事の経緯をすべて話し改めて謝罪。
『ごめんなさい、黙ってて…』
すると
『告られるなんて想定内だから別にいいけど…
問題はそこじゃない』
『黙ってたこと?』
『いや。サラッと告られた~くらいは言ってほしかったけど言えなかったんだろ?
話しづらい態度になってたのは俺が悪い』
思いがけず先輩からの謝罪にポカーン。
言うなら未だと思い意を決して
『先輩は言葉にしてくれないから不安になる。
だから言えなかったんじゃなくてどうしたらいいのかわかんなくなった』
『それは?別れてそいつんとこ行くのも考えたってこと?』
その問いには答えず無言でいると
『この際だから不満は言って。直す努力はする』
好きって言って欲しい
一番なんだって安心させて欲しい
ちゃんと彼女って認めて欲しい
願いはたくさんあるのに
それが言葉には出来なくて…
『俺はかんなのことになるとブレーキが利かなくなる。束縛も干渉も控える努力はするから』
その言葉に首をブンブン振ると
『んじゃ、何をどうしたらいい?』
『… … …』
それからお互いに沈黙が続き
ようやく口を開いたのは先輩。
『俺はエスパーじゃねえから言葉にして言ってくれねえとわかんねえ』
思わず
『そっくりそのままお返しします』
『どういうこと?』
先輩は本気でわかっていない様子。
『好きって言ってくれないから…』
緊張で震える声で伝えると
頭を抱えながら
『俺、結構態度で示してるだろ』
『言ってくれなきゃわかんない』
またしばらく無言になると
一瞬強く抱き寄せられ
『かんながいないとダメなんだ』
好きは誤魔化されたけど…
まあいいか
いつかちゃんと言葉にしてくれる日を信じて
一件落着でございました