「そうだ!あそこへ行ってみよう…!」
突然、そんなことを思うことがある。
仕事が休日の今日、ガソリンスタンドで給油と洗車をして、ふと思いついた。
自分がかつて、外食産業の世界で初めて出店を任された店があった場所…。
ちょうど今頃の季節、出店準備で毎日その店の場所へ行っていた。
56坪38席の小さい店だったけど、その店で月商2500万円を超えるという驚異の店だった。
この地域の地域性と言うか、売上の半分以上はテイクアウトだった。
民事再生で会社を整理した時、スポンサー企業さんに引き継がれたが、それからほんの数年でこの店はなくなってしまった。
今は、住宅ができている。
この店を出店する時、父親と木を見に行ったことを覚えている。
国の天然記念物になっている巨木で、樹齢1,500年以上と言われている。
日本中の名木を見てまわっていた父親だったが、自分はまったく興味がなかった。
なので、当時もまったく面白くなかったのだが、最近ふと思い出すことがあったのだ。
この木…、1,500年以上ずっと生きてきたのだ。
そして、今も生き続けているということは、まだ終わっていないということだ。
終わっていないということは、まだ何があるかわからないし、様々な可能性がゼロではないということだ。
あの時、父親と見た木…。
あの時の店は終わってしまった。
父親の人生も終わってしまった。
あの時の木はまだ生きていた。
自分もまだ終わってはいない…。
行って見て、いろいろと思うことがあった。
行って見て、良かった…。