さて、いよいよ、お馬さんの秋のGⅠ競走シリーズが始まりますが、明日(29日)は、中山競馬場で、秋のスプリント王決定戦である、「第58回スプリンターズステークス競走」〔1200m・芝(外回り・Cコース)・中山・GⅠ・16頭〕が行われます。
 

 

 


(↑昨年の、このレースの覇者、番のママコチャ。)
 

グレード制が導入された、1984年(昭和59年)当時は、あくまでもマイルGⅠ競走である「安田記念競走」のステップ競走の位置づけであり、格付けもGⅢ競走でありました。
その後、1987年(昭和62年)にGⅡ競走に昇格し、更に1990年(平成 2年)に、スプリントチャンプ決定戦として、年末に開催時期を移動させ、GⅠ競走に昇格と、正に正常進化を遂げたレースと言ってもいいでしょう。
ただ、マイルのGⅠ競走が春と秋に設定されているのに対し、スプリントのGⅠ競走が年末にあるだけというのはどうかというからなのか、このレースがGⅠ競走に昇格した1990年から1995年(平成 7年)までは、それまで、桶狭間(中京競馬場)で年末に行われていた「CBC賞競走」(桶狭間・1200m戦)を夏の時期に移動&GⅡ競走に格上げ(←GⅡ競走は2005年[平成27年まで。])する事で、お茶を濁していたものの、それではダメという意見も出たようで、1996年(平成 8年)に、それまで2000m戦のスーパーGⅡ競走として親しまれて来た「高松宮記念競走」を1200mに距離短縮の上でのスプリントのGⅠ競走に昇格した事、また、2000年(平成12年)から「高松宮記念競走」の開催時期が 3月に移動した事で、このレースも 9月下旬か10月初旬頃に移動した事で、正に春秋のスプリントチャンプ決定戦という体制が出来たと言っていいでしょう。
また、中山の1200m戦は桶狭間の1200m戦に比べて、小回りでトリッキー。 また、直線も桶狭間に比べて100m程、短く、坂も急坂。 スピードも大事だがポジション取りやスムーズに立ち回りが出来るのかがカギになってくるでしょう。

さて、今年なんですが、まずは枠順から。

 


今年は連覇を狙うママコチャをはじめ、今年の「高松宮記念競走」を制した、昨年の 2着馬~マッドクール、実力はありながら、なかなか、GⅠ競走を制覇出来ないナムラクレアや、確実な結果を残している&現在 3連勝中のサトノムーヴ、また、海外の高額賞金レースを制したオオバンブルマイや香港から 2頭の刺客~ビクターザウィナーとムゲンが殴り込みをかけて来たので、非常に楽しみな反面、混戦模様に拍車をかけている部分も。
昨年も書いたように、毎年、GⅠ競走の予想は悩むんだけど・・・、今年は、このように予想してみました。



◎印=番 サトノレーヴ
○印=番 マッドクール
▲印=番 ナムラクレア
▲印=番 ママコチャ
△印=③番 ウインマーベル
△印=番 ビクターザウィナー
×印=番 オオバンブルマイ
×印=番 トウシンマカオ

本命は番のサトノレーヴにしました。

 


今年 2月の「阪急杯競走」(仁川[阪神]・1400m戦)で 4着敗退はあるものの、デビュー戦が中山のマイル戦で優勝経験があるので、結果的には初めての重賞競走でレベルが高かった部分もあったやもしれません。 それでも、キッチリと入賞圏内に入ったのは流石で、ポテンシャルの高さを証明したと言っていいでしょう。
「阪急杯競走」とデビュー戦以外は全て1200m戦であり、それも 1度だけ 2着に敗れた以外は全て優勝と抜群な成績。 しかも、現在、 3連勝中とあってはケチのつけようもないかもしれません。 前走の「キーンランドカップ競走」(札幌・1200m戦)も完璧な走りで優勝しているのですが、その時は「ワールドオールスタージョッキーズシリーズ2024」で来日騎乗していた、ダミアン・レーン騎手が、今週のみの短期免許で来日騎乗するという形に。
とはいえ、前走に続いて騎乗する訳だし、馬のポテンシャルも把握済みであれば、中山の1200m戦も優勝経験があるから、今回も主役となる可能性は高いでしょう。

次に対抗は番のマッドクールにしました。

 


デビュー以来、一貫してマイル以下の距離で走っており、しかも 4戦目以降は全て1200m戦で走っているという徹底ぶり。 今年 3月の「高松宮記念競走」では道悪馬場でありながらもナムラクレアの猛追を退けて、悲願のGⅠ競走を果たしましたし、昨年の、このレースでも 2着表彰台に入っているので、実力的にはサトノムーヴと引けは取らないと思います。
じゃあ、何故、対抗にしたかというと、昨年は国内では唯一の入賞圏外(←暑さによる熱中症が原因で 9着敗退。)に敗れてしまった「CBC賞競走」を使って、このレースに挑んだのに対し、今年は 4月の香港でのレース以来という形に、若干の不安を感じたから。 とは言っても、先述の通り、実力のポテンシャルは相当に高いと思ってるので、今年は昨年のリベンジを晴らして欲しいと思います。

次に、 3番手評価である、▲印評価は番のナムラクレアとディフェンディングチャンプである番のママコチャにしました。

 

 


奇しくも 3枠の 2頭が同じ印になりました。 まず、ナムラクレアですけど、先述した通り、ポテンシャルの高さは相当なものだけど、なかなか、GⅠ競走制覇には届いていない。(←GⅢ競走は 4勝している。) 過去に 7回、GⅠ競走に挑んでいるものの、 昨年の「ヴィクトリアマイル競走」(府中[東京]・1600m戦)での 8着敗退はあるものの、それ以外は全て入賞圏内に入っており、表彰台圏内も 4度。 特に「高松宮記念競走」は 2年連続での 2着敗退と涙を飲んでいる。 このレースも一昨年は 3歳で実力的には古馬の壁が厚かったようで入賞圏内ギリギリの 5着敗退、昨年も表彰台圏内に入ったものの 3着敗退と結果は残しているものの悲願を達成出来てない。 なんか、「無冠の女王」のイメージが出来つつあるので、今回こそは、それを払拭して欲しいのですが、前走の「キーンランドカップ競走」では連覇どころか、入賞圏内ギリギリの 5着敗退に。 ただ、その時の鞍上だった、浜中 俊騎手は「直線で狭い所に入ったのは判断ミス。スムーズなら勝ち馬と際どいレースになったと思います。」とコース取りの判断ミスが敗因と分析。 なので心配はないと言ってたのですが、その浜中騎手が騎乗停止処分を喰らってしまったため、今回は「タケ坊」こと横山武史騎手が騎乗する。 このレースとは相性が悪い「タケ坊」だけど、もちろん、実力ある騎手であるのは判っているので、ポテンシャル高い馬に騎乗して「無冠の女王」の座を返上してくれるように導いて欲しいです。

一方のママコチャですが、昨年 4月の「阪神牝馬ステークス競走」(仁川・1600m戦)での 9着敗退以降、一貫して1400m以下の距離に絞って出走しており、その結果が功を奏した形になったのか、 5月から10月までの間に 3戦して 2勝& 2着 1回と全て表彰台圏内。 その中には、昨年の、このレースを制してるのも含まれているのですが、その後の 2戦が、これまでの勢いが削がれてしまった感で、昨年暮れの「阪神カップ競走」(仁川・1400m戦)では入賞圏内ギリギリの 5着敗退。 スプリントGⅠ競走秋春制覇を狙った、今年の「高松宮記念競走」では重馬場に泣いたのか 8着敗退と冴えない結果に。 ただ、前走の「セントウルステークス競走」(桶狭間・1200m戦)ではトーシンマカオには敵わなかったものの、 2着表彰台と結果を残した事で、連覇に向かって、ひとまず、準備は整ったかなと思います。
また、前走は鮫島克駿騎手が騎乗しましたが、今回は「アイスマン」~川田将雅騎手に戻るので、昨年と同じコンビでの連覇達成に期待したいと思います。

更に、△印評価は③番のウインマーベルと香港からの刺客の 1頭~番のビクターザウィナーにしました。

 

 


まず、ウインマーベルは、 2歳時に札幌での芝1500m戦と中山のダート1800m戦(←どちうらも未勝利戦。)以外は一貫して1400m以下の距離を走っており、重賞競走も 4勝している実力馬であるんですが、道悪馬場になると結果を残しておらず、「高松宮記念競走」に関しては 2年連続、道悪馬場に泣いてしまい、どちらも入賞圏外に終わっています。
一方、このレースに関しては一昨年は 2着表彰台(← 3歳馬で出走だったから、55kgの斤量。)、昨年は 6着敗退には終わったものの、一昨年に比べて斤量が 3kg、増えたにも拘らず、ママコチャの 0秒 4差と、決して、引けは取ってないのかなと思います。
ただ、課題もありまして、先述した通り、馬場が悪くなってしまうと、全くと言っていい程、結果を残せていないですし、また、前走の「京王杯スプリングカップ競走」(府中・1400m戦)では優勝して、昨年 2着惜敗のリベンジを晴らしたものの、前哨戦を使わずの、ぶっつけ本番という点は気になる所。 一応、休み明けの成績は 2戦して全て表彰台圏内である事と、近走 4走で重賞競走 3勝と固め勝ちしている点は評価出来ると思うので、後は馬場が悪くない状態でポテンシャルを出し切れる事を期待したいと思います。

一方、ビクターザウィナーですが、やはり、今年の「高松宮記念競走」で 3着表彰台に入った事で、しっかりと日本の馬場でも十分に対応出来る事を証明したと言っていいでしょう。
この時に騎乗した、カーチュン・リョン騎手は「馬場が渋っていたし、直線の上り坂では少し苦しそうにしていたが、良い走りは出来た。」とコメント。 香港に戻ってからの 2戦は斤量が重かったレースもあってか、冴えない結果となりましたが、 2度目の日本での走りとなる今回は、桶狭間よりも坂が急な中山の直線が舞台となる。 それもあってかはともかく、鞍上を日本での騎乗経験のある、ジョアン・モレイラ騎手に替えて挑むのだから陣営の本気度が伺えるのかもしれない。 調教でも中山の芝コースを走っているだけに、コースのイメージは掴んだと思うので、「安田記念競走」でのロマンティックウォリアーに続き、香港馬が日本のGⅠ競走を制する可能性は十分にあると思います。

そして、心情的評価である、×印評価は、 1枠の 2頭~番のオオバンブルマイと番のトウシンマカオにしました。

 

 


まず、オオバンブルマイは、昨年、オーストラリアの高額賞金レースである「ゴールデンイーグル競走」(ローズヒルガーデンズ・1500m戦)を制してますし、国内でも「京王杯 2歳ステークス競走」(府中・1400m戦)と「アーリントンカップ競走」(仁川・1600m戦)も制している実力馬。
ただ、これまで1400m未満の距離は走った事がなく、海外遠征明けとなった前走の「キーンランドカップ競走」が初の1200m戦になりました。
結果は後方から追い込んで来て表彰台圏内には入ったものの、 3着敗退という結果に。 しかし、上り 3Fのタイムはメンバーの中では最速の33秒 2を叩き出してたし、今回も引き続き、騎乗する「レジェンド」~武 豊騎手はレース後のインタビューで「思っていた通り前半置かれたけど、ラストはいい伸び。(札幌の)直線が短かったね。この距離でもやれるし、走るね、この馬。」とスプリント戦でも十分に対応出来るポテンシャルの高さを評価。 今回の中山コースも札幌よりは直線は長いものの、310mしかないうえに急坂もあるし、しかも初めて。 とはいえ、直線の急坂は府中や桶狭間で経験済みなので、後は仕掛けのタイミングさえ決まれば、一気の捲りが決まるかもしれません。

一方のトーシンマカオは、前走の「セントウルステークス競走」(桶狭間・1200m戦)を制しましたが、左回りコースでの優勝は、随分、久々だなという感じ。
どちらかといえば、右回りコースの方が結果を残しているし、特に1200m戦は10戦 5勝&表彰台圏内 7回と安定はしています。 ただ、GⅠ競走のスプリント戦は過去に 2度、「高松宮記念競走」に挑戦した事があるものの、どちらも入賞圏外に敗れている。 左回りコースが苦手な部分もなくはないけど、まだ、パワー不足な感もあるかもしれない。
今回、このレースには初挑戦ではあるものの、中山の1200m戦は今年 3月の「オーシャンステークス競走」で優勝経験があるので苦手ではないはず。 3度目のGⅠ競走挑戦&昨年は熱発で回避した無念を晴らすために結果を残せれば御の字かもしれません。 

と、いう事で、予想印での予想は以上ですが、印を打たなかった中で、注目しないといけないかなと思うのは、今年の「アイビスサマーダッシュ競走」(新潟・直線1000m戦)の 1- 2フィニッシュ馬である、番のモズメイメイと番のウイングレイテスト。

 

 


まず、今年の「直線番長」に輝いたモズメイメイですが、昨年、 3歳限定のスプリント戦~「葵ステークス競走」(淀[京都]・1200m戦)で優勝した事から、秋に向けて期待していたのですが、それ以降の 6戦は入賞圏内どころか、二桁着順が続くスランプ状態となり、その中には今年の「高松宮記念競走」での15着敗退も含まれていました。
しかし、 6月の「北九州記念競走」(小倉・1200m戦)と「セントウルステークス競走」で 3着表彰台に入り、「アイビスサマーダッシュ競走」優勝を含めた、近走 3走が全て表彰台圏内に入った事で復調気配に入っていると見ていいと思います。
後はウインマーベル同様、馬場状態がカギとなって来るのではないか思うのですが、復調気配になっているので、今回の一戦は大事かなと思います。

また、ウイングレイテストは昨年に「スワンステークス競走」(淀・1400m戦)で優勝経験もあるし、重賞競走に関しても、今年の「サマースプリントシリーズ」のうち、「函館スプリントステークス競走」(函館・1200m戦)と「アイビスサマーダッシュ競走」で59kgと思い斤量を背負いながらも 2着表彰台に入ってるし、昨年の「京成杯オータムハンデキャップ競走」(中山・1600m戦)でも57kgの斤量で 2着表彰台に入っている。 課題としては初のGⅠ競走挑戦であるが、58kgの斤量は近走 2走に比べたら 1kg、斤量は軽いので問題はないと思うけど、出走馬のレベルが上がる今回でも能力を発揮出来るかどうかでしょう。

後、香港からの、もう 1頭の刺客~番のムゲンですけど、

 


近走 3走が重賞競走挑戦で、全て入賞圏内で 2回、表彰台圏内にはいっているから、実力の高さはあるんだろうなと思いますが、騙馬の 6歳とはいえ、伸びしろがある可能性も否定は出来ないかなと思います。 鞍上が、ダミアン・レーン騎手、ジョアン・モレイラ騎手と共に「ワールドオールスタージョッキーズシリーズ2024」に来ていた、香港リーディング騎手である、カリス・ティータン騎手が騎乗するので、トリッキーな中山コースで、どこまで馬のポテンシャルを引き出せるかがポイントとなるでしょう。

それと、先日、BSテレ東で放送している、土曜競馬中継~「winning keiba」のMCを11年、務めていた、お笑いトリオ~「ジャングルポケット」のメンバー~斎藤慎二さんが番組MCを降板する事になりました。

 


8月から病気療養という事で番組を休んでいて、その間はメンバーである、キャプテン渡辺さんが代理MCを務めていましたが、先日、事務所を通して、斎藤さんの病気が長引いている事から、現在、レギュラーとして出ている番組全てを降板するという事になったそうです。 ちょっと、寂しさはありますが、まずは病気を治す事を優先して頂きたいです。