8月中旬の今の時期は、このブログでも、戦争について触れない訳にはいきません。

 

74年前の戦争で亡くなった人】

普段は仕事に励みつつも、美食やおしゃれを楽しんでいる私たちです。

でも74年前に終わった戦争では、死者が日本人だけで約300万人以上、その他日本軍がアジア各国で犠牲に巻き込んだ民間人が、550万~3000万人と言われています。(統計によって、バラバラですが、つまりどれだけ犠牲にしたか、わからない程だということです。)

こんな多くの人が亡くなり、周りの人々を巻き添えにしたのですから、犠牲になった国々がこの時期になると、いつも以上に尖った視線を日本に向けるのも当然と言うものです。

 

また5月に即位なさった新天皇が、戦没者追悼式で戦争への深い悲しみと反省、平和への願いを述べられていましたが、体験者のいろいろな話を聞いたり読んだりするにつけ、戦争を経験するということは到底「戦陣に散り、戦禍に倒れる」といった、きれいな言葉でスルッと、言い表されるものではありませんね。今の私たちにとってはパワハラ、セクハラは大問題ですし、子どもが学校でイジメにあっても、同様です。

でも戦争は、その何百倍も悲惨で深刻です。

 

 

 

【インパール作戦を知っていますか】

例えば、史上最悪と言われたインパール作戦ですが、言葉だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。だいぶ以前に資料を読んだ時に、その無策ぶりに呆れましたが、今回また読み直してみて、余りのヒドさに腹が立ってきました。

 

戦争の終わる約1年前に、インド北東部のインパール地方へ9万人もの日本兵を送りこんだのですが、武器も食料も必要な量のたった1/10しか支給できませんでした。そのため戦いよりもむしろ飢えと、マラリヤ・赤痢などの病気で次々と倒れ(当たり前だ!)、わずか4か月で、たった12千人になってしまいました!

 

【無責任も良いところ!】

この作戦(?!)に固執した司令官も「これは、まずい。」と思ったそうなのですが、口に出して「撤退!」と言うと、責任を取らされると思い、言い出せなかったと後で述べています。こんな人の指揮下に自分の子どもを送らなければならなった、全ての母親にしてみれば、八つ裂きにしても飽き足りない!

この人、牟田口廉也という中将なのですが、全てにおいてひど過ぎます。

そうしてぐずぐずしているうちに、さらに兵は倒れていき、当然の結果として退却するしかなくなったのですが、みんなが杖をついてやっと立っているのに、自分は馬に乗り、兵士たちに「最高司令官である自分に、最敬礼しろ。」と怒鳴ったそうです。でも兵士たちにはそんな力もなく、ぼんやり無視しているのを見て泣き(!)、こう述べました。

「(略)これが皇軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならないのだ。 兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは、戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…(以下略)」

 

【上官であれば、従うしかない】

まったく、何を夢見ているのでしょう。

でも戦争になれば、こんなバカであっても、上官ならば言うことを聞かないといけないのです。ちなみにこの人は、戦争が終わってから約20年近く生き、天寿を全うしました。

亡くなるまで「周りが無能だから、インパール作戦が失敗した」と言っていたそうですが、どうして何万人も無駄死にさせた人が戦争責任をとらされないのか、私にはわかりませんが・・・。

 

この撤退もまた悲惨で、次々に飢えと病で倒れ、味方の死体を食べて飢えをしのいだと言われています。暑い国ですから、あっと言う間に腐ってウジが湧き、日本軍が退却した道は白い骨で覆われ、「白骨街道」と呼ばれました。この名前も聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

【悲惨過ぎると語れない】

こうして書いていても、本当にため息が出てきます。

実際に戦争を経験した人は、自分の体験を話すことは滅多にありません。悲惨すぎるからでしょうね。

私の祖父もシベリアに抑留されて数年後に帰還したそうですが、沈黙を守って亡くなりました。祖母は(から)(ふと)(今のサハリン)から引き揚げた時に、船から多くの人が落ちて亡くなるのを見たそうですが、その経験をほとんど語りたがりませんでした。

また中国大陸から引き揚げて来るときに、周りに迷惑が掛からないよう自分の赤ちゃんを絞め殺したお母さんや、子どもを置いてくるしかなかった人もいます。自分だったら、そんな経験、到底耐えられません💦

ですから私たちは、本や映画、テレビなどで知るしかないのですが、次の世代のためにも政治家やマスコミの扇動に乗らず、絶対に戦争はしてはならないと決意したいものです。

 

今日のブログ、何だか反戦のプロバガンダみたいですが、でもつくづく平和で良かったと思います。

戦争の犠牲となって亡くなった全ての方々の、冥福を心からお祈りします。