こんにちは、こんばんわ。

 

 

今回は高瀬隼子さんのおいしいごはんが食べられますようにという小説の感想を綴っていこうと思います。

 

この本を読んだきっかけは、毎週火曜の深夜に放送されている「午前0時の森」という番組の中で若林さんがおすすめの本として紹介していたからです。

若林さんもおっしゃっていたんですけど、この穏やかなタイトルからは予想もつかない、かなり不純な物語となっていました。

でも内容はとても面白く、最後は少し心がモヤっとする終わり方となっていました、、!

 

 

 

 

第167回芥川賞受賞!

「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。

職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾
ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。

(Amazon紹介文より)

 

 

 

ページ数も少なく、内容もとても面白いので1日で読み終えてしまいました。

僕は読むのが遅い方なので、早い人は1、2時間あれば読み切れるんじゃないかっていうくらいです。

でも内容は濃く、少し後味が残るような感じ、、、

 

 

職場の小説はあまり読んだことがなかったので、これから社会人になる身として『働くってこんな感じか』なんてことも考えさせられました、

、、社会人になんてなりたくない、、、

 

 

 

タイトルの通り、食べ物を通して職場の人間関係や恋愛が描かれているんですけど、皆さんは

 

「食べるのが面倒くさい」

 

と思ったことはありますか?

 

僕は思ったことないけど、周りの友達に「食べるのがめんどくさい」って言ってる人がいたので意外とそう思う人は少なくないのかもしれませんね。

 

登場人物の二谷という男は、ごはんを食べるのが「めんどくさい」と思っており、小説の中でもこういう発言をしています。

 

  • 腹を膨らませるのはカップ麺でいい。
  • 食事は一日に三回もあって、それを毎日しなくちゃいけないのが、すごくしんどい。
  • 人と食べるときにいちいち「おいしい」という感情を抱かなければならないことに、疲れる。

 

まあ、カップ麺で栄養がしっかり摂れるならカップ麺でいいというのはすごく思います、、特に一人暮らしを始めて『こんなにも料理するのって大変なのか!毎日当たり前のように料理していた母はすごいなぁ』と感じました。

 

だから僕は「食べる」っていうことより「料理する」ことが面倒臭いとは物凄く感じます。。

まあ一人暮らしの男の人はほとんどか。(笑)

 

 

 

他にも二谷はこんなことも言っています。

 

「帰って2時間もない、そのうち1時間を飯に使って、残りの1時間で風呂に入って歯を磨いたら、俺の生きている時間は30分しかないじゃないか。それでも飯を食うのか。体のために。健康のために。それは全然生きるためじゃないじゃないか。ちゃんと飯を食え、自分の体を大切にしろって、言う、それが俺にとっては攻撃だって、どうしたら伝わるんだろう。」

 

分かりますねぇ。特にテスト勉強や課題提出が迫っているときは、料理なんてもってのほか。カップ麺や近くの弁当屋の弁当ばっか食ってました。これはしょうがないですよね。二谷は悪くない。日本社会が悪いと思います。(笑)

 

そういう一面もこの本ではよく描かれています。。残業が当たり前だったり、休日出勤したり、有給を全部使うことに上司から難色を示されたり。。。ほんっっと社会人になるのが嫌になります……

 

 

 

話を戻して、

共感できることはあるにしても、二谷は少し変わっているなとは感じはしました。(笑)

人とご飯を食べるのが嫌い、おいしいと言わないといけないのが疲れる、って本当にそうなの?って。

 

食事は家族の団欒の場であると思うし、友達と喋ったり、人と人とを繋いだりするのにとても重要な役割を果たしていると思うんですけど、二谷はそれを真っ向から否定いていて、

 

「結婚式みたいなお祝いの場でも飲み食いしないとやっていけないなんておかしい」

 

って感じてるんです。

 

 

 

 

まあでもやっぱそう言う人もいるか。

二谷は、「おいしい」って人と共有し合うのが嫌なのかもしれませんね。

 

小説の中で二谷は

 

「なんでケーキで祝うんだ。砂糖の塊で口の中をベチョベチョにしておかしいんじゃないか、みんな。」

 

と言っています。

 

多くの人がおいしいと思うものでも、苦手な人はいるし。。。

そういった人が周りにもいるとしたら、配慮しなきゃなとも思ってきました。(笑)

「多様性の時代」ですもんね。

 

 

 

多様性といえば、この本。

なんとなく、今回の小説と通ずるものがあるような気がする。

めちゃくちゃ面白いのでまだ見てない人は見て欲しいです。

「多様性とは何か」を深く考えさせられます。

 

 

 

 

最後に一番印象に残ったセリフを紹介します。

 

それは、

 

「わたしたちは助け合う能力をなくしていってる。昔多分持っていたものを、手放していっている。その方が生きやすいから。成長として。誰かと食べるごはんより、一人で食べるごはんがおいしいのも、そのひとつで。力強く生きていくために、みんなで食べるごはんがおいしいって感じる能力は、必要じゃない気がして。」

 

これは、押尾が放ったセリフなんですけど、二谷も心を衝かれていました。

 

僕は一人で食べるごはんも、みんなで食べるごはんも同じくらいおいしいと感じるんですけど、いつか一人で食べるごはんの方がおいしく感じる日が来るんですかね。。。なんだか寂しい、、

 

 

まあ確かに大人になるとみんなで「ごはんを食べる」ってよりも「お酒を飲む」機会の方が圧倒的に増えるわけで、街でスーツ着てる人はみんな基本的に一人でごはん食べてますよね。公園のベンチでお弁当を食べてる人も一人。

 

 

もしかしたらこのセリフは、「大人が一人でごはんを食べる理由」核心をついているかもしれませんね。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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