個人型確定拠出年金(iDeCo)は本当にお得か? | シニアライフ・相続研究所 30代から考える老後設計 金澤宏冶

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年金、退職金、少子高齢化、健康保険、後期高齢者医療、介護保険、
相続、終活、老後破産(老後破綻)に備える方法などについての考え方
を読者の皆様と共に考えていきたいと思います。

 皆様ご存知の通り、来年1月から個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用できる方の範囲が大幅に拡充されます。

 

 この件に関しては、いろいろな方面から歓迎されています。何しろ老齢年金でいえば一階部分に老齢基礎年金、会社員、公務員の方であれば二階部分に老齢厚生年金、そして三階部分に個人型確定拠出年金(iDeCo)というように手厚い年金が期待できるからです。(会社員の方であれば以上のほかに確定給付企業年金が受けられる方もおられます。)

 

 このブログの趣旨からも老後資金の準備として個人型確定拠出年金(iDeCo)を推奨したいと思います。私自身は自営業者ですので公的年金は国民年金のみですので、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しておりますし、国民年金基金にも加入しております。

 

 個人型確定拠出年金(iDeCo) のメリットとしては拠出時、運用時、受取時の税制優遇があげられます。

 

 いいことづくめの様に書かれていることが多いのですが、注意点もあります。

 

 大前提として拠出できるだけの余裕があるかという問題です。所得の少ない方、例えば非正規で働いている方にとっては、生活費に余裕がなくて掛けたくても掛けられない方が相当数いらっしゃるものと思われます。

 

 次に運営管理機関の口座管理手数料がかかる場合、元本割れを起こす可能性があります。拠出金を預金や保険の元本確保型で運用している場合、運用益は現在の運用難のもとではわずかです。ちなみに私は元本確保型の生命保険のみで運用を続けていますが評価額は元本割れを起こしています。

 

 かといって、リスクのある投資信託で運用する場合は必ずしも利益が出るとは限らないという現実があります。つまり運用損が出る可能性があるということです。

 

 また、60歳になるまで(加入期間が10年に満たない場合は60歳より後になります。)引き出すことができないという点です。老後資金を貯めるという目的からすれば当然といえば当然ですが。

 

 とはいえ老齢年金を2階建てや3階建てにするには大変良い制度です。公的年金(国民年金、厚生年金)がこれから先細りするなかで自由加入とはいえ個人型確定拠出年金(iDeCo)は少々無理をしてでも加入する方がよいという見方もできます。

 

 ただ、この制度は「公的年金に過度に期待しないでね」と誰かが言っているような気がするのは私だけでしょうか?