今回は数年前に始まったギガスクール構想について書いていきます。
目次
1.ギガスクール構想とは
2.中身は現場に丸投げ
3.現場の混乱
4.子ども達の反応
5.今家庭からの要望
6.後の展望
1.ギガスクール構想とは
そもそもギガスクール構想ってなに？という人もいると思います。2019年（令和元年）12月に当時の文部科学大臣である萩生田氏の号令により突如始まりました。簡単にいうと「児童生徒に一人一台タブレット端末を準備するから、ICT活用能力の向上と学習に活かしてね。」と言ったところです。現代社会ではICT機器はマストアイテムです。家庭環境に左右されず小学校一年生から等しくICTの活用を学ぶ機会を与えようという政策です。詳しく正確に知りたい人は文部科学省のホームページを見ると良いと思います。
2.中身は現場に丸投げ
目的は時代に合っていて、これからの教育にも必要なことだと思います。国の政策ですからタブレットとネットワークの整備のためのお金は当然国が出します。しかし、1番の問題点は、具体的な活用方法など現場レベルでの中身が何も示されずに始まったことです。学校側からすれば、子どもにタブレット一つ渡すだけでもいろいろな課題が生じます。それらは全く考えられていないのです。
3.現場の混乱
2019年の12月に発表され、2020年の4月にはスタートという状況でした。テレビで大々的に発表している為、学校が勝手に先延ばしにするわけにもいきません。しかし、発表より先に知らされていたわけでもない為、何も準備ができていません。子ども達に指導するために、考えられる問題点を一から洗い出し、使用上のルールや活用方法、活用場面を考えました。余談ですが、私は2022年度に校内研究（学校全体で行う授業研究）のリーダーを務めていたため、「タブレットの効果的な活用場面と活用方法」をテーマにして研究しました。このタイミングでの研究は個人的には大いに役立ちました。学校全体としても成果があったと思います。数年かけてやっと定着した感じがしました。
4.子ども達の反応
子ども達は、学校でタブレットを使えることに純粋に喜んでいました。はじめは画面を触るだけでも楽しいと言った様子でした。高学年の場合は、普段スマホをよく使っている人も多いため、すぐにアプリなども使いこなすようになりました。しかし、文字の入力に関しては、スマホの入力はできても、キーボードの入力経験はあまりないため、かなり苦戦していました。
また、使用上のルールに関しては、使用頻度が増えてくるにつれて難しくなってきます。いつでも使える環境が理想的ですが、どこまで自由に使わせるかと言った問題や、逆にクラスによってははじめほどルールを徹底できなくなるケースもあります。インターネットにつながっているため最悪の場合、大きなトラブルになることもあると思います。
5.家庭からの要望
ギガスクール構想開始の時期はコロナの時期とほぼ同時期です。その為、自主休校する家庭からは、オンライン授業はできないのか？といった要望もでてきました。環境を整える点でも課題がありますが、小学校でオンライン授業というのは現実的にかなり難しいです。学校はあくまで全員ができることが大前提です。Wi-Fi環境のない家庭もあれば、タブレットを持ち帰らせたら2度と学校に戻ってこないような家庭だってあります。数年経った今ならある程度どうにか対策をたてることもできるかも知れませんが、当時は細かい話をするまでもなく「成り立たないでしょ」というレベルです。オンライン授業は流石にできませんでしたが、自主休校中の児童にタブレットの持ち帰りを許可し、課題のやり取りなどは行いました。
6.今後の展望
突如始まったギガスクール構想ですが、数年で先生も子どもも慣れてきました。活用場面や活用方法の幅も広がり、プラスのことも多いため今後に期待もできます。一方で、インターネットがつながっていることにより、今までにない問題もたくさん出てきます。悪い方向にも可能性が広がっているのが現状であり、今後、その問題がメディアに取り上げられることもあると思います。
学校教育も時代に合わせて日々変化していますが、新しい世代が羽ばたくために必要なことを学べる場であってほしいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後も新たなテーマで書いていきたいと思います。
読んでくださった方の何かしらの役に立てたら嬉しいです。
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