蒸気の力や軽気球を使う変幻自在の手口で、厳重な包囲網をあざ笑うかのように、大名屋敷や大店の蔵から金を盗み出す怪盗・南蛮小僧。
ついには「幕府の隠し金を奪う」との予告状が届いた。
震撼する大目付や町奉行所。
蒸気の力や軽気球の存在に疑問を感じた徳川竜之助は、事件の解決に乗り出して奇策を考え出す。
その奇策にあぶり出されてきたのは、幕府の事情に詳しい三人の侍だった。
だが、竜之助の指示で探索に出かけた奥女中のやよいが人質として捉えられてしまう。
そして、やよいが口から出任せでしゃべった場所が、まさかの「幕府の隠し金」の隠し場所で……!
「竜之助一人で、金蔵のカギを持参してやって来るように」との手紙に応じる竜之助。
あとは想像通り、竜之助の活躍で事件は片付く。
この「想像通り」ってのが、お気楽な読書にはふさわしいんだなあ。シリーズ物の読者にとっては心地好い感覚だ。
というわけで、また一冊、風野真知雄さんにはお世話になりました。