どうなる?中国の軍事力増強の行き先 | 世界日報サポートセンター

どうなる?中国の軍事力増強の行き先

台湾対岸にミサイル最大730基―米国防総省報告

軍事バランス、中国有利に

 【ワシントン19日早川俊行】米国防総省は十九日、「二〇〇五年版中国の軍事力に関する年次報告書」を公表した。報告書は、現在の軍拡ペースが今後も続けば、中国は「地域の確実な脅威になる」と警告するなど、米政府や議会内で強まる「対中警戒感」を色濃く反映したものになっている。

 中国は短期的には台湾の独立阻止に重点を置いており、台湾対岸に短距離弾道ミサイル六百五十―七百三十基を配備していると指摘。年間百基程度ミサイルの数を増やしているほか、射程距離や精度の向上も進めているとしている。


 こうした急速な軍拡や持続的な経済発展によって、「台湾海峡の軍事バランスは中国側に傾いている」と警鐘を鳴らしている。


 報告書はさらに、中国軍近代化の狙いは「台湾の向こうにある」と強調。台湾を支配下に置くことによって、海軍の防衛ラインを広げ、影響力の拡大を目指していると分析している。


 一方、不透明さが指摘されている中国の国防費に関しては、ロシアからの装備購入費など表に出ていない支出を加えると、実際の国防費は公表額の二―三倍、最大九百億㌦(約十兆円)に達すると推計。中国の国防費は「米国、ロシアに次いで世界第三位、アジアでは最大」としている。


 報告書はまた、近年著しく向上した中国軍の能力や装備を個条書きで列記しており、弾道ミサイルについては、今後数年以内に移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「東風(DF)31号」と「東風31号A」、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「巨浪(JL)2号」を配備する見通しを示した。報告書の地図では、フロリダ州を除いて米本土全体が「東風31号A」の射程範囲に入っている。



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