無敵のオートフォーカス!せんらくやです!
友人に「雪山に連れて行ってください」と言われたので
去る日曜日に鈴鹿山脈の最北、霊仙山に行ってきました。
一般的には醒ヶ井方面、榑ヶ畑登山口の方が人気が高いルートですが
私が好きなのはなんといっても廃村今畑から笹峠を経て
近江展望台への急登を登って西南尾根を歩いて、最高点、山頂へ向かうルート!
今回は久しぶり(いつ以来だ)にガッツリ山レポートやってみます!
今日は雪山ビギナーお二人を連れていく。
ホワイトアウトしたらめっちゃ怖いこの山も、今日の天気なら大丈夫。
天気が良すぎて、雪の状態が難しそう。
アイゼン、ワカン、ピッケル、ハーネス、ロープとフル装備で臨んでいるので
事故にはつながらない対応はできるだろう。
人を連れて行くときは、自分一人で行くときよりも慎重になる。
その人をちゃんと家族のもとに返さないとあかんからね。
それくらいの覚悟がないと、「連れて行ってあげる」のセリフは言えない。
そして、今日は新しい山のパートナー一眼レフカメラのD5200にもメモリーカードは装着した!
いい天気なので撮れ高も期待できる!
今畑から宗金寺のある集落までは急登がある。
前夜の放射冷却の影響で斜面はツルツル。
登山口からアイゼンを装着することした。
登り始めるとすぐ、集落の辺りで一気に体が温まる。
衣服調整をして、尾根を目指す。
山に登り始める時は、少し寒いな~と感じるくらいの服装が丁度いい。
ここで、水分補給(冬場はお湯)を忘れないようにしたい。
喉が渇かない、冬場はどうしても脱水状態になりやすい。
雪山で足がつって行動不能で低体温症なんて考えただけでも恐ろしい。
集落を越えて尾根に乗れば、後はずっと尾根歩き。
ひとまず笹峠を目指して歩みを進める。
日当たりのいい尾根は雪も溶けかけていてアイゼンは少し邪魔だが
岩や雪の混じったミックスルートを歩く練習だと思えばいい。
木々の隙間からの木漏れ日も心地いい。
快適という言葉がぴったりだ。
笹峠手前から、そびえ立つ尾根がみえる。
西南尾根だ。
この急登をみてワクワクするやつは間違いなく山に魅了された変態だと思う。
西南尾根から笹峠を見下ろす。
歩いてきた稜線を楽しめる。
青空に向かって登る急登。
ここはカルスト台地特有の岩がゴロゴロあるので
場合によっては靭帯損傷などにつながる不用意な踏み抜きには十分注意したい。
この日はかき氷が固まったような雪質だったので軽アイゼンでも確保なしでなんとか行けた。
近江展望台まで標高を上げ切ると
あとはアルプスにも負けない稜線歩き。
風が強い時には地獄になるが、今日のような晴天無風の日にはこの世の天国になる。
御池岳を眺めながら風除けもできるコルのある場所でランチタイム。
3mほどの雪庇からつららが垂れていた。
雪質もほどよく締まって、快適な雪山ハイク。
最高点手前で、おひさまと木。
まさか、霧氷に出会えるとは思ってもいなかった!
その中のお気に入りを選んでモデルになってもらった。
最高点から山頂へのコルの途中。
そのコルから西南尾根方面にはまだ雪がたっぷり。
最高点を越えて山頂に向かう。
北には雪化粧をした伊吹山がかまえている。
御嶽山、乗鞍たちまでは見えないが、この天気だけで十分満足だ。
山頂から、経塚山に向かうのが一般的だが、今日は時間の関係でちょっとショートカット。
山頂から北西方面に谷をはさんで、鳥居が見える。
お虎ヶ池の鳥居だ。
地形図をみるとちょっとした尾根から大洞谷へ下る斜面があるので
そこをヒップそりで一気に下ってまっすぐお虎ヶ池に登り返すことに決めた。
80mの斜面をヒップソリで下る快感はたまらない。
谷から登り返して、お虎ヶ池に向かう。
この平らなところが、ホワイトアウトした時の霊仙山の怖いところ。
しかし、以前、「霊仙山マスター」の方が親切に攻略法を教えてくださった。
コンパスを北に向けて、とにかく北端の尾根に乗ってから東へ向かえば汗ふき峠方面に
西へ向かえば避難小屋にたどり着くことができるそうだ。
ホワイトアウトになるような条件の日にはできれば行きたくないものだが
ちょっと試してみたい気もする。(実はこの攻略法を知る数年前に、ここでホワイトアウトを経験して、肝を冷やした思い出がある。)
コルの辺りで10本爪アイゼンを脱ぐことにした。
そこにはキノコがたくさん生えていた。
なんというキノコかはわからないが、これが育って竜にでもなりそうな勢いだ。
汗ふき峠からは大洞谷を今畑までひたすら下る。
この時期の谷ルートは特に踏み抜きに注意である。
もちろんここも、踏み抜き天国である。
夕方間際、今畑に戻って、もう一度あの宗金寺まで登り返すと
毎年の恒例、夕日に照らされる福寿草の登場。
数年前のこの時期のこの今畑で出会った福寿草をみてから、
山の花に感動したことが今でもよみがえる。
シュタイナーの神智学にあった一節をリアルに感じる瞬間。
不眠解消にはもってこいのあの本の唯一、記憶に残るところだ。
去年出会った花とは実質的には別の花なのだが再会したように思える心の不思議である。
今日も山に遊んでもらった。
霊仙山、本当にいい山だ。