【雑談】ティラノサウルスの歩行速度の研究 | 大放言・毒を吐くブログ アメーバ版

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※現代にティラノサウルスが甦ったら?

最も有名な恐竜、と言えばティラノサウルス・レックスであろう。その有名さ、人気ぶりもあってか、最も研究されている恐竜でもある。今回明らかにされたのは「ティラノサウルスの足の速さ」。映画では豪快に走り回ったりもしていたが、実際の所は?と言うと「やはり」と言う結果であった。夢を破壊されるかも知れないが、残酷でも科学によって真実が明らかになる、と言うのはこういう事でもある。


※余り速くは走れなかった。

映画「ジュラシック・パーク」ではティラノサウルスは50km/hで走る事が可能、と言う設定だった。しかも設定だけではなく、劇中で実際に舗装道路を爆走して自動車を追い詰めるシーンが用意されている。個人的にはこの映画で最も好きなシーンだが、「本当にそんな真似が可能なのか?」と言う研究はガチでされていた。

ティラノサウルスは体長13m、体重は7tにもなったと考えられている。そんな巨体で50km/hの速度で走るにはそれなり以上のエネルギーが必要なのは言うまでもない。この観点からの研究ではティラノサウルスが時速50km/hで走るには全身の筋肉の86%を後足に集中させる必要があると言う研究結果がある。勿論その時点で生物学的なプロポーションを完全に無視する事になるのでそれはあり得ない。つまりティラノサウルスが時速50km/hで走る、と言う事はあり得ない、と言う結論になる。

今回発表された研究では「応力」と言う要素を考慮に入れたと言う。これは単位面積辺りにかかる力、つまりティラノサウルスが走る際に自身の骨にかかる負荷である。人間が全力疾走する場合、一歩毎に自身の身長の高さから飛び降りたに等しい衝撃が負荷としてかかるのだと言う。ティラノサウルスもこれに等しい負荷を受けると仮定すると人間と体格が段違いとは言え、自ずと限界が発生する。そこを見極めてティラノサウルスの走る速度を推定したのだ。

それによるとティラノサウルスの出せる最高速度は27km/h。それを越えると負荷により足の骨が砕けてしまうらしい。時速27km/hを単純計算すると100m走のタイムは13秒3。ティラノサウルスの歩幅については約2m、と言う研究もある。つまり50歩歩くのに13秒かかる、と言う意味になるのだが、これを速いと言うか遅いと言うか?この計算なら1秒で4步歩いた計算になるのだが、そう考えると意外に速い足の動きだとも言えるだろう。

※実は動きはスローモーション?

更にこの記事では触れられていないが、別の研究では尾の動き、と言うのも大きく移動速度に大きく影響するのだと言う。それを加味した研究によれば、ティラノサウルスにとって最適の歩行速度は時速5km/h弱。この速度、実は人間のそれと大差ない。人間との体格差を考えると意外に動きはスローモーションだったのかも知れない。

とは言え、この速度が本人の捕食行動に支障をきたすのであればそもそも種として生存不可能である。従ってティラノサウルスにとってはこの速度で十分に生命活動を行う事は可能だった事に変わりはないと言えるだろう。一端捕まえてさえしまえば史上最強の咬合力がある。一噛みするだけで大抵の生物は良くて重傷、普通に致命傷、勿論オーバーキルも十分にある。その一撃を加える手段は正攻法でなくても良い。不意討ちでも大いに結構なのだから。

※ティラノサウルスの歯が如何に大きいか判る一枚。

いずれにしても最新科学によってティラノサウルスと言う過去に絶滅した生物の詳細な実態が判明していくのである。それが我々の持つイメージとかけ離れたものであったとしても恐らくティラノサウルスのイメージが大きく変わる事はないだろう。良くも悪くもそれだけティラノサウルスと言う恐竜は我々の心に絶大なインパクトを与える存在なのである。これからも様々な研究によって未だに解明されていない謎が明らかになるだろう。個人的には例えイメージが180度変わってもそういう真実が明らかになる事を期待したい。