最近、スーパー等で弁当の価格を見て驚かされるのだが、案の定コンビニの弁当が売れなくなっているという…。

スーパーだ、コンビニだ…に限らず、外食産業でも新商品や、新イベントが続々登場していて、この業界にいた自分としては、何とも気になったりしている。

というのも、中小の外食企業は今どうなのだろう?…と。

自分が倒産手続きを申し立てたあの時から、2年半が過ぎる。

当時も、競合状況が厳しくなっていて、あれこれといろいろな手を考えては実行していた。

でも、今はあの当時以上だと感じるのだが…。


そんな手を打ってきたことの中で、当時資金がなくて途中で断念せざるを得なかったアイデアがある…。

それが、産直で加工食材を家庭へ直送する企画商品の販売だ。

自分がやっていた店舗が回転寿司店だったので、中央卸売市場から仕入れる食材がいろいろあった。

こうした食材を、家庭ですぐに使えるような形に一次加工して、直送するという企画商品だった。

いろいろ調べると、医療用の細胞保存等に利用されている冷凍技術を、食品冷凍に活用する技術が商品化されているということで、こうした冷凍設備を持つ加工工場と協力して、特殊冷凍して各家庭へ直送すれば、家庭ではその食材を解凍するだけで、専門店で使用する本格食材が家庭でも簡単に楽しめる…。

ということで、こうした食材を詰め合わせた「海鮮おせち料理」を企画して、自分の店舗で販売した。

これが、結構行けそうだったので、翌年は知り合いの外食企業に話を持ちかけて、その各店舗でも取り扱ってもらった。

こうして、関東、中部、近畿の各地方の関係店舗で販売した。

各店舗では、店内告知で注文を受けて、その注文を自分の会社で取りまとめ、業者発注する。

産直で食材確保し、持ち込まれた市場隣接の加工工場で一次加工して、特殊冷凍して注文先の各家庭へ直送する。

注文を受けた飲食店は、注文を受けて代金を頂くだけ。

で、その飲食店が売上の30%を取れるようにした。


中小の飲食店は、何とかして売上が確保したいもの…。

自分の店舗がそうだった。

でも、飲食店において、各個人が食べられる量は限度がある。

であれば、食べた料理の他に、その料理やお店が気に入ってくれたら、そうした専門店での食材や料理を、産地や市場から家庭に直送する商品があったら…と考えた。

現に、自分の店舗でも反響を感じたし、各地方の企業さんに話した時もすぐに興味を持ってくれて、取り扱ってくれた。

後は、取り扱う数量を大きくして、コストを下げて…という所まではきたのだが、ここまでくるとある程度のまとまった資金が必要になる。

当時の自分の会社は、経営状況が厳しかった。

だからこそ、こうした企画商品の販売を思いついたのだが、こうした起死回生の新しい取り組みに資金投入することができずに、結局はそこから先へ進めなかった。

産地直送のルートも、加工工場も確保して、実験的に各地方で販売して宅配方法も確認したのだが、ここまでで終わってしまった…。


今、ネット等でいろいろな食材、食品の販売はあるが、自分がやろうとしたのは、もうちょっと突っ込んだ商品だった。

例えば…、『○○家の味噌汁』とか、…そういうもの。

医療で使う細胞保存用の冷凍技術を使うと、今まで冷凍すると味が変わってしまうと言われていたものまで、冷凍保存できるということだった。

ある産地や地域の食材や料理を、家庭で自然解凍してすぐ使える状態に加工して、直送する。

これを全国の飲食店で販売する…。

季節ごとに、いろいろな企画商品が販売できれば、中小飲食店の売上確保にもつながるのではないか…と。


結局、中途半端なまま止まってしまった…。