北朝鮮がやばいよ、カール・ビンソンという戦艦がやってくるよっていうニュースをみて、
「ビンソン」って、なによっ!
「ロビンソン」ちゃうん??
「カール・ビンソン」より「カール・ロビンソン」の方が語呂ええやん!
と、突っ込んでしまいました、平和ボケ、せんらくやです。



とある日曜日に武奈ヶ岳に行ってきました。
自治会の掃除で早朝から歩けないので
坊村から御殿山ルートで武奈ヶ岳までのピストン。
武奈ヶ岳への最もメジャーなルートです。

ついでといっては何だが、レスキュー比良のボランティア、
安全登山啓発活動も兼て行くことにする。
ちょっぴり偉そうに「レスキュー比良」のロゴの入った帽子を被って腕章つけて。
見かけてもいじめないでね。

それにしても啓発する方が11時登山口出発は褒められたものではない。

準備不足で遭難する人達は、この遅い出発計画という場合が多いのも事実らしい。
「このペースでは山頂は難しいかな~日没が18時やし14時には引き返しましょうか~
なんかあっても日が暮れたらヘリ飛ばなくなるしね~」と
やさしくお声かけをするのも大事なんです。




と、考えていたら、ソッコーいてはりました!
11時に登山口。
とりあえず、お声かけしました。
計画を伺うと3時間で武奈ヶ岳山頂予定だそうです。
うんうん、14時山頂到着。
ピストン(行った道を戻ってくる、往復するということ)、
この季節、今日の天候ならセーフかな。


登山届けは出してへんかったみたいなのでそれは出してもらいました。
届け出したからといって遭難せぇへんわけではないけど
ルートの下調べ、自分の行動を確認するということで
準備不足に気づくこと、リスクを知るというメリットはあると思います。


ん?
私の計画?
私はこの山のこのルートと自分の体力を考えて13:30に山頂。
14:00下山開始。16:00下山完了としております。
行動計画は家族と山岳会とレスキュー比良の会長に連絡済み。
アマチュア無線の機能であるAPRSという信号でグーグルマップにて
リアルタイムで現在地確認ができる状態です。
もちろん、日帰りでもヘッドライト、雨予報でなくても雨具は必携です。
万が一の場合(転倒して骨折、行動不能になるなど)はビバーク装備と予備食料、
防寒着、無線で連絡可能と考えられるリスクは想定して準備しております。
こんなメジャールートでね~大そうでしょ~~
生粋のビビりなんですよ~~(笑)
なんに使うつもりやねん、20mのロープも持って歩いてます~~


坊村からは一気に標高を上げるこのルート。
植林帯を抜けるまではあわてない。
運動始めでたまる乳酸が流れるまで(私の場合は15分くらい)は
歩幅を狭く、丁寧に歩く。


標高800m辺りの道標まで登れば小休止。
暑くなりそうな時は塩分をとって、ミネラル不足による痙攣防止。
もちろん水分はこまめにとる。
下山後の疲労回復にも一役買う。

そこからしばらく、標高850m辺りのところで
積雪期ルートと無積雪期ルートの分岐がある。
立派な道標が設置されていました。
重たかったやろうな~
感謝ですよ!


無積雪期ルートに進む。
谷に沿ってトラバースしていくと

タムシバ。
この花が多い年は雪が多いと聞いたこともある。
たしかに去年のこの時期はタムシバが目立ってた記憶がある。


そこからもう一つ、口の深谷の支流の谷に出合う。
谷を詰める形になってから
もう一回りトラバースした後に尾根に乗る。
御殿山への正念場の登り。

その辺りで8人組のパーティーと遭遇。
時間は12時くらい。
この登りは正念場ではあるが、もう限界といった様子の足元である。
武奈まで行くつもりだろうが、御殿山手前でこの疲労加減では
正直、登れても日没までには降りてこれないだろう。

リーダーに声をかける。
「下りもしんどいし、14時には引き返した方がいいかもしれへんね」
その中のおひとりは「武奈まで行きます!」と、気合は十分だったが・・・
強制はできない。
彼らの選択と正しい判断を信じるしかない。


積雪期ルートとの合流地点までくれば
御殿山まではあと少し。
しかし、山屋の「あと少しとぼく遅い」は信じてはいけないですよ。


御殿山(1097m)に登れば遠方もよくみえる。
コヤマノ岳からシャクシコバの頭への稜線も美しい。


ピークで一息入れる。
その後、標高で50mほど下がったコルはワサビ峠。
ここからが永遠のナイスビュー西南陵だ。



西南陵にはちょっぴり残雪が残っている。
いつもここはテンションが上がるが、今日は青い空も手伝ってさらに上がる。

雪の名残でまだまだ枝が倒れているが
それも夏に向かってまた、空を目指して起き上がっていく。



このルートの春の訪れはこのショウジョウバカマからでしょ!



ショウジョウバカマとペアで咲き始めるのはイワナシ。
岩はあってもイワナシ。
はい、ここ笑わんともう笑うとこないよ~


ここまで来れば山頂まではあと一息。
こんな快晴の日には急いで到着するのももったいない。
今日は77km先のあべのハルカスも黒く細長くバベルの塔のようにみえる。
あいにく、私のカメラのレンズではそこまでは撮れないだろうと撮ってませんでした。




釈迦岳、カラ岳の向こうにはマザーレイク、琵琶湖。


山頂到着は12:55くらい。
去年より体力は落ちてるかなと日頃の不摂生を加味して計算したが
及第点の2時間切で到着できたのでよかった。
遭対の精鋭に入ろうと思ったら物足りないな・・・

本気出したらもっといけるねんで。
あ、でも、本気は出さへんけどね。



武奈ヶ岳山頂から朽木方面。




たくさん雪があった東稜、ナガオ尾根方面。




今日はマッタリとソロストーブでお湯を沸かして
消費期限が三日後のミネストローネスープをいただく。


ここでマッタリ1時間。
気温は私の持っている怪しい温度計で20度。
それでも西からの風がやってきては体温を奪って琵琶湖へ持っていく。
フリースと雨具を羽織って、14時着予定の二人組と気合の8人パーティーを待ってみる。

来ぉへんな~
もう引き返したかな~

13:00到着時点ではにぎやかだった山頂も
何が起こっても体力だけで帰ってきそうなトレラン風のお兄さんと
山に慣れている様子のご夫婦が一組と寂しくなってきた。

14:10に下山開始。


西の肩を下りた辺りで登山口で出会った二人組と遭遇。
14:00山頂到着の計画だったが結局14:30でも到着できなかったことになる。
自分の体力は甘めに見積もってしまう性格の方だったのだろう。
またはお連れさんの体力を見誤ったのか。
どっちにしろ、安全登山でのパーティーは一番強い人が基準ではない。
一番弱い人が基準なのだ。

それでも、足取りはしっかりしているし、日没時刻も翌日の天候もご存じ、
地図もコンパスもヘッドライトも持っておられる。
武奈ヶ岳の山頂を味わっていただくことにした。


風が少し冷たくなってきた頃、標高800mくらいでみっけ!
下山中の8人組のパーティー!

話を聞くとやっぱりしんどかったみたいで御殿山でお昼を食べて
マッタリしてたら戦意喪失して引き返すことに決めたらしい。
いい判断だったと思う。
御殿山も、立派なピーク。
眺望も間違いなくよかっただろう。
8時大阪駅に集合ではちょっとスタートが遅かったようだ。
それでもいい。
今回は無事に下山できた!
また次は大阪始発で武奈ヶ岳に来てよ!


そんな話をしながら15:45下山完了。
手持ちのお金がなかったので喫茶茶坊には寄れなかったが
快晴の比良の稜線を歩けたのは本当に気持ちよかった。
あ、喫茶茶坊がベラボーに高いわけではなく
私がナナコカードしか持ってへんかったということですよ!
喫茶茶坊のコーヒーは美味しいですよ!
坊村から入山の際は是非!


8割自分の遊び、2割ボランティアなこの日の山行。

今すぐそこにある危機をどれだけ感じて
また、どれだけリスクを負って楽しみ、学び、遊ぶのか。
そんなことも考えた、武奈ヶ岳の山行でした。
今日もちゃんと帰ってこれて、いい山やったな~