さて、遅くなりましたが、ナンバー2742のブログにも書きました通り、 5月28日に東京競馬場で、いわゆる、「競馬の祭典」と言われている、「第90回東京優駿(日本ダービー)競走」〔2400m・芝(Cコース)・東京・GⅠ・18頭〕が行われました。
 

 


今回も、予想印の予想は、ナンバー2742のブログに書いたので省きますが、2020年生まれのサラブレッド 7708頭の中から選ばれた18頭のうち、頂点を極めた 1頭は・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


と、いう事で、今年の 3歳頂点に輝いたのは、単勝 4番人気だった、番のタスティエーラ[牡3](57.0kg ダミアン・レーン騎手騎乗)で、 2分25秒 2のタイムで優勝しました。

 


レースは、いきなり、番のドゥラエレーデが躓いたのか、鞍上の坂井瑠星騎手が落馬してしまい、競走中止になるハプニングが。 先手争いはインから③番のホウオウビスケッツが行こうとするが、トライアルの「プリンシパルステークス競走」を制した、番のパクスオトマニカがアウトからガーッと一気に加速して先頭を奪う。 ビスケッツは番手に付け、その後ろは番のフリームファクシがイン、タスティが真ん中、アウトに番のシーズンリッチが固まって、 1コーナーから 2コーナーん向かうが、早くも縦長の展開だ。
向う正面に入って、先頭はパクスが先頭、ビスケッツが、やや、引っ掛かり気味に番手に付け、シーズンリッチが 3番手に。 その後ろは⑧番のメタルスピード、タスティがつけ、それをマークする形で番のソールオリエンスが追う。 ソールの外に番のロッキングポイントがつけ、差がなく、番のペラジオオペラ、番のグリューネグリーン、レジェンド~武 豊騎手が騎乗する番のファントムシーフ、ファントムのインからファクシ、アウトから番のハーツコンチェルト、その間から 3度目の2400m戦となる番のスキルヴィングと番のシャザーン、カラ馬となったドゥラエレーデの後ろに番のサトノグランツがつけ、逃げると思われた④番のトップナイフが後方から 2番手につけ、最後方は番のショウナンパシットという展開だ。
前半の1000mの通過タイムは60秒 4と昨年よりも 1秒 5遅いタイムで通過するが、ペース的には平均ペース。 しかし、先頭のパスクは後続に10馬身近い差をつけて大逃げを打つ形になっている。 後続勢はビスケッツ、リッチが前にいて、その後ろはメタル、タスティ、アウトからハーツ、スキルが徐々に進出し、ソールはその後ろのイン側にいて、その外はロッキングとファントムがいる形で 4コーナーを回って、いよいよ、529mある直線へ。
直線に入って、徐々にパスクのリードの差がなくなり、まずはインからビスケッツ、真ん中らタスクがゴーサインを出し、それを見るかのようにソールとハーツも上がって行く。
府中名物のダンダラ坂を上がり、残り200mでタスティが先頭、そのインからビスケッツガタスティのスリップストリームを使って粘り込みを図るが、ビスケッツのインからペラジオが伸びて来る。 残り100m、タスティが更にグイッと伸びて後続に差を広げ始め、そうはさせじとソウルとハーツが秘術を尽くして迫るが、タスティも粘る。 ゴール前はインからペラジオ、真ん中にタスティ、その外にハーツと 4頭が雪崩れ込む形でゴールに入るという形に。 結果的にはタスティがソールをクビ差に抑えて、「皐月賞競走」での 2着惜敗のリベンジを晴らした形に。 ソールは無念の 2着惜敗で、鞍上の「タケ坊」~横山武史騎手の 2年越しのリベンジは成りませんでした。 3着表彰台はハーツが獲り、インから伸びたペラジオが 4着入賞、そして、最後の入賞圏内バトルはインのビスケッツが粘るかと思ってた所にロッキングがアウトから突っ込んで来て、最後の最後に交わして 5着入賞という形になりました。

タスティは今回は上手く乗ったのではないかと思います。 パスクはともかく、ビスケッツとメタルをマークする形で進んで行き、直線で満を持してゴーサインを出して、残り200m地点で先頭に立ってからは追い上げて来たソウルらを抑える形で制したのですから。
鞍上のダミアン・レーン騎手はレース後のインタビューで、「この馬のストロングポイントは速いスタートを切って、ポジションを取ってすぐにリラックスし、折り合ってリズム良く競馬が出来る所です。勝てたのはポジションが大きく関係していて、馬のおかげで上手くいきました。『東京優駿(日本ダービー)競走』の優勝はスペシャルな勝利です。2着だった同じ堀厩舎のサリオスも素晴らしい馬でしたが、そのときはもっと素晴らしいコントレイルが出てきました。 今回は同じ厩舎で、数年しか経っていないのにもう一度チャンスを貰えた事がとても嬉しかったので、勝利という結果を残せて良かったです。」とコメント。
確かに 3年前の、このレースではサリオスに騎乗し、コントレイルという、あまりにも偉大な同期の前に手も足も出ず、春のクラシックは、どちらも 2着敗退に終わった悔しさもあったでしょうし、今回のタスティも「皐月賞競走」では 2着敗退。 ただ、今回はテン乗りでの騎乗で頂点を掴んだので嬉しさは一入でしょう。 ちなみにテン乗りでの「ダービー」優勝は1954年(昭和29年)[第21回]のゴールデンウエーブ以来、69年ぶりとの事らしい。 それをレーン騎手に振った所、「知らなかった。」と言ってたけど当然でしょう。
元騎手で「アンカツ」の愛称で親しまれている安藤勝己さんはレース後のTwitter「こう言ったらなんやけど、タスティエーラだけが力を出したって感想。ローテ考えてもタフやし、キャリア積みつつ精神面を鍛えてきた結果やね。」とコメント。 この時期にしては厳しいローテでも対応するポテンシャルがあったという事なのでしょう。

恒例の全着順。 (←左から、着順・枠番・馬番・馬名・性齢・負担重量・騎手名・タイム・着差・コーナー通過順位・推定上がり3Fタイム・馬体重・調教師名・単勝人気)

01 6緑 ⑫ タスティエーラ 牡3 57.0 ダミアン・レーン 2:25.2  4-4-4-4 33.5 478(±0) 堀 宣行 4
02 3赤 ⑤ ソールオリエンス 牡3 57.0 横山武史 2:25.2 クビ 6-6-6-6 33.3 460(-2) 手塚貴久 1
03 6緑 ⑪ ハーツコンチェルト 牡3 57.0 松山弘平 2:25.2 ハナ 16-14-6-6 33.4 494(-4) 武井 亮 6
04 1白 ① ベラジオオペラ 牡3 57.0 横山和生 2:25.2 ハナ 8-8-11-11 33.0 494(-2) 上村洋行 9
05 7橙 ⑮ ノッキングポイント 牡3 57.0 北村宏司 2:25.4 1 6-7-9-9 33.4 488(+4) 木村哲也 15
06 2黒 ③ ホウオウビスケッツ 牡3 57.0 丸田恭介 2:25.4 アタマ 2-2-2-2 34.0 496(+2) 奥村 武 16
07 7橙 ⑬ シーズンリッチ 牡3 57.0 戸崎圭太 2:25.6 1 1/4 3-3-3-3 34.1 490(-2) 久保田貴士 14
08 7橙 ⑭ ファントムシーフ 牡3 57.0 武 豊 2:25.6 クビ 12-10-9-9 33.5 490(-4) 西村真幸 3
09 5黄 ⑩ シャザーン 牡3 57.0 岩田望来 2:25.6 クビ 11-10-12ー12 33.2 494(-6) 友道康夫 5
10 4青 ⑦ フリームファクシ 牡3 57.0 吉田隼人 2:25.7 1/2 10-10-14-12 33.4 500(-6) 須貝尚介 12
11 8桃 ⑱ サトノグランツ 牡3 57.0 川田将雅 2:25.9 1 1/4 14-15-14-15 33.1 490(-4) 友道康夫 7
12 4青 ⑧ メタルスピード 牡3 57.0 津村明秀 2:26.0 クビ 4-4-4-4 34.3 506(+2) 斎藤 誠 13
13 8桃 ⑯ パクスオトマニカ 牡3 57.0 田辺裕信 2:26.0 クビ 1-1-1-1 36.1 476(±0) 久保田貴士 17
14 2黒 ④ トップナイフ 牡3 57.0 横山典弘 2:26.2 1 1/4 15-16-16-17 33.1 484(-4) 昆 貢 10
15 5黄 ⑨ グリューネグリーン 牡3 57.0 石川裕紀人 2:26.3 3/4 8-8-12-12 34.0 482(+2) 相沢 郁 18
16 3赤 ⑥ ショウナンバシット 牡3 57.0 ミルコ・デムーロ 2:27.1 5 7-17-16-15 34.3 486(-12) 須貝尚介 11
17 1白 ② スキルヴィング 牡3 57.0 クリストフ・ルメール 2:30.3 大差 12-13-6-6 38.5 520(-4) 木村哲也 2
-- 8桃 ⑰ ドゥラエレーデ 牡3 57.0 坂井瑠星 競走中止 512(+4・注) 池添 学 8

(注)番のドゥラエレーデは前走がドバイでの競走に出走した事で馬体重が計測されなかったため、前々走の「ホープフルステークス競走」からの増減で示した。

タイム
ハロンタイム 12.6 - 10.7 - 12.0 - 12.6 - 12.5 - 12.4 - 12.8 - 12.4 - 11.9 - 11.6 - 11.9 - 11.8

上り 4F 47.2 - 3F 35.3

コーナー通過順位
1コーナー 16,3,13(8,12)(5,15)(1,9)7,10(2,14)18-4,11-6
2コーナー 16-3,13(8,12)5,15(1,9)(7,10,14)2,11,18-4-6
3コーナー 16=3,13(8,12)(5,11,2)(15,14)1(9,10)(7,18)-(6,4)
4コーナー 16=3,13(8,12)(5,11,2)(15,14)1(7,9,10)-(6,18)-4

さて、タスティエーラが先述の通り、「皐月賞競走」 2着のリベンジを晴らし、7708頭の頂点に輝いた形となった、今年の「ダービー」でしたが、まずは、残念ながら 2着惜敗という形に泣いた、番のソールオリエンスから。
流れ的にはタスティをマークする形で進んで行ったと思いますが、 3コーナーからはハーツとスキルヴィングにマークされる事で、結構、辛かったのかもしれません。
直線でもタスティがゴーサインを出したのを見て動き出したのですが、伸びては来ているものの、タスティの差を詰め切れず、結果、クビ差で 2冠を逸した形となりました。
決して悪くない流れだったと思ったけど、切れ味勝負になると分が悪かったのかどうか、少々、敗因が判らない感が。 「タケ坊」としては一昨年のエフフォーリアでの 2着惜敗のリベンジをソールで晴らしたかったと思ってましたが、返り討ちという形で終わってしまった事に関して、レース後に「 1番人気に応えられず申し訳ありません。左回りで乗るのは初めてでどうかと思いましたが、バランスの面で内側に倒れる仕草がありました。馬自体は古馬になってからの馬だと思います。想像以上にスローになった分、何時もの切れが削がれた印象で、勝ち馬に有利になった感じがします。」と展開に泣いた部分はあったものの、左回りコースの走りに課題が出たのかもしれません。
ただ、アンカツさんは「ソールオリエンスはオレ目線で凡走。位置取り悪くなかったけど反応が物足りなさすぎた。」と手厳しいコメントをしてましたが。

次に、 3着表彰台を獲得した、番のハーツコンチェルトですが、序盤こそ後方に位置していたものの、 3コーナー辺りからスキルと共にソール&タスティをマークするような形で上がって行き、 4コーナーから直線においてもソールのスリップストリームを使って一緒に上がって行った感じ。 最後は加速力的にはソールには敵わなかったものの、しっかりと表彰台圏内に入ったし、やはり、2400m戦の「青葉賞競走」 2着馬として結果を出したのではないかと思います。 アンカツさんも「ハーツコンチェルトも『青葉賞競走』からこれくらいは走れるもんな。」と、これくらいは当然の結果という感じでコメントしてたし、鞍上の松山弘平騎手は「スタートは少し出られない所があり、後ろからになりました。道中でポジションを良いリズムのまま上げていけて、リカバリーは出来ました。勝ち馬を見ながらレースが出来て、最後は差を詰めていますし、苦しい競馬でしたが、馬は頑張って力を出してくれましが、悔しい気持ちで一杯です。」と表彰台圏内に入ったものの、優勝出来なかったという点で悔しさも。 早くも秋は「菊花賞競走」に向かう事も表明しましたので、巻き返しに期待しましょう。

それと、 4着に番のペラジオオペラが来たのには驚きました。 序盤は中団、途中から、やや、後方に下がったものの、直線では最内を突いて伸びて来て、あわや、表彰台圏内までに入りそうなバトルを演じた事で、ひとまず、「皐月賞競走」10着敗退のリベンジは晴らしたといって良いでしょう。 鞍上の「カズ坊」こと横山和生騎手は「素晴らしいスタートを切ってくれましたが、今日は行かないほうがいいイメージで乗りました。ラストは素晴らしい伸び。あそこまでいったら何とかしたかったですが、こういう舞台で力のある馬に乗せて頂き、有難いです。」とコメント。

更に入賞圏内バトルに勝って、 5着入賞を果たした、番のノッキングポイントも頑張ったのではないかと思います。 ノッキングもペラジオ同様の流れで進んで行き、最後は直線の長い府中の馬場を上手く使ってアウトから伸びて来て、インで粘るビスケッツとの入賞圏内バトルを制した形となりましたが、正直、際どったかなとも思います。 鞍上の北村宏司騎手は「馬はいい仕上がりでした。少し力が入るところはあったけど、我慢が利いてうまく内に誘導できた。その後は持続的に脚を使って、坂を上がってからも歯を食いしばって走ってくれた。」と、馬の頑張りを労うコメントをしていました。

それとは対照に、入賞圏内バトルに負けてしまった形となった、③番のホウオウビスケッツでしたが、道中も口を割ったりするなど、序盤はぎこちない走りであったものの、逃げるパスクに惑わされず、自分のペースで走って行き、直線でも二の脚を使って粘りに粘ったので、結果こそ 6着敗退に終わったものの、ひとまず、「皐月賞競走」17着敗退よりもポジションを上げたのが慰みになったかもしれません。
「ダービー」初騎乗となった、鞍上の丸田恭介騎手は「ハナに行けるくらいのスタートだったけど、主張する馬がいたので一列下げた。最初少しエキサイトしたけど向正面からはスムーズ。本当によく頑張ってくれた。」と馬の健闘を称えてましたが。

その一方で、「皐月賞競走」で 3着表彰台に入り、今回はレジェンド~武 豊騎手に乗り替わって挑む事になった、⑭番のファントムシーフでしたが、後方から若干はポジションを上げて来て、最後の直線でも伸びたものの、伸び切れない形での 8着敗退に。 レース後にレジェンド「スタートはあまり速くなかった。ペースが遅くて途中で少し位置を押し上げたけど、結果的にもっと行くべきだった。向正面での勇気が足りなかった。」とコメントし、もう少し積極的に前に行く姿勢があれば入賞圏内には入れたかもしれないかもと分析されていました。

同じような事は、11着敗退に終わった、番のサトノグランツも言えるかもで、後方待機でいたものの、直線ではバテた馬達を交わすのが精一杯という感じに思えました。 ただ、レース後のアイスマン~川田将雅騎手は「馬はこの短期間でとても良くなっていました。結果は出ませんでしたが、秋が楽しみになりました。」とコメントしており、現状では、まだ、発展成長中で、ポテンシャルは上がると見ているようです。 これから来る夏の時期に、どこまでパワーアップするかでしょうか。

それから、今回は残念な結果に終わった、番のドゥラエレーデでしたが、幸いなことに人馬共に異常がなかったのは幸いでした。 多分、何らかに躓いての落馬だと思うのですが、管理調教師の池添 学調教師は「レースでの外傷もなく、歩様も問題ありませんでした。」とコメントし、「検査をして、何の問題もなく、ファン投票で選ばれれば、25日に行われる『宝塚記念競走』への出走も視野に入れたい。」とも、おっしゃってました。
「ダービー」の無念は「ドリームレース」で晴らしたい意向ですし、距離が2200mになるのですから手頃かもしれないでしょう。

後、今回も、お馴染み、霞 券五郎先生の動画も。

 


それと、単勝 2番人気に支持された、番のスキルヴィングが17着でゴールに入った後、急に倒れ込んでしまい、鞍上のクリストフ・ルメール騎手も心配して馬を撫でたりしたのですが、レース中に急性心不全を発症し、そのまま、息を引き取ってしまうという悲しい出来事がありました。
 



競走という原理がある以上、どんなスポーツカテゴリーであれ、こういう事は起きてしまう可能性はある。 スキルはデビュー以来、2000mか2400mの距離で走っていて、前走の「青葉賞競走」も2400m戦で優勝していたので、今回も注目していました。 道中は後方に位置し、 4コーナーでは 6番手まで進出し、直線では優勝請負人~クリストフ・ルメール騎手のゴーサインで進出・・・、と、思いきや、全然伸びない。 異変を感じたルメール騎手は、もう、追うのを止めていたくらいでしたが、どうにかゴール板を通過した所で力尽きたという形に。 ルメール騎手も「直線を向いてペースダウンしてしまいました。残念です。」とコメントするのが精一杯。
今回の件については,レース後にSNSなどで様々な意見が飛び交っていましたし、中には辛辣な意見を、おっしゃってる方々もいました。
Twitterで仲良くしてくれている競馬ファンの女の子もショックを隠し切れない様子に思えましたし。 長年、競馬を見ている私も、今回の件に関しては呆然としましたが、この件についての答えになるのかは判らないし、カテゴリーが違うと言う部分はあるけど、一つの意見として、1994年(平成 6年)のF1~サンマリノGPで事故で他界した有名ドライバーに対して、今は亡きモータースポーツジャーナリストだった、コメントの一節の中にあるのではないかと。

 

・1994年F1サンマリノGP