ゆーたん不定期連載小説『カウントダウン』第4話 | せのしすたぁオフィシャルブログ Powered by Ameba

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その日は、昨日の手紙のこと、今朝の黒い車。そのことで頭がいっぱいだった。あまりに、深刻な顔をしていたのだろう。同僚の実(みのる)が声をかけてきた。「恭平、どうした?なんかあった?今日、ずっと変だぞ。」心配しているような顔。本当のことを言いたいが、言えない。“あぁ、大丈夫だ。なんでもない。ただの寝不足だ。”冷たく言い放ってしまった。実は“あ、っそう。”という感じで逃げるように去って行ってしまった。せっかく心配してくれているのに、申し訳ないが、仕方ないよな。自分が信じ切っていない分、人に打ち明けてしまうと、あたかも認めています。という気がして、まだ言いたくない。
今日の仕事も終わり、帰宅の準備をし始める。“プルルル”会社の電話が鳴った。夜十時、こんな時間に何の用だ。しかも、非通知設定。忘れかけていた今朝のことを思い出し、少し怖くなったが、誰もいないの、取るしかない。受話器を取り、話し始める。“もしもし。”“あ、恭平様ですか、こんな時間までお一人でいつもご苦労様です。”名前は分からないが、誰かは分かる。包みを置いたときに俺を呼んだ声と同じだ。“誰なんだよ、お前は。俺が何したっていうんだ。何が目的なんだ、教えろ!”“まぁまぁ、落ち着いてください。私は今そんなことをお伝えに電話をかけた訳ではありません。今朝、同じ車が恭平様を追いまわしていたと思うのですが、実は、私たちの仲間ではありません。また、別の何かが恭平様を狙っているのだと思います。しかし、安心してください。私たちは十二月三十一日に殺害を企てていますので、それまではしっかり恭平様を殺されないようサポートさせて頂きます。それでは、お気をつけて。”“ちょっと待てっ”一方的に電話を切られてしまった。そして、あまりの急展開に頭が全くついていけない。とりあえず俺は、たくさんの人に狙われているみたいだ。帰りの車の中、好きな音楽もかけずに、ひたすら考えた。俺は何かしてしまったのだろうか。