さて、明日(12日)ですが、府中~東京競馬場で、古馬牝馬のチャンプ決定戦~「第19回ヴィクトリアマイル競走」〔1600m・芝(Bコース)・東京・GⅠ・18頭〕が行われます。
 

 

 


(↑昨年の覇者、番のソングライン。)

毎年、書いているけど、改めて。 1996年(平成 8年)に、新たな 3歳牝馬限定戦及び 3歳牝馬クラシック 3冠目として、2000m戦の「秋華賞競走」が誕生したのに伴い、それまで、3歳牝馬限定戦及び 3歳牝馬クラシック 3冠目となっていた、2400m戦の「エリザベス女王杯競走」が古馬に門戸を開放&距離を2200mに短縮した事で、新たな牝馬限定のGⅠ競走が誕生しました。 しかし、2200m戦の「エリザベス女王杯競走」は 3歳牝馬も出走出来る&その年の最強牝馬決定戦の色合いも強い。 それに時期も秋である事から、春の時期& 4歳以上の牝馬限定のチャンプ決定戦であり、それまで古馬牝馬は牡馬勢と一緒に戦わざるを得ない状況だった事から、古馬牝馬限定の頂点を決めるレースも必要ではないかという意見もあって、このレースが誕生したと思います。 回数は今年で19回目と歴史は浅いものの、既に一線級の実力を持っている牝馬(←例えば、ウオッカやアパパネ、アーモンドアイなど。)はもちろん、新たなGⅠ競走のタイトルを加えるチャンスがある訳だし、また、これまで、惜敗を繰り返してきた実力牝馬(←例えば、ホエールキャプチャやヴィルシーナ、ノームコアなど。)にとっては悲願であるGⅠ競走を取る事が出来るチャンスであるという事から、毎年、難しいレースである事を再認識させられます。

ただ、名だたる牝馬が優勝する事はあっても、馬券的には表彰台圏内に人気薄の馬達が入って、大荒れになるというのもしばしば。
これも、毎年、書いてる事だけど、大荒れな結果になった典型例として、2015年(平成27年)の時には、先行馬 2頭が粘り切って、表彰台を獲得したため、 3連単で、2000万円超の大万馬券になったという事もあるくらいだったんで、予想的にも難しいかなと思います。


で、今年なんですが、まずは枠順から。

 

 

今年は核(コア)となる、お馬さんはいるにはいますが、昨年のような、一歩、抜きん出ている馬は少ないかなと思います。 スポーツ新聞の印や人気指数などを見ると抜きん出ている馬は 2頭、いるけど、絶対的かというと、「う~~ん・・・。」と直感的には思うのですが、あっさりと決まってしまうかもしれない。 でもマイル戦という所がミソで、昨年のレースからしても想定外の結果に終わってしまった、お馬さんも何頭かいる事から、やはり、牝馬の重賞競走という点も含めて、どう、ひっくり返る可能性もあるものの、今年は、レベル的に、一歩、抜きん出ている馬を中心に予想印を付けてみました。 但し、今年は15頭なんで、 3番手評価の▲印は 1頭に絞ります。



 

◎印=⑩番 ナミュール
○印=⑥番 マスクトディーヴァ
▲印=⑤番 ウンブライル
△印=③番 スタニングローズ
△印=⑦番 ハーパー
×印=②番 フィアスプライド
×印=⑬番 モリアーナ

本命は⑩番のナミュールにしました。

 


昨年の、このレースでは雨降りだったのを嫌ったのか 7着敗退、同馬場&同距離で行われた「安田記念競走」では最下位の18着敗退に終わりましたが、秋になって、ジョアン・モレイラ騎手に乗り替わった「富士ステークス競走」(府中・1800m戦)では優勝を飾り、その勢いで、その次の「マイルチャンピオンシップ競走」(淀[京都]・1600m戦)ではライアン・ムーア騎手に乗り替わって挑む予定でした。 しかし、ムーア騎手が別のレースで落馬負傷してしまい、急遽、藤岡康太騎手に再乗り替わりとなったものの、あっと驚く大仕事を行って優勝を飾るという離れ業を演じました。
その後は香港とドバイと 2戦、海外で走って、 3着& 2着と連続表彰台を獲って、好調を維持しつつ、今回は昨年のリベンジを晴らすには十分な感じで挑めそうです。
入賞圏外は多少はあるものの、元々から堅実に走る馬であり、府中のマイル戦は優勝経験もあるので心配はないと思いますが、大仕事を行った藤岡康太騎手は、先月の落馬事故で他界してしまい、今回はレジェンド~武 豊騎手で挑む。 レジェンドにしては藤岡康太騎手の分も含めて、今回の騎乗に挑む事だし、先述の通り、堅実な走りをする馬なので、おそらく、馬場状態も良いでしょうから、今回も好勝負&堅実な走りが出来るものと期待したいと思います。

次に対抗は番のマスクトディーヴァにしました。

 


昨年の「ローズステークス競走」(仁川[阪神]・1800m戦)では、 1分43秒 0という驚異的なレコードタイムで優勝し、「秋華賞競走」(淀・2000m戦)では最強牝馬~リバティアイランドには敵わなかったものの、上り 3Fタイムは最速の33秒 5を叩き出しての 2着表彰台を獲得。 今年初戦は今回と同馬場&同距離の「東京新聞杯競走」でしたが休み明けと初の府中に戸惑ったのか、 6着敗退に終わったものの、トライアル「阪神牝馬ステークス競走」(仁川・1600m戦)をキッチリと勝って、今回の本チャンに挑んで来ました。 実力的にも十分だと思いますが、後は入賞圏外に終わった府中のコースを、どう攻めてリベンジを晴らすかでしょう。 左回りコースは桶狭間(中京競馬場)で優勝しているから苦手意識はないと思いますので、牝馬同士のバトルなら、堂々とバトルが出来るのではないでしょうか。

更に 3番手評価である、▲印評価は番のウンブライルにしました。

 


やはり、昨年の「NHKマイルカップ競走」(府中・1600m戦)でアウトから追い込んで来て、シャンパンカラーには敵わなかったものの、堂々の 2着表彰台を獲った事が印象に凄く残っています。
 


その後、長期の休養を経てからの、今年 2戦は偶然にもマスクトディーヴァと同じローテになり、「東京新聞杯競走」では 9着敗退、「阪神牝馬ステークス競走」では 2着表彰台と、どちらもマスクトディーヴァの後でゴールという形に。 ちょっと、マスクトに関して苦手意識を持ちつつあるかなと思うのですが、今回は得意の府中のマイルコースなので、ポジションを、ひっくり返せる事は十分に可能だと思うから、表彰台圏内はもちろん、優勝争いにも加わる可能性は大きいとも見ています。

次に△印評価は③番のスタニングローズと番のハーパーにしました。

 

 


まず、スタニングローズは、一昨年の「秋華賞競走」(仁川・2000m戦)を優勝して以降、その後の 4戦がサッパリで、最上位は昨年の「中山記念競走」(中山・1800m戦)の 5着が最上位。 今年初戦の「大阪杯競走」(仁川・2000m戦)は長期の休み明けだった事もあって 8着敗退ではありますが牡馬勢を相手にシングルフィニッシュしている点を考えれば、やはり、ポテンシャルは高いと見ていいでしょう。 今回は牝馬同士のバトルではあるものの、昨年の、このレースでは12着敗退と冴えなかったんですが、左回りの府中のコースは一昨年の「優駿牝馬(オークス)競走」(府中・2400m戦)で 2着表彰台に入っているので問題はないとも思うので、やはり、久々のマイル戦だったという事が原因ではないかと思います。 今回は昨年に比べれば、 1回しか使ってないので、ゆったりとしたローテが功を奏しているのか、調教の段階のデキは良いという関係者のコメントからすれば、入賞圏内は来るかなと思いつつ、出来たら表彰台圏内に入れば良きだと思います。
一方のハーパーは、昨年の牝馬クラシックでリバティアイランドには敵わなかったものの、全て入賞圏内& 2度、表彰台圏内に入るという実績を見せているし、古馬牝馬とのバトルなった「エリザベス女王杯競走」でも 3着表彰台に入るなど、堅実な成績を残しました。
ただ、秋になって使い詰めであった事と、強力な牡馬勢が相手となったせいか、昨年の「有馬記念競走」(中山・2500m戦)と今年の「大阪杯競走」では、どちらも入賞圏外( 9着&13着)に敗れてしまう形となりました。 まあ、「大阪杯競走」の敗退はスタニング同様、休み明け初戦だったという点からしても仕方ない部分はありますが、府中のマイル戦は昨年 2月の「クイーンカップ競走」で優勝しているので苦手意識はないと思うし、また、テン乗りとなる鞍上の剛腕~池添謙一騎手にしてみれば、牝馬GⅠ 6大競走の完全制覇達成の期待もある。
ウンブライルに騎乗する、アイスマン~川田将雅騎手も、この記録に王手をかけているけど、池添騎手は王手をかけてから、かなりの長い期間が経っている点もあるので、まずは池添騎手に達成して欲しいという期待感も込めてみたいと思います。

そして、心情的評価である×印評価は、迷った結果、②番のフィアスプライドと番のモリアーナにしました。

 

 


まず、フィアスプライドはデビュー以来、一貫して1600mか1800mの距離に絞って出走している感がありますが、大体、入賞圏内に入っているという堅実派。
特に暮れに行われる「ターコイズステークス競走」(中山・1600m戦)について、一昨年は単勝12番人気ながら 3着表彰台、昨年は優勝請負人~クリストフ・ルメール騎手に乗り替わって優勝するという離れ業を演じました。 今年初戦として選んだのは牝馬限定の「中山牝馬ステークス競走」(中山・1800m戦)では初の56kgの斤量も堪えたのか、 9着敗退に終わりましたが、この斤量で走ったという点は、今回にとってはプラスと言って良いかなと思えますし、今回も優勝請負人が騎乗するという点に取っても追い風でしょう。 ただ、府中のコースは1800m戦しか経験がなく、マイル戦では初めてという点が、どう響くかなと思いますが、左回りコースでも結果を残しているので問題はないと思います。
一方のモリアーナは近走 6走の成績からして、ほぼ、安定した成績を残しているし、距離的にも2200mまでなら、どんな距離でも対応出来るという点は強みかなと思います。
これは、今回と同馬場&同距離で行われた昨年の「NHKマイルカップ競走」から手綱を取っている「パパ横山」~横山典弘騎手に変わってから、結果を残しているという点もあるでしょう。 「NHKマイルカップ競走」は初騎乗だった事もあって 6着敗退でしたが、以降は全て入賞圏内に入っており、昨年秋初戦の「紫苑ステークス競走」(中山・2000m戦)で優勝しているし、今年初戦の「阪神牝馬ステークス競走」でも 3着表彰台に入っている事からも頷けれるでしょう。 今回は 1年ぶりの府中のマイル戦ですが、 昨年 2月の「デイリー杯クイーンカップ競走」ではハーパーの 3着表彰台に入っているので苦手意識はないと思いますから牝馬同士のバトルであれば、今回も期待大だと思います。

と、いう事で、予想印での予想は以上ですが、付けなかった、お馬さんの中で気になる馬は番のコンクシェル。

 


コンクシェルはデビュー以来、2000m戦の出走はあるものの、基本的には1800m以下の距離のレースに絞って出走している感もあります。 昨年のクラシックレース「桜花賞競走」(仁川・1600m戦)と「秋華賞競走」に出走したものの、どちらも二桁着順(15着&18着敗退。)だったのですが、昨年暮れの条件レースで優勝してから、ようやく、軌道に乗りつつあるようで、前走の「中山牝馬ステークス競走」でも優勝を飾った事で、軌道に乗ったから勢いに入りつつあるのかなといった具合です。 ちなみに府中のマイル戦は、 4戦して 2度、表彰台圏内に入っているので苦手意識はないはず。 3度目のGⅠ競走挑戦で悲願の入賞圏内以上に入るかどうか、期待したいと思います