風のつぶやき

デイヴィッド・フォスター
隠れた名盤

David Foster、Jay Graydonを中心としたAORが盛り上がってくるその初期の作品ながら、完成度は有る意味Airplay並といってもよい。


尾崎亜美

気がつくと手に入らなくなっていたこのアルバム、80年代の尾崎亜美の作品。


1981年にリリースされた尾崎亜美の「HOT BABY」です。


アルバム収録曲は
1.ラヴ・イズ・イージー
2.身体に残るワイン
3.キャッツ・アイ
4.限りない憎しみの果てに~花が咲いたよ
5.Angela
6.プリズム・トレイン
7.ワンダラー・イン・ラヴ
8.蒼夜曲 セレナーデ


既に数々のヒット曲を生み出して確固たる地位を確立していた尾崎が、ヴォーカリストに専念して(キーボードも弾いていません。)LAで録音したアルバムです。


キー・パーソンはデイヴィッド・フォスター(David Foster)です。


全曲尾崎の作詞・作曲ですが、アレンジとプロデュースを当時絶好調のデイヴィッドが担当しています。


デイヴィッドは前年にAORの伝説AIRPLAYをリリースして、自分のスタイルを確立したところで、非常に多くの作品をプロデュースしている時期なのです。


尾崎が渾身の力を込めたデモ・テープにデイヴィッドが触発されて、レコーディングは順調にいった。


【レコーディング・メンバー】

キーボードは当然デイヴィッドと、曲によってKEANEのトム・キーン(Tom Keane)が参加しています。


ドラムスにTOTOのジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro)

ギターがTOTOのスティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)とジェイ・グレイドン(Jay Graydon)という「AIRPLAY」組!

ベースは、ラリー・カールトン・バンドのニール・ステューベンハウス(Neil Stubenhaus)で、サックスのトム・スコット(Tom Scott)が一曲目だけに参加しています。

これだけでもAORファンは、聴く価値があるというものです。

サウンドは、想像通り「Foster印」そのものです。


David Fosterのファンキーなピアノを軸にして、ジェイ(二曲目)とスティーヴ(六曲目)のギター・ソロをフィーチャーしていて、「TOTO」や「AIRPLAY」のファンには素直に受け入れられるサウンドが展開されます。

6曲目の Prism Train

アル・シュミット(Al Schmitt)の録音も素晴らしいのですが、尾崎亜美のファンにはいまいち評判が良くないようです。

初めての海外録音に萎縮しているのか、それまでの作品に比べて彼女独特の声の伸びが足りないような気がします。


「TOTO的なサウンド」を求めている人にはおすすめしますが、満足感を得るにはちょっと足りないかもしれません。


ジェフ・ポーカロのドラムスも、個性はあるものの彼のあらゆるセッション・ワークの中でも最も「軽い」感じのプレイです。

逆に尾崎亜美らしいキュートな曲(3曲目「キャッツアイ」あたり)のほうが魅力的です。

詞の内容や雰囲気を伝えきれなかったということらしいのですが、楽曲とアレンジがうまくかみ合っていなかったような気がします。

デイヴィッドの日本におけるプロデュース作品もたくさんありますが、彼の最高傑作である松田聖子の「Citron」の発表までは、あと7年かかるのです。


JEFF PORCAROのドラミングの見本市のような作品なのです。どの曲聴いてもJEFFらしさ満開。もうJEFFのドラミングがこれでもかと言わんばかりに迫ってくるのです。


リマスターのおかげもあってか、ドラムの音の録音状態もリアルで、JEFFのドラムサウンドってやっぱこれだよね!を忠実にお手本通り再現したような音空間。

JEFFのドラミングを楽しめるアルバムとしては、トップレベルの作品ですよね~。


これも「HOT BABY」より「Wandere in Love 」。はっきり言ってデヴィッド・フォスター丸出しのアレンジではありますが、とにかく曲がイイと思うんです!


同アルバムから、当時シングル・カットされた「蒼夜曲/セレナーデ」。大物プレイヤーに負けない、尾崎亜美の貫禄のパフォーマンスをお聞きください


竹内まりや

Miss M

エアプレイの隠れた名盤です。LAサイドの5曲は、デヴィット・フォスターがプロデュースで楽曲に参加しています♪


参加したメンバー豪華過ぎます♪

Guitar : Jay Graydon / Steve Lukather

All Keyboards : David Foster

Drums : Jeff Porcaro

Bass : David Hungate

Chorus : Bill Champlin / Tom Kelly etc.

Rhythm Arrengemant : Jay Graydon & David Foster

Strings & Horn Arrengemant : Greg Mathieson


【L.A.SIDE】

ポーカロのカウントで始まる01は、デヴィッド・ラズリーとピーター・アレンの共作です。

ジェイ・グレイドンのソロ、ビル・チャンプリン、トム・ケリーのコーラスの美しさ等聴き所満載のスピード感のある曲です。


ジェフ・ポーカロの声&超クールなカウントでスタート!(これは涙モノです)
ピーター・アレンの曲というのがミソで、華やかなホーンが素晴らしい。

ホーンセクションのクレジットが無いのでジェリー・ヘイ軍団では無いのかもしれない。

そしてこの曲のメインがジェイ・グレイドンのギター・ソロ。このソロはマンハッタン・トランスファー「エクステンションズ」収録の「Twilight Tone」のギター・ソロと並ぶ名ソロではと。

エンディングが何故かブツッと切れていてもっともっと聴きたい感じ。

02. Every Night

一転して落ち着いた雰囲気の02は、アラン・オデイと山下 達郎の名コンビによる曲です。

AORサウンドの見本のようですね。達郎もセルフ・カバーしてました。

メロウなミディアムナンバーのAOR。
ジェフ・ポーカロ&デヴィッド・ハンゲートという初期TOTOのリズム隊のどっしりとしたグルーヴが聴ける。

03.Morning Glory

山下 達郎の作詞・曲の03。これも達郎のセルフ・カバーがあります。リズムが軽快な明るいタッチの曲です。

この曲での美しいコーラスは、EPO、安部 恭弘、宮田 茂樹です。日本勢も負けてませんね(笑)

後に達郎さんの「FOR YOU」にも収録されたナンバー。

ドラマー的にはポーカロと青山純さんの聴き比べもおもしろい。

ポーカロのハーフタイム・シャッフルは絶品です。

この時代にすでに安部恭弘さんがコーラスアレンジを行っていたんですねー。EPOの参加もうれしい。



04. Secret Love

目玉の1曲と言える04は、マーク・ジョーダン、ジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスターの共作です。何とも贅沢です。

デヴィッド・フォスター色の濃いナンバー。随所にフォスター節が。
この曲が最も「L.A. Side」してます。

05. Heart To Heart

グレッグ・マティソンのアレンジによるストリングスが美しいバラード曲の05。

美しいストリングスアレンジ&ジェイ・グレイドンの泣きのギターが聴けるしっとりとしたバラード。

シカゴっぽい壮大なイメージに仕上がっている。

ご本人ではありませんがカバー?なのかフォスター節が確認出来ます。



エアプレイを一押ししている方々にも、これが意外と知られていない。


参加ミュージシャンは

デビッド・フォスター
ジェイ・グレイドン
ジェフ・ポーカロ(TOTO)
デビッド・ハンゲイト(TOTO)
スティーブ・ルカサー(TOTO)
ビル・チャンプリン(シカゴ)

と、まんま『エアプレイ』の顔ぶれ。

リズムアレンジもフォスター&グレイドンが行ってます。

おまけにSecret Loveという一曲はフォスター&グレイドンの作曲だったりして。。。


特にアルバム1発目の「Sweetest Music」はジェフの軽快なドラムと、ジェイ・グレイドンの弾けるギターソロが聴けるゴキゲンなドライブソングです。


ソウルッフルな迫力あるコーラスはビル・チャンプリン、トム・ケリー等(このコーラスは全員女性では?と思わせるくらい凄いです)。



心安らぐメロティを持つ⑤「Heart to Heart」はロジャー・二コルスの作品。このギターソロはルカサーでしょうか?

①と⑥「二人のバカンス」を聞き比べるとLAサイドと東京サイドのリズムセクションの違いがはっきり分かると思います。



この「二人のバカンス」も曲自体はAOR的ですが、東京サイドのアレンジだと不思議と歌謡曲に聞こえてしまいます。

この曲をTOTO系面子がやると、かなり引き締まったものになるでしょう。
(もちろん東京サイドも魅力的です)

しかし本作の中ジャケのもう一枚の写真(↓)、ちなみに写真の筆記体は竹内まりやの実筆です。その台詞もすごい・・・。


左からルカサー、ポーカロ、グレイドン、ハンゲイト、フォスター


デヴィッド・ロバーツはデヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンに後回しにされたのに…(笑)。


この後、竹内まりやは、1981年10月に5thアルバム「PORTRAIT」をリリースしたのち、休養宣言を行い、活動を停止。
翌1982年4月に山下達郎と結婚しています。。。

「Miss M」。。AORサウンドの詰まった、ぜひ聞いてもらいたい竹内まりやのアルバムです♪


松田聖子

松田聖子 「Citron」 (1988)

松田聖子、15枚目のオリジナルアルバム。AOR好きな人にとって本作はやっぱりスルー出来ないアルバムです。


それは本作のプロデューサーがデヴィッド・フォスターだからなんです。


もちろんデヴィッド・フォスターはAOR好きにとっては神様みたいな存在。


70年代~80年代初頭のAORを牽引していたのは間違いなく彼であり、ジェイ・グレイドンでした。そんなフォスターが腕を振るった(らしい)アルバム。

1988年、時はバブルの真っ只中。ソニーがCBSレコードを買収したのがちょうどこの年。

もちろん本作がフォスターが本作に関与することになったのも、そういった事情が絡んでのこと…と推察されます(彼女の所属レコード会社はソニーですしね)。


そして翌年、レコード会社の強い意向により松田聖子は全米デビューを目指すこととなり、全米進出に反対していたサンミュージックを去ることとなります。

デビュー以来お世話になっていたサンミュージックを辞めなければならなくなった松田聖子と、恩師相澤会長がその後、言葉を交わしたのは17年後のこと。



変化を求めざるを得ない事情もよく分かるし、なかなか考えさせられますね。


松田聖子プロジェクトは松本隆ワールドにぴったりな楽曲を載せて、それを松田聖子が表現してみせる…というのが王道です


が、ここではデヴィッド・フォスターのアレンジが、その世界観を崩してしまっているという感じでしょうか。


松本隆の言葉の微妙な感覚なんかは、もちろんフォスターには理解出来る筈もなく、それを国内スタッフ陣が「是非先生の好きなように料理してください」とでも言って、本作のプロデュースを依頼したのでしょうかね(もちろん勝手な推測です)。



続・赤いスイートピー

本作ではそれが一番顕著な事例として⑦「続・赤いスイートピー」


「赤いスイートピー」の続編。両者には当然ながら対応関係があります。


「赤いスイートピー」 では、「心の岸辺に咲いた赤いスイートピー」ではあっても「線路の脇のつぼみは赤いスイー トピー」、つまり心では咲いていても、現実にはまだつぼみである、ということで、この男女 はまだ恋愛の初期の段階にあって、最盛期はこれからということが暗示されています。


それに対 して6年後のアルバムに収録されている「続」の方では、スイートピーは既に「アルバムの最後の色褪せた押し花」になってしまっていて、恋愛が、取り戻し得ない過去の想い出になって しまっていることを表している。



詞は松本隆、作曲はスティーヴ・キップナー、リンダ・トンプソン、フォスターの共作。


スティーヴ・キップナーといったら彼が1979年に発表したソロアルバムは超名作なんですが、それくらい豪華な作家陣です。


この曲はタイトルの通り、「赤いスイートピー」の続編ですね。

赤いスイートピーで描いた2人はその後別れてしまい、男性は別の女性と結婚しているという設定。

この詞の随所に松本ワールドが繰り広げられているのですが、それを作曲陣がどこまで理解していたのか。


正直、歌詞が響いてこないんですよね。


「赤いスイートピー」と言ったら、春色の汽車に乗って…ですよね。詞とメロディが一体となってます。でもここではそれが噛み合っていないんですよね。



②「Marrakech」、④「You Can't Find Me」、⑥「We Never Get To It」なんかはマドンナを意識した作風ですね。


気のせいか彼女のヴォーカルもマドンナ風に聴こえなくもない。



④「You Can't Find Me」は大好きなジェイ・グレイドンが作曲しているのですが、う~ん、なんかあまり好きになれません。この時代特有の打ち込み系サウンドだし。


本作で一番有名な曲が⑤「抱いて…」でしょうか。松本隆&フォスターの作品。

確かによく聴けば随所にフォスター節が発揮されてます。この曲に限って言えば、松田聖子らしい、一方でちょっと洋楽的な香りも漂う、ちょうどいい感じの仕上がりです。ギターはマイケル・ランドゥらしい音です。




松本隆との決別

そして次作「Precious Moment」では長年のパートナーであった松本隆と別れ、聖子自身が作詞するようになります。


他にも大村雅朗以外、ほとんどが初めて組む作曲家であり、それまでの作品と差別化を図ったような制作コンセプトが窺える。


本作を聴けば、松本先生が離れていった理由も理解出来るし、松田聖子にとっても変化の時が来たということなのかもしれません。

このアルバムからは徳永英明からの提供曲が収録されている。

バラ色の扉 (5:14)
作詞:Seiko Matsuda/作曲:徳永英明/編曲:大村雅朗




風のひとりごと

矢部美穂さんの
重大発表は

特別に大きな理由があったわけではありませんが、昨年10月に事務所も変わり、その月末には子宮筋腫の手術…。

幸い経過も良く快適に過ごせており、新しいお仕事も頂き、人生で本当に健康のありがたみを知りました

そこで、特に、尖って…生きてきたつもりはありませんが、皆様のお陰で楽しくお仕事させて頂けていること、小さいながらも、母や妹がスタッフをしてくれるお店(YABEKE)を持てたこと、平凡でも、日々恙無く生活できてることなどに感謝して、更に、更にですよ丸くなろうと決意いたしました


『ご報告』という程でもありませんが、この度、名前を『矢部美穂』から『矢部みほ』にさせて頂きました

との事でした。




おしまい( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆