さて、明日(31日)ですが、阪神競馬場で、「第68回大阪杯競走」〔2000m・芝(内回り・Bコース)・阪神・GⅠ・16頭〕が行われます。
 

 

 



(↑昨年の覇者、番のジャックドール。)


昨年も書いたけど、このレースがGⅠ競走に昇格する前の中距離戦線の最大目標は 6月に行われる「宝塚記念競走」しかなく、また、 3月にドバイで「ドバイワールドカップデーシリーズ」というビッグレースが行われる事から実力馬は、そちらに挑むケースが多く、「天皇賞(秋)競走」に匹敵する2000m戦のレースを春の時期にもという事で、それまで、「Super-GⅡ競走」と言われた、このレースが2017年(平成29年)からGⅠ競走に昇格したという訳です。
ただ、昨年も書いたけど、かつて、「高松宮記念競走」が2000mのGⅡ競走だった時代、「大阪杯競走」と同レベルの内容ではなかったかと思ったりもしてるので、本音を言えば、「高松宮記念競走」を距離変しないで、春の中距離馬の目標競走にしても良かったかもしれませんが、その点は仁川と桶狭間、歴史と伝統を考えると、やはり、仁川(阪神競馬場)の方が上になってしまうかもしれませんか・・・。 以前、競馬を題材とした小説を書いた作家が、その小説の中の主人公に、このような趣旨を言わせた事があります。 『宝塚記念競走』『有馬記念競走』は同じファン投票で出走馬を決めるし、有力馬も出るので同じ格やと思うが、結果的に『有馬記念競走』8大競走の中に入ってるのに『宝塚記念競走』は入れない。 何かあると、すぐに関東のレースを重く見やがるな。」と。 この点は桶狭間(中京競馬場)と仁川の歴史の違いがあるのかもしれませんが・・・。 ただ、今年は仁川でGⅠ競走が行われるのは、このレースと翌週の「桜花賞競走」(1600m)のみ。 その後はスタンドのリフレッシュ工事に入るので、暫くの間、お休みとなる。 今年に限って言えば、貴重な仁川のGⅠ競走なので、楽しみに観戦したいと思ってます。

と、いう事で、今年の「大阪杯競走」ですが、まずは枠順から。

 

 

中距離を得意とする実力馬達が勢揃いした感がありますが、やはり、注目は明け 4歳勢が中心となりそう。 「皐月賞競走」(中山・2000m)を制したソールオリエンスと「東京優駿(日本ダービー)競走」(府中[東京]・2400m)を制したタスティエーラが出走して来たし、更に中距離を得意としているベラジオオペラや「牝馬クラシック競走」で善戦したハーパー。 一方、ベテラン古馬勢も昨年の夏から気にかけて 3連勝したローシャムパークや前走で久々の表彰台に入ったジオグリフ、更に 3年前の 2歳GⅠ競走を制した、キラーアビリティや一昨年の「牝馬クラシック競走」の 1つを制したスタリングローズも侮れない。 今年は混戦模様になる気がしてならないし、昨年同様、休み明けで、ぶっつけ本番になる馬もいれば、 1月& 2月の重賞競走を制して上り調子である馬もいる。 その辺りの取捨選択が難しい所ではあるのですが、今年は、こんな感じで印を付けてみました。



 

◎印=番 ソールオリエンス
○印=③番 タスティエーラ
▲印=番 ローシャムパーク
▲印=番 ベラジオオペラ
△印=番 ジオグリフ
△印=番 ブラダリア
×印=番 スタニングローズ
×印=番 ハーパー

本命は、昨年の「皐月賞」馬である、番のソールオリエンスにしました。

 


昨年の「クラシック」は全て出走し、全て表彰台圏内に入る実力馬。 暮れの「有馬記念競走」(中山・2500m)は古馬の厚い壁に阻まれる形での 8着敗退に終わりましたが、着実に成長している事は間違いないでしょう。 今年初戦となった「中山記念競走」(中山・1800m)は重馬場に泣いた感のある 4着入賞でしたが、ポジションの関係もあったやもしれません。
何れにしても優勝経験のある2000m戦で鞍上も「クラシック」で騎乗した「タケ坊」こと横山武史騎手に戻った事もプラス材料かなと思いますが。 後は初めてとなる仁川のコースでも十分に対応出来るかでしょう。

次に対抗ですが、昨年の「ダービー」馬である、③番のタスティエーラにしました。

 


タスティもソール同様に昨年の「クラシック」は皆勤賞で全て表彰台に入った実力馬。
ある意味でソールとタスティは、かつてのF1で言うセナプロ対決の様相に思えるのは気のせいでしょうか。 タスティも「有馬記念競走」に出走し、この時は 6着敗退でしたがソールよりは先着している。 ソールは先述の通り、今年は「中山記念競走」を使ったのに対し、タスティは直行というローテ。 この差が、今回のレースに、どう影響を及ぼすか、また、ソール同様、初めての仁川のコースでも対応出来るかは走ってみないと判らへんけど、2000m戦は「弥生賞競走」で優勝経験があり、その時の鞍上の松山弘平騎手が手綱を取るので、この点もプラス。 ソールとの直接対決はタスティの 3勝 1敗とリードはしていますけど、果たして?。 

更に 3番手評価である、▲印評価は番のローシャムパークと番のベラジオオペラにしました。

 

 


まず、ローシャムは、昨年の初夏の辺りから着実にパワーアップしている感があり、条件戦、「函館記念競走」(函館・2000m)、「オールカマー競走」(中山・2200m)と 3連勝。
特に「オールカマー競走」では実力馬~タイトルホルダーを降しての優勝ですから大いに価値があると言っていいでしょう。 暮れの「香港カップ競走」では得意の2000m戦ではありましたが、国内外通じて、初のGⅠ競走挑戦という事もあって、暑い壁に阻まれた感のある 8着敗退ではありましたが、良い経験になったと言っていいでしょう。
今回は香港以来の実戦ではありますが、ソールやタスティ同様、初の仁川の2000m戦でも対応出来るかどうかがカギですが、「函館記念競走」の際においても初の函館コースでも対応出来たのと左回りコースよりも右回りコースの方が結果を出している点からしても大丈夫かなと思うのですが・・・。
一方のベラジオオペラは 3歳時に「皐月賞」トライアルの「スプリングステークス競走」(中山・1800m)で優勝経験があり、「クラシックレース」では「皐月賞競走」は10着敗退に終わったものの、「東京優駿(日本ダービー)競走」で 4着入賞を果たし、ポテンシャルの高さを発揮。 秋は中距離路線に絞り、今回と同馬場&同距離である「チャレンジカップ競走」を優勝、今年初戦となった「京都記念競走」(淀[京都]・2200m戦)で 2着表彰台と抜群の成績を残している点はプラス。 先述の通り、仁川の2000m戦は優勝経験があるので、得意距離で久々のGⅠ競走挑戦となるけど、今度はソールやタスティ、また、歴戦のベテラン古馬勢が相手でも五分五分の勝負が出来るのではないかなと期待出来ると思います。

次に△印評価は、一昨年の「皐月賞」馬である、番のジオグリフと番のブラダリアにしました。

 

 


ジオグリフは「皐月賞競走」を制した後「東京優駿(日本ダービー)競走」で 7着敗退に終わって以降、どうも迷走状態に入ってしまったようで、主に中距離路線を中心に挑んだものの、しっくりした結果は残せず、最上位はサウジアラビアで行われた「サウジカップ競走」(ダート・1800m)の 4着入賞。 そのため、昨年の秋はダート路線に転向したものの、 2戦とも、全くと言っていい程の入賞圏外に終わったため、今年は再び中距離路線に絞り、前走の「中山記念競走」では重馬場という事もあって 3着表彰台に。 この結果を調子が戻ったのか、たまたまなのかと判断するのは難しい所。 仁川のコースは 2回、走っているものの、最上位は「朝日杯フューチュリティステークス競走」(1600m)での 5着入賞。 2200m戦の「宝塚記念競走」でも 9着敗退と冴えないので、今回、優勝経験のある2000m戦で、 3度目の正直となるかどうか。
一方のブラダリアは2200mや2400mの距離では結果を残しているタイプ。
昨年の「京都大賞典競走」や今年の「京都記念競走」は前者が2400m、後者が2200mと得意な距離であるという事もあり、キチっと勝っている。 また、 3歳時には「ダービー」トライアルである「青葉賞競走」(府中・2400m戦)でも勝ってるので、正直な話、今回の2000m戦は距離が足りない感じもなくはない。 ただ、2000m戦は 3歳時に桶狭間で 2着 2回と結果は出しているが、古馬となってからは「新潟記念競走」(新潟・2000m)の 4着入賞と、結果は出てるけど物足りない感が。 一応、仁川のコースは昨年の「京都記念競走」で 3着表彰台に入っているので苦手意識はないと思うが、小回りコースであるうえ、直線も短いので、上手に立ち回れるかがカギとなるかもしれません。

そして、心情的評価である、×印評価は番のスタニングローズと番のハーパーにしました。

 

 


奇しくも牝馬に印をつける事になりましたが、まず、スタニングローズは、今回と同馬場&同距離で行われた、一昨年の「秋華賞競走」でスターズオンアースの牝馬 3冠を阻み、最後の 1冠を獲った実力馬ですが、その後の 3戦が、サッパリの状態で、最上位は昨年の「中山記念競走」の 5着入賞。 更に今回は昨年 5月の「ヴィクトリアマイル競走」(府中・1600m)以来の実戦という事なのと、鞍上がテン乗りとなる西村淳也騎手に乗り替わるという、不安要素が多いと言えば、それまでだけど、優勝経験のある仁川の2000m戦なので、いきなりの優勝は難しいかもだけど、入賞圏内に入る可能性はあるかなあと思います。 一方のハーパーですが、昨年の「牝馬クラシック」では全てに出走し、全て入賞圏内(←うち、 2戦は表彰台圏内。)に入ったものの、あまりにも偉大な同期であるリバティアイランドの陰に隠れてしまった感じに。 その後、「エリザベス女王杯競走」(淀・2200m)では同期のブレイディヴェーグの 3着表彰台と頑張ったけど、裏街道から来たといっては失礼だけど、その馬にやられたという感じで、正に「善戦ウーマン」「競馬界の女性版リカルド・パトレーゼ」という有難くない愛称がつきつつあるかなと。 暮れの「有馬記念競走」は 9着敗退に終わりましたが、これは2500mという距離が長かったという事で敗因が、はっきりしているので問題外にしていいと思います。 後、休み明けという点も、ちょっと、どうかなあと思いますが、得意距離ともいえる2000m戦だし、仁川のコースは 2歳時にマイル戦ながらも優勝経験もあるので、期待してみたいと思います。

と、いう事で、印を付けた馬は以上ですが、それ以外で注目したいのは、前走の「大阪城ステークス競走」(仁川・1800m戦)を優勝し、更に大レースでも健闘している、番のステラヴェローチェや、最近は好不調の波が激しいかなと感じているものの 2歳時に「ホープフルステークス競走」(中山・2000m)を制している、番のキラーアビリティ、更に牝馬限定の「愛知杯競走」(小倉・2000m)で優勝経験のある、番のミッキーゴージャス辺りにも注目して見たいと思います。