『木挽町わかば座』発表会 | 片岡千次郎 憚りながら…

片岡千次郎 憚りながら…

憚りながら…、平成26年元旦よりブログ始めました!
どれだけ更新出来るかわかりませんが、お芝居のこと、プライベートのことなど色々書かせていただきますー!
よろしくお願い致します!

こども歌舞伎スクール寺子屋
『木挽町わかば座』発表会
3月26、27日、
みんな元気で!
万事滞りなく!
終えることが出来ました!!





我々にとりましてもとても大切に思う、
古典歌舞伎『車引』を、
約一年間、
時にはリモートで画面越しでしたが…
それでも楽しく!
皆と一緒にお稽古を重ねてきました。




その成果を、
沢山のお客様の前で無事に発表出来ました事、
本当に本当に嬉しく、感慨無量でございました。

みんな本当に立派でした!!
ほんまカッコ良かった星
みんな男前でした照れ

統括講師であった、秀太郎師より、
千壽さんと共に、みんなのお稽古を仰せつかり、
上方の仲間の翫政さんも一緒に、
僭越ながら、師の遺志を受け継ぎ、
昨年は『賀の祝』、
今年は『車引』を、
上方の演出にて取り組みました。

上方歌舞伎塾でも、
その後の勉強会でも、
本当に手取り足取り、一言一句、全てをお教え頂いた、思い入れ深いこの演目。

私の師匠我當からも、それぞれの役の演じ方から心構えまで、懇切丁寧にご指導頂きました大切な大切な演目です。

思い返せば、
『賀の祝』が課題となりました時は、
秀太郎師が台本整理をし、
直々に生徒さんへ台詞指導もし、
発表会の際の色紋付きも、実際に選んで下さいました。

事ある毎に千壽さんを通して、色々お伺いしながら、お稽古を続けておりましたが、
コロナ禍となり…
発表会も再三中止となってしまい…。

秀太郎師も、大層残念がられていましたが、
「次は絶対出来る!皆を頼むで!」と、仰られていた言葉が忘れられません。

そして、念願かなった昨年夏、
歌舞伎座のお稽古場に道具を設えての『賀の祝』の発表会!

見て頂きたかったなぁ…。

あの時、私も白太夫役で一緒にお芝居致しましたが、皆の頑張りに、本当に心が熱くなり、胸がいっぱいになりました。

そして、
次の課題が『車引』となり、
お宅にて台本整理をして頂こうという時に、
図らずも、
『はじめての歌舞伎』DVD製作において、
松十郎、千壽、私と、上方メンバーで、
『車引』を演じさせて頂けることとなりました。

ここで改めてお稽古を見て頂き、
収録本番も立ち会って下さったことが、
寺子屋の生徒さんとのお稽古への大義となり、
想いを繋げる架け橋になれたようにも思います。

こだわりぬいた上方式『車引』。
特に、桜丸の演じ方には大きな違いがあります。

しかし、その他のお役は、江戸も上方も、型としての大きな違いはほとんどありません。

ですが、
『菅原伝授手習鑑』という作品の中で、
加茂堤で事が起こり、
菅丞相さまの流罪により、三つ子の兄弟それぞれにも苦悩が生まれ、
そして、佐太村での桜丸の悲劇につながる。
それを心得、その人々を想いながら演じることが『上方の心』。

もちろん、型や約束事を大切にしながら、
荒事のハツラツとした演技をみせるのも大切ですし、憧れる!楽しいところです!

が、
序盤の深編笠を被ったまま、切り株に座ってしゃべる、梅王と桜丸のセリフが、とても大切であると、今回、再認識させられました。

そして、やはり義太夫狂言の間合い、息、なまりは、上方歌舞伎として最重要です。
上方歌舞伎塾で、義太夫の車引もお稽古して頂きましたので、それも思い返しながら…
我々も勉強しなおす良い機会になりました!

そして、特筆したいのは、
時平公が乗る牛車を、仕丁達が押して出る演出を付け加えさせて頂いた事!

本来上方式では、野遠見の道具で始まり、
来い来い~っと二人が花道を引っ込んだあと、
吉田神社社頭になるのですが、
会場、舞台の広さの都合もあり、
転換や、牛車の据え置きなど、
いつものようにはいかない部分が生まれまして…。

そこで思い出したのが、
「以前上方で、仕丁と共に、牛が車を引いて、
ノシノシと上手から出てきたことがあった」
という演出。

これは、
秀太郎師からお話も聞いておりましたし、
十三世仁左衛門大旦那様の本にも、
書き残されております。

これをなんとか再現出来ないかと千壽さんと考え、(さすがに牛は出せませんでしたがアセアセ)
本行にある義太夫の節にのって、
厳かに車を出すことが出来たように思います!!

仕丁の皆も、我々の意を汲んで、緊張感を持って、うまく登場してくれました!


こんな感じで、お稽古を進めましたが…

みんな、本当に、私達が話したことを、
全部忠実に、誠実にやってくれました!

みんながどんどん吸収してくれるので、
我々も、もっと良くなってほしい!と、
ついつい欲が出て、細かい専門的な事まで妥協せずお教え致しましたが、みんな食らい付いて、
しっかり表現してくれました。

何よりも、発表会当日が近付くにつれて、
みんなどんどん表情が生き生きとして、
(マスクをしてても、目を見ればわかります!)
みんなの輪も深まり!(これも嬉しかった爆笑)
おもいっきり楽しんで!
お稽古に取り組んでくれているのが、
本当に嬉しかったですねラブラブ

すすんで質問もしにきてくれるようになったし、ダブルキャストで同じ役を勤めている同士でも、色々意見交換をしていたり…。

一人が個人稽古を受けているときは、もう一人も自然と側にきて、話を聞いたり、一緒に身体を動かしたりしてくれていました。


こんな姿、
我々も本当に見習わなければなりません!!!!


こども歌舞伎スクール寺子屋は、
実際に歌舞伎役者を養成する研修所ではないので、
あまり堅苦しく、厳しくせず、
とにかく皆も我々も、
楽しむこと!一緒に勉強すること!を
念頭に置きたく、先生と呼ばれることを、拒否したくらいです!

一緒に大きな声を出して、いっぱい動いて汗かいて、皆と一緒にお稽古を楽しむ!

そんな中で、歌舞伎の魅力を感じて、
将来、役者や、歌舞伎に何か携わるお仕事についてもらえれば、この上の喜びはないのですがねウインク


始めは、声も動きも小さく、
自信なさげだった皆も、
稽古を重ね、
楽しく過ごしていくうちに、
どんどん生き生きと、たくましくなった!
人前に立って、堂々と何かを表現し、
反応を頂ける楽しさ、喜びを感じ、
自分を解放する良い機会になったのではないかなぁ!

本番では、ひと回りもふた回りも大きく見えました!

そういう意味では、
千壽さんと、翫政さんとで、
皆をうまく導けたのではないかと、
喜びを感じております。


皆の、のびのびとした姿に、
私も子役時代から歌舞伎に憧れ、上方歌舞伎塾に入り、
そこで見るもの聞くもの全てが新鮮で楽しく、
ポジティブ(怖いもの知らず?)だった自分をしみじみ思い返しましたね。
忘れかけていた何かを、思い出させてもらえたようでした照れ

教えることが、教わること!

正にその言葉を実感し、
我々もとても充実した日々を過ごすことが出来ました!

みんな本当にありがとう!!

そして、
生徒さんを支えてくれた事務局の皆さんにも、
発表会に際して、献身的にご協力下さった、
竹本さん、長唄さん、鳴物さん、
スタッフの皆々様にも、心より感謝いたしております。


今回で卒業の四人をご紹介爆笑

横山朝樹星
彼はリーダー的存在!!
賀の祝で松王丸を立派に勤めてくれて、
その経験もあり、車引の梅王丸でも、
私の意をよく汲んでくれて、
しっかり、きっちり演じてくれました!
とてもしっかり者で、一見クールそうですが、
心の中はいつも誰よりも燃えてましたね炎


吉田真守星
彼は皆のムードメーカー音符
身体も顔も立派で、二枚目ですが、
けっこうチョケる、お調子者!
けど、本番前になると小心者でねぇ~ウシシ
けど、舞台姿、力強くて、カッコよかった!!

みきてぃー!こと、
川名海喜星
彼の役になりきる心意気は、ほんますごかった!
伸び幅がすごいと、千壽さんも大絶賛拍手
賀の祝の八重さんは、とても健気で可愛らしく、
ほんまに泣かされたし、
一転、松王丸は、骨太な人間像をいっぱい研究して、立派に表現してくれました!

深澤瑛太星

彼は日本舞踊を習っていることもあり、賀の祝の梅王丸の時は、とても器用に形よくこなせるなぁという印象でした。
ですが、車引が始まってからは、学業も忙しくなり、心配した時もありましたが、
本番が近付くにつれて、どんどん生き生きとしてきて、器用だけじゃなく、ハートを大切に!素敵に桜丸を演じてくれました照れ


他の皆も、それぞれ持ち味があって、面白くて、
みんなご紹介したいところですが…
また来年、皆の成長した姿を、
次は客席から楽しみに拝見し、
またご紹介出来ればと思っております照れ!!

何はともあれ、
みんな!
ほんまに!
ありがとう~ラブラブラブ


何か、
卒業生を送る担任の先生のような…
今年で学校が転任となる先生のような…
そんな心持ちです照れ
まぁ、先生になったことはありませんがねウシシアセアセ



あっ、今回の発表会、
配信があります!

歌舞伎オンデマンドで、
4月22日からだそうです!!

詳細はこちらから下矢印下矢印下矢印


乙女歌舞伎『夢逢姫』も、
皆さんとてもキレイで、しっかりされてて、
めっちゃ素敵でしたよ!!
お芝居の内容も盛り沢山です爆笑

是非是非、ご覧下さいませ。
宜しくお願い申し上げます!!


下矢印下矢印下矢印
こども歌舞伎スクール寺子屋のこと、
こちらからもご覧下さい!
皆の素顔、お稽古の様子も掲載されております!!