今日は豪快先生の診察日だった。
3クール目のFECの副作用。
今回は胸のムカムカと味覚障害が重なり、本当に何も食べられなくなってしまった。
おまけに水分まで取れなくなり、トイレに行っても何も出ない。
いつのまにか完璧な脱水状態に陥っていたがどうすることも出来ず、結局、丸4日間そんな状態が続き、体重が5㎏減ったー
というようなことを、さも、メチャクチャしんどかったわー、みたいな顔して豪快先生に説明したら、先生が本当にこちらを労るように
「そうかー、それは大変やったねぇ。うーん、味覚障害がなぁ、、、。あまりこれをばしっと治す方法がないからなぁ、、、」
先生はそう言いながらパソコンに何やら入力し、
「一応、味覚障害には亜鉛が効くとは言われてるけど、『味覚障害治療用亜鉛』っていう薬は無いんよね。だから胃薬で亜鉛を含んでる薬を出しとくんで、とりあえず飲んでみて」
で、出されたのが『ポラプレジンク錠』。
薬の説明書にも胃薬としてしか説明がなく、亜鉛を含んでるなんてどこにも書いてない。
味覚障害にこの薬が効くかどうかー
効いて欲しいのは確かだか、私は来週がラストFECなのだ。
そりゃ副作用が軽いに越したことはないから、ラストケモでしっかり飲ませて頂きます。
約半年続いた抗がん剤治療。
前半4クールはタキサン系のアブラキサン(ナブパクリタキセル)。
これはいい仕事をしてくれて、しこりを10ミリにまで小さくしてくれた。
今、やっているFECの結果は、来週のラストケモを経て、きちんとした検査をしてからでないと分からないが、とりあえず今の時点で私の左胸のしこりは10ミリ以下の大きさであるとして、豪快先生が言った。
「来月のゴールデンウィーク明けに手術しましょう」
心臓がドキンとした。
いよいよ私も手術する時が来た。
「で、その手術なんやけど、今のしこりの大きさやったら温存が出来るんやけど、世奈さんはどう考えてるかな?」
いきなり振られて驚いた。
今まで豪快先生との間で手術の話は全く出なかったし、例えば、しこりがこのくらいだったら温存、みたいな話も出たことが無いからだ。
おいおい、先生~
今まで何の説明も無しに、いきなりどうしたいかなんて聞くなよ~
内心はめちゃ焦っていたが、ここは今までネットからの情報や乳がんの本を読んでいろいろ考えたことを話さなきゃと頑張った。
「温存が出来るのであれば温存を選びたい気持ちはあるけど、温存を選んで、ほんの数パーセントでも再発する確率が上がるのなら全摘を選びたい」
瞬間、豪快先生の目が丸くなった。
(ああ、この人はこの人なりに頑張って、色々、調べたんだなぁ)
って思われたような気がしたのよ、ほんとに
と言うか、「温存出来る」と言ってるのに「温存じゃなく、全摘がいい」と私が答えたことに豪快先生はちょっと驚いたのだと思う。
だから私の答えをちょっと修正するみたいに
「再発で命に関わるのは他の臓器や骨に転移、再発した場合で、温存した胸にもし再発したら、またそこで全部切ればいいから」
「あー、そうなんですか」
「まあこれは患者さん、一人一人考え方が違うからねぇ。あー、でも確かに今のしこりの大きさなら温存は出来るけど、世奈さんの場合は脇の下のリンパ節にも転移してて、これが抗がん剤治療の成果でしこりか消えてたとしても、手術でそこは取らないとならないし、その後は放射線治療しないとあかんからなぁ。そうやなぁ、確かに温存より全摘した方がいいかもしれんなぁ」
おお、先生が同意した!
「再発するのがとにかくいややと言うのを重要視するのなら、全摘もありやね。ただねぇ、後で脇の下のリンパに放射線治療をしないとあかんから、同時再建が出来ないんよなあ」
ああ、やっぱりこの豪快先生は患者さんの気持ちを一番に考えてくれてるんだなぁと思いました。
実は私のかかっている病院は、全乳がん手術のうち、乳房温存の方が多いみたいなのです(しかもかなり整美性にこだわっているらしい)。
全摘の場合は形成外科と協力し、同時再建に力を入れていると乳腺外科案内か何かを読んだ記憶があります。
だから豪快先生からしたら
「乳房温存が出来るぞー」
と言ってやったのに
「全摘で」
と答えた私に、なら同時再建の道を模索したけど私にはその道は無かったということなんでしょうね。
まあ、これは第一回話し合い?なので、これから詳しい検査結果が出てから私の考えも変わったりして、手術内容がどうなるか分かりません。
実は私も全摘なら同時再建が出来れば、、、と思ってたのですが、それがダメと分かってちょっとショック
まだもう少し考える時間があるので、いろいろ考えてみます。