「めぐみちゃんと家族のメッセージ~横田滋写真展」を観る | 世日クラブじょーほー局

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 横田めぐみさんは、1977年、中学1年時(13歳)に北朝鮮に拉致され、それから46年星霜を経た。本写真展は、写真好きだった故横田滋氏が撮りためていた、めぐみさんとともに過ごした13年間の平穏な日々を公開するもの。加えて、めぐみさんが着用していた浴衣や、直筆の手紙や絵など、夫妻にとって目に入れても痛くない可愛い盛りの愛娘の生活感あふれる13年の軌跡がそこにある。

 

 突如訪れた娘との断絶…。その喪失感たるや想像を絶する。事故や病気で子を失うこともむろん、いたたまれないことだが、何の前触れもなく、忽然と神隠しのように娘が消えてしまったのである。受け入れるも何もない。泣くに泣けない。憤懣やる方ない思いを持て余すのみ。ただ、一方でめぐみさんはたった一人、北の工作船に連れ込まれ、泣けど叫べど通じない、得体の知れない外国での監禁生活を余儀なくされたのである。若干13歳で。

 

 それから46年…。めぐみさんだけでない、今現在、日本政府が認定している拉致被害者は17名(うち5名が帰国)。そして拉致の可能性が排除できない特定失踪者は875名。彼らは、今この瞬間も故郷や家族を想い、日本への帰国を一日千秋の思いで待ちわび、戦っていることを忘れてはならない。

 

 拉致は、極悪犯罪国家によって市井の市民を対象に引き起こされたテロであり、政治の不作為、マスコミの怠慢、国民の無関心は共犯である。その共犯者は、極悪犯罪国家の独裁者に舌なめずりさせ、横田夫妻はじめ、拉致被害家族の傷口にさらに塩をすり込むことをやってのけたということを銘記すべきだ。

 

 拉致は決して他人事ではない。まかり間違えば、自分が、あるいは自分の家族がそうなったかもしれないという見地に立って、微力を尽くすことを惜しむべきでない。自分に何ができるか? この写真展を見に行くことが第一歩となるだろう。