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2年前の郵政選挙は、就任以来「古い自民党をぶっ壊す」と叫んでいた小泉総理が言葉どおりの勝負に出たことに国民が動かされ、そのことが信任されて自民党が大勝した。


その意味であの選挙は「郵政民営化の是非が問われた選挙」というより「政治改革選挙」だったと思っている。国民は政治改革が達成されて自民党は変ったと錯覚し、後継の安倍総理にも高い支持率を与えた。


ところが郵政選挙で排除された「古い自民党」のメンバーが相次いで復党することになり、さらに「年金記録問題」で横っ面をひっぱたかれて目が覚めてみると、政治とカネの問題という古い自民党の体質そのものが次々に噴出していた。変わったと思っていた自民党は何も変わっていなかった。


しかも戦後生まれの総理大臣がその「古い自民党」を擁護している。騙された思いの国民が自民党から離れるのは当然である。こうして参議院選挙は自民党の大惨敗となった。その意味で今回の選挙は2年前と裏返しの「政治改革選挙」だったということが出来る。


今回の選挙結果は宇野総理が退陣した1989年の参議院選挙と酷似している。自民党は結党以来最高の衆議院300議席を獲得したわずか3年後の参議院選挙で改選議席69を36に減らした。予算以外のあらゆる法案が成立しなくなる事態が想定され、政治改革が急務となった。二大政党制が本格的に検討されることになり、小沢一郎氏がキーパーソンとなった。しかし政権交代は容易ではなかった。



紆余曲折を経て18年、歴史は再び繰り返して同じ状況を迎えたが、今度こそ政権交代の扉を開くことが出来るのか。小沢民主党代表の次の一手が注目される。