青虎先生 | 片岡千次郎 憚りながら…

片岡千次郎 憚りながら…

憚りながら…、平成26年元旦よりブログ始めました!
どれだけ更新出来るかわかりませんが、お芝居のこと、プライベートのことなど色々書かせていただきますー!
よろしくお願い致します!

まずは、

市川弘太郎さん、

二代目市川青虎ご襲名、

おめでとうございます!!


新青虎さんとは、舞台上でご一緒させて頂ける機会は、なかなかないのですが、

(三谷かぶきと、幽玄くらいかなぁ…)

楽屋ではいつも気さくに接して下さり、

楽しくお話させて頂いております!


そして、お芝居の方は、

劇場の隅々までよく通り、ハッキリ聞こえるセリフ、発声!

ハツラツとしたお芝居!

軽妙な味わいも!

身体を充分に使われた舞踊!

などなど…

自分もあんな風に出来たらなぁ…

と、思うことが沢山あり、

いつも注目して拝見し、

良い刺激を沢山頂いております。


昨今では、自主公演を開催されたり、トーク配信なども精力的に取り組まれ、本当に見習わなければいけないところが沢山ある先輩です。


そんな弘太郎さんが、

私達、上方歌舞伎塾卒塾生にとりましては、

本当に懐かしい、

『青虎』の名前を襲名されるとのことで、

本当に嬉しゅうございます照れ


と、申しますのも、

初世市川青虎先生は、

上方歌舞伎塾でお教えを下さった講師のお一人で、

秀太郎先生、竹三郎先生の、

お芝居の授業の補修として、

舞台上の決まり事、

歩き方、座り方、立ち方、

足を割る時の足の角度、

刀など、小道具の扱い、

そして、お化粧も!

道具の準備から、羽二重の色付け、化粧の手順も、

何も知らない我々に、一からお教え下さいました。


役者として、知ってて、出来てあたりまえの、

とても重要な基礎中の基礎を、

素人の我々に本当に一つ一つ丁寧に、

時には優しく、時には厳しくお教え下さった、

恩師のお一人でございます。


青虎先生のお教え下さったことが、

実戦に入って、どれだけ役に立っているか、

時が経てば経つほど、改めて深く感じます。


今こども歌舞伎スクール寺子屋で、

生徒さんとお稽古する中でも、

歌舞伎塾時代のことを、思い出さずにはいられません。


青虎先生が教えて下さったことを、

今自分が生徒さんにお伝えしている。


先生は、こんな気持ちで、私達にお稽古して、接して下さっていたのかなぁ…と、

しみじみ思うことがあります。


自分はまだまだ未熟で、

「教える」というところまでいきませんが、

諸先輩方に様々なお教えを頂いたお陰で、

今の自分があり、今生徒さんたちにお伝えし、

みんな歌舞伎を楽しんでくれている!

今の自分にとって、歌舞伎スクールのお稽古は、

とても有難く、楽しく、有意義な時間です。


ちょっと話がそれましたが…アセアセ


青虎先生の授業で、初めて女方の化粧をした時、

記録としてビデオに撮っておこう!

「こんな顔書いてたんや。下手クソやなぁ~。」

って、笑って思い出せる日が来るから!と仰って、

青虎先生がビデオカメラを回して下さったのも、懐かしい思い出です。

(あの頃は、簡単に携帯でパシャスマホなんて、想像もしてなかったですねアセアセ)


今も松竹座の稽古場のどこかに、そのテープが眠っているはずアセアセ


化粧の授業では、

(我々は化粧をすることを、「顔をする」と言っておりますが)

「なんぼ言うても、うまくならんなぁ。」

「君らのは、カオやなくて、ガオや!」って、

よく先生に叱られていましたねアセアセ


卒塾して、なんとか慣れてきた頃に、

「やっと、カオになったなぁ!」と、

ニコッと仰って下さった表情も、

忘れられません。


授業が終わったら、色んな昔話をしてくださったり、

卒業したら…的な、ちょっと現実的な苦労話も、親身になって話して下さり、

今思うと、我々の気持ちや立場をくんで、一番心寄り添って下さっていたのだなぁと、思い返しております。 



卒塾後、まだ本名でしたが、

師我當の歌舞伎鑑賞教室の巡業に出させて頂き、

『すし屋』の梶原の臣に、卒塾生みんな抜擢して頂いた時、

弥左衛門のお役を青虎先生がお勤めになられていて、

毎日会館も変わり、花道の長さも変わる中、

いつも開演前に一緒に舞台を見て、

「今日はこの辺りで出会って、ここで止まろう」とか、打合せて下さり、いつも近くにいて下さったことが、どれほど心強かったかと、思い出されます。


師我當は、『すし屋』というお芝居には、

大変に、こだわりと、思い入れがおありで、

度々演じられておりますが、

いつもいつも、

「弥左衛門は青虎さんしか考えられない!最高や!」と、仰られていました!


下矢印ビデオを撮ったもので、画質は粗いですがアセアセ







先生のお声は、

本当に渋い!重みがあり、響きがある!

エエお声でしたね。

情感たっぷりで、優しさ、鋭さ、格もあり、

改めて素敵だなぁと思いながら、ビデオを見返しておりました。



その後、これも鑑賞教室の巡業ですが、

入門して一年目の、まだまだ右も左もわかってない頃、

『勧進帳』の四天王という、身に余り過ぎる大役に、千壽、佑次郎、私を、師匠が抜擢して下さったのですが、

青虎先生は、この三人が四天王やるなら、

常陸坊に出る!と仰って下さったらしく、

体力的にも長時間で大変なお役にも関わらず、

ご一緒させて頂き、色々お教え下さり、このときも本当に心強かったですね。


まだまだ思い出は尽きませんが…


とにかく、こんなに沢山お世話になった、

懐かしい恩師のお名前が復活されること、

感慨無量でございます。


それも、歌舞伎座で『新三国志』が上演される!

そこでのご襲名!

スーパー歌舞伎『新三国志』は、

初演時、三作ともに、何度も拝見させて頂きました。

本当に面白く、感動的で、大好きでした。


必ず今月、歌舞伎座も拝見に伺います!!

新青虎さんにも注目しながら、

作品も充分に楽しみたいと思いますおねがい


このデザイン、めっちゃカッコいいラブ


何はともあれ、改めまして、

二代目市川青虎さん、

ご襲名を心よりお祝い申し上げます!!