滝が出てきた時がワクワクドキドキビクビクの時です。
ロッククライミングのように、ロープで確保しながら登ることもあります。
沢登りをするには水が抜けやすい沢専用の靴(ラバーソール、フェルトソール)や
足袋、ワラジ、ヘルメット、ハーネス、スリング、カラビナ、下降器などの
装備をつけて、荷物は濡れないように防水していきます。
自分が登れないような滝は「巻く」といって
滝を避けて、山の斜面を歩きます。
これがまた道なき道のところもあり、結構危険な時もあります。
次に沢登りと普通の山歩きの違いを地形の勉強をしながら説明します。
山の地形は主に4種類あります。
ひとつ目は「ピーク」。
「ピーク」は周囲360度より高いところ。その山の中で最も高いところを山頂と呼びます。
そのピークから伸びている、谷と谷に挟まれた周囲より高いところを「尾根」と呼びます。
ピークとピークを結ぶ尾根を稜線と呼びます。
「尾根」は下へいくほど枝分かれしていきます。
これがまぁ、下りで遭難しやすい原因の一つです。
「尾根」上で下りから上りへ転じる、もっとも低くなったところを「コル」(馬の背)。
そして、その尾根と尾根に挟まれた低いところが「谷」(沢)です。
尾根と谷は表裏一体の関係にあります。
谷は上に行くほど狭くなり下に行くほど広くなる特徴があります。
大きな川もずっと上流へ登っていけば狭い谷の中の一滴の水から始まっています。
谷は尾根の反対で上へ行くほど枝分かれしていきます。
下流に水が多いのは、そのような上の水が集まってくるからですね。
一般的な山登りでは谷の横の斜面をジグザグに歩いたり、
橋などで渡渉したりしてコルや尾根にのり、ピーク(山頂)を目指しますが
今回のシャワークライミング(沢登り)はその谷を下流から、上流へ
ただひたすら登っていくという登り方です。
めちゃくちゃ暑くもないこの日も
牛コバという入渓ポイントまで歩いていくといい感じで体温が上がる。
やっぱり沢の水は冷たくて気持ちいい。
足の踏み場を滝の中から探して登ります。
岩と岩の間を登ります。
滝の中にある「ホールド」と呼ばれる手でつかむ場所を探します。
水圧に耐えながら探すのが楽しいところです。
「釜」と呼ばれる「滝が落ち込んでいる」ところ
ここまでは約10mほど泳いでいきました。
滝から落ちてきている水の圧力でなかなかたどり着けませんでした。
登れるかどうかチェックした結果、これは我々の技術では登れないと判断。
滝の右岸を「巻き」ました。
ちなみに谷(滝)の右(右岸)は上流からみて右です。
だからこの場合、写真の左側から登ったということです。
これは、別の滝。
先ほどの滝よりは高く、6~7mくらいの高さでしたが
何とか登れたのでここはクライミングで突破。
ただ、万が一を想定して、後続の仲間にはロープを出して安全確保をしました。
カメラとの距離、5cmくらいまで寄っても微動だにしないカエル。
「無事にカエル」ということで撮っておきました。
「トポ図」という滝の特徴や攻略の仕方が書かれた地図のようなもので確認中。
装備の中にお湯は欠かせません。
お昼はカップラーメンで温まります。
上の方まで登ってくるとこんな感じです。
信頼できる山仲間と一緒だからできる遊びです。
感謝。
一般登山道が近くにありますが沢の中を歩きます。
金糞峠まではあとわずか。
今年の初沢は比良の奥の深谷を西から東へ抜けるというぜいたくなものでした。