不登校(補足) | 彼女じゃない恋愛*愛した男には彼女がいた

不登校(補足)


【2.好きなのは誰?の補足】

私は、学生時代を不登校で過ごした。

病気だったわけでも、イジメにあってたわけでもない。

ただ、学校が嫌だった。

一言で言えば、人が信用できなかった。

上辺だけの人間関係にうんざりしてた。

そんな人間に、自分もいつしか上辺だけで付き合うようにしてた。



勝手な被害妄想だって、今では充分解かってる。

だけど、その時はどうしても耐えられなかった。


女の子ってどうしても派閥が出来てしまう。

裏切りっ子なしの仲良しグループ。

私も初めはあるグループに属していた。


何をするにも一緒だ。

朝登校してきてから、挨拶に始まりトイレも一緒、移動教室も遅刻したって遅れている者を待ち一緒に遅刻するし、お弁当も必ず一緒、「また明日ね」が開放されるサイン。

多分それが友情。

私はそう理解していた。

そうしていれば属していられる、そうでしょ。


でも、私は自由だった。

そこに属さなくてはいけないなんて事は絶対なにのだから。

誰とでも話すし、トイレは一人で行くし、お弁当も1人で食べたい時もある。

私がそのグループに属していたのは、多分、許されていると思っていた。

そして、そんな束縛さえなければ大好きなやつらだったから。


やりたい放題やりすぎたのかな・・・。


ある年の文化祭で私はファッションショーのモデルを頼まれた。

はっきり言って嫌だった。

でも、やんわりと断りを入れていた。

悪い気はしなかったからかもしれない。

毎日交渉は続いていた。

そんな中、ある人の声が聞こえてきた。

とてもこっそりとした声だった。

が、その声は私に届けさせる悪意のある声だった。

「あの子はやらないよ。何言ってもだめ。無理無理、放って置けばいいんよ」

仲間からの批判。

「まぁね、あの子何考えてるかわかんないし・・・」

みんなが賛同してた。


あぁ、私浮いてるな・・・。


仲のいいフリをしていただけだったのか。

私には行動の理解は出来ても、そう思う気持ちの理解は出来なかった。

行動だけが全てなのか?

私が同じことをして過ごしていたのなら少しは違ってたのか?


そんな批判はあったものの、嫌がらせを受けたり無視されたりなんてイジメはなかった。

いつもと同じ。

それは私だけが例外ではない。

もめごとがあったとしても、次の日には変わらない風景がそこにある。

きっと、そうでないと生きていけないんだと思う。

少しの変化も許されないのだ。


そんな訳のわからない宗教みたいな友情がウザったかった。

喧嘩して嫌な気分だったら一緒にいなければいいのに。

一生喧嘩しっぱなしってことはないのだから。

こいつら何考えてんの?私が聞きたい。


そんな私に担任の教師が言う。

「あなたは仲のいい子とかいないの?」って。

それはどういう意味ですか?

「一応いますけど、何か?」

「いえね、皆とは違うから。もっと仲がいいのなら一緒にいればいいのに」

どうなってるんだろうね、女ってのはさ。

団体でいることが存在意義みたいな教えいらないです。

こんな生活送るのはごめんだ。


学校やめたい。


そう思い出して不登校を始めた。

突然いなくなると、仲間というのはうるさい。

「いないと淋しいよ。早く学校へきて」

この言葉の真意は?

もう何もかも信じられなくなった。

だから、私は徐々に学校から消えた。

遅刻を繰り返し、彼女達にこう言うのだ。

「朝が弱くて、どうしても遅刻しちゃうんだよね」

彼女たちは私を笑った。

すると彼女達は遅刻してきた私にこう言う。

「どんどん学校来るの遅くなるねー」

そして、完全なる不登校。

静かな毎日だ。


卒業式の日、彼女達は私にこう言った。

「とうとう最後まで学校こなかったね。毎日寝て過ごせてうらやましいよ」

私は必要なかったでしょ。

あなた達は突然の変化に弱いだけだよね。

私が学校へこない事が当たり前にしてあげればそれで満足だったんだよね。

さようなら、もう二度と会わないから・・・。


その卒業式で、何故か私は仲良しグループではなく、あまり面識のない子と一緒にいた。

同じ部活ではあったけれど、話もあまりした事のない子。

それが、今でもつるんでいる親友だ。

何故、彼女と今でもつるんでいるのか・・・。

理由は判らない。

だけど、よき理解者でもあり、よきライバルだ。


彼女の話はまた別の機会にしたいと思う。

彼女だけは唯一信用の置ける、人間だ。