7月29日の投票日に向けて参院選が中盤戦に突入するなか、29ある一人区の争いが熾烈を極めていて、ここでの結果が自民・民主両党にとっての勝敗の分け目となる。
この一人区で重大な争点となるのは農業政策で、小沢民主党がそこに切り込むために、民主党独自の農業再生プランをマンガ入りの分かりすいチラシにして、5月に100万部ばら撒いた。
このことに関連して、今週の週刊ダイヤモンド誌面上で面白いコラムが載っている。記事によればこの民主党のチラシが結構評判で、自民党内部からもこれが結構浸透しているという悲鳴が上がった。そこで、自民党も丸きり似たようなチラシを作成して、これまた100万部をばら撒いた。
これがどう選挙結果に反映されるのかなかなか見ものだが、まずは、週刊ダイヤモンドの記事をご参照ください。
▼『週刊ダイヤモンド』
第95巻28号(2007年7月21日)------------
「農政が参院選の争点化で自民と民主がチラシ合戦」
先に仕掛けたのは民主党だった。「農業をやめたい人は自民党」と題したチラシを、五月上旬から100万部、全国の農村にばらまいた。
A4版四ページのチラシには、同党が作成した農業再生プランのほか、自民党政策への批判がマンガでまとめられている。
これに対し自民党も、「デタラメな民主党農政!」と題したチラシを、100万部作成。わかりやすいと評判だった民主党のマネをしてマンガ仕立てにし、逆に民主党批判を徹底的に展開している。党レベルでチラシ合戦を繰り広げ、火花を散らすと言う事態はきわめて異例なこと。それも七月末に参院選が予定されているからだ。
これまで農業問題が争点どころか、俎上に載せられることすらなかった。だが、今回は参院選では、「一人区」が勝敗を決めるといわれている。となれば農村部の議席もムダにはできないというわけだ。
「わかりやすく自民党農政の問題点を説明すれば、自民党の牙城だった農村部も切り崩せる」と、ある民主党代議士は自信を見せる。
効果は上々だったよう。五月に開かれた自民党の農林関係合同会議でも、出席者から「民主党のビラが農村に浸透しつつある」と危機感を強める声が相次いだほどだった。
焦ったのは自民党。「政権与党が野党の政策を、しかも同じ手法で批判するのはおとなげない」との声もあったというが、安倍内閣の支持率低下を見かね、急きょ作成したという。
これまで農政をめぐっては、与野党で大きな違いはなかった。しかし、今回は予算から施策までかなり違う。どちらのチラシが有権者の心に響いたのか。答えはまもなく出る。
※この記事は7月17日に《ざ・こもんず》 で掲載されたものです。(編集部作成)

