ご訪問いただきありがとうございます。
知人との会話であったやり取りのことです。
「車なんてぜいたく品。もっと働きなさい」
とその方の母親が言っていたそうです。
その知人は金銭的に苦労をしていて、
親に頼ろうとした際、
その母親は自身が働いてなんとかやってきたために、
「自分でなんとかしなさい」という趣旨の発言の中で
生まれた会話だそうです。
言いたいことはわかるのですが、私には
「自分がした苦労をあなたもしなさい」
「ぜいたくするあなたがいけないのよ」
と言っているように聞こえました。
「ぜいたくは敵」
この言葉は戦時中に流行らせた言葉だそうですが、
今も影響を及ぼしている(囚われている)
のではないでしょうか。
私たちは同調圧力という言葉を知りながら、
「しんどい想いをしている時は、もっとしんどい想いをしている人もいる」
という気持ちに駆られ、しんどい仕事をすることが当然になり、
自分以外の人にもそれを強要しているところがあるのかもしれません。
しかしよく考えてみると、
数十年前の親世代がしんどい想いをして労働してきたことを
同じようにすることって、
社会や働くシステムが数十年進化していないのと同じです。
人間の労働というのは、
だんだん負荷が減っていくのが正当な進化であり、
それが変わらないということは、
過去のしんどい労働が、現在に何も意味を為さなかった、
と言っているのと変わりません。
同じようなタイミングで、
「教職員の調整額を3%⇒14%に上げるよう検討」
というニュースを見ました。
この調整額というのは、
教職員の残業代というのは実質出さないけれど、
予めこれだけは残業代として出しときますね、
って定められたものです。
これがX(旧Twitter)で取り上げられた時に、
現役の教員の方を含めて
「教師だけがしんどいんじゃない、特別扱いするのはおかしい」
という意見が見られて驚きました。
ご存知の通り、
今学校の教師という業界は人手不足です。
担任が足りてなくて、
管理職が一時的に担任の代わりをするなんてザラです。
原因は、待遇面であることは明らかで、
業務を減らしていくか、給与を上げていくか、
ということの双方に取り組む必要があります。
そうしなければ、人は集まろうとしませんから。
しかし、「しんどいのは教師だけじゃない」
って意見を見た時に感じたのは、
「お前も貧乏になるのが当然だ」
と言っているのだということです。
私の感覚では、
待遇を全て一挙に改善できるなら、それに越したことはない
と思うのですが、それが難しいなら、
まず小さな一歩でもできることからやったらいい、と思っていました。
教職員の給与を一気に上げることで
志望者が減っているのを食い止めることは当然の策ですが、
一気が無理なら調整額から、
というのもアリだと思いませんか?
「しんどいのが当然」と思うことは
もはや心から奴隷になっているのと同じです。
私たちは豊かにならなければいけません。
誰かが抜け出して豊かになるのなら、
それを喜んで、私たちもどうやったら豊かになるのか、
考えていかないと、奴隷根性から抜け出せません。
しんどいことは尊いことですか?
確かに労働自体に尊さを求める人はいますが、
私は労働が減ることによる人類の進化のほうが、
よっぽど尊いことだと思います。
物価高でみんな苦しい、というのはわかります。
だけどそれを乗り越えるのが必要なことであって、
しんどいのが当たり前、とするのは
乗り越えることを諦めているようにも聞こえます。
給与を上げる、というのは
単純にはいかないこともよくわかります。
人手は欲しい、でもない袖は振れぬ、
という業界がほとんどでしょう。
でも、だからこそ
高収入を提示できるところには
人が集まると思うのです。
そこにはきっと優秀な人材が揃い、
日本経済の刺激となるはずです。
しんどいことは当たり前ではありません。
それをなんとか跳ねのけた先に、
豊かな人間の暮らしがあるはずですから、
「しんどいこと=おかしい!」
くらいでも良いはずです。
でもこういうことを言うと、
「将来ぬるい日本人ばっかりになるよ」
と言いたい人が出てくるのもわかります。
でも、しんどい仕事をすることと、
そのぬるい日本人になることは別の話です。
それは親世代がどう子どもたちに関わったか、
ということが影響しているので、
ぬるいことしかしてないから、
ぬるい日本人になる、と決まっているわけではありません。
ただ、昔の価値基準で良いとしていた評価が
別の価値基準に変わっていくのに
拒否反応を感じる人もいらっしゃるのは事実です。
親世代がしていたことを
子ども世代も同じようにするのが
子どもたちの将来のためだ、
という、よくよく考えたらわけのわからない感覚は
私にもあります。
新しく進化していくためには、
私たちが経験していたことを
子どもたちに同じようにさせるのは、
時代遅れだということを
強く主張していくしかないんでしょうね。
本日もここまで読んでいただき
ありがとうございました。
筆者のおすすめするFXについて勉強したい方へのブログはこちら